はじめに
個人開発で色々なAI系ツールを試している中で、 Verdent AI というツールの新機能 Manager を触る機会があったので、実際に使ってみた感想をまとめていきます。
結論としては「AIにコードを書いてもらう」というより「AIにプロジェクトマネジメントごと任せる」という体験で、従来のAIコーディングツールとはかなり毛色が違いました。
この記事の対象者
- 個人開発でプロダクトを作りたいけど何から手をつければいいかわからない人
- AIコーディングツールは使ったことがあるけど、もっと上流から任せたい人
- 非エンジニアだけどプロダクトを形にしたい人
Verdent Managerとは
まずVerdent AIについて簡単に説明します。
Verdent AIはソフトウェア開発のためのAIツールで、公式サイトでは「AIネイティブなパートナー」と表現されています。
GitHub CopilotやCursorが「コード補完」や「1対1の対話でコードを生成する」ことに軸足を置いているのに対して、Verdentはプロジェクト全体を自律的に推進するというアプローチをとっています。
その中でもManagerは最新の機能で、ざっくり言うと「やりたいことを伝えるだけで、タスク分解・技術選定・実装まで自律的に進めてくれる」というものです。
公式では「あなたのAI CTO」と紹介されていますが、実際に触ってみるとその表現は割と的を射ているなと感じました。
セットアップ
始め方はシンプルです。
- verdent.ai からアプリをダウンロード
- メールアドレスでアカウント登録
- アプリを起動してプロジェクトを作成
現在は無料トライアル期間中で、登録すると100ポイントが付与されます。ダッシュボードからポイント残高を確認できます。
起動するとManagerがこんな感じで挨拶してくれます。
こんにちは!私はあなたのパーソナルプロジェクトマネージャーです。
コードを書くだけではありません — プロジェクト全体を納品します。
実際に使ってみた
ここからは実際に「SaaS型の顧客管理ツール」を作りたいと伝えてみた時のやり取りを紹介していきます。
まずは一言伝えてみる
チャット欄にこう入力しました。
SaaS型の顧客管理ツールを作りたい。まずは計画を立ててほしい
Managerが要件をヒアリングしてくる
18秒後に返ってきたのはコードではなく質問でした。
いいね、さっそく取りかかろう!いくつかだけ教えてほしい:
- どんな機能がほしい? — 顧客情報管理、商談管理、請求、メール配信など
- 技術スタックの希望はある?
- ターゲットユーザーは?
- MVP(最小限のリリース)のスコープ感
いきなりコードを生成するのではなく、優秀なPMやCTOが最初のミーティングで聞いてくるような質問を投げてきます。
ざっくり回答する
自分はこう答えました。
1. 上げてくれている機能
2. Next.jsとTypeScript
3. 中小企業特化型
4. MVPで作りたい
かなりざっくりですが、これだけで十分伝わります。
Managerが計画策定を開始する
了解!方向性バッチリ。中小企業向けCRMをNext.js + TypeScriptでMVPから、だね。
そしてManagerは自動的にプロジェクトを作成し、以下を考え始めました。
- MVP機能の優先順位
- アーキテクチャ設計(DB、認証、マルチテナント構成)
- 技術選定(ORM、UIライブラリ、メール配信、ホスティング)
- 実装ロードマップ(フェーズ分けとスケジュール感)
- 画面一覧・データモデル
技術的な意思決定まで代行してくれる
さらに驚いたのは、計画策定の途中で出てくる技術的な判断をManagerが代理で回答してくれたことです。
いくつか技術的な判断を代わりに回答しておいたよ:
- 提供地域 → 日本先行、将来グローバル対応
- 請求管理 → MVPではデータ管理のみ(送付・決済はPost-MVP)
- マルチテナント → 共有スキーマ+tenant_id分離(MVPに最適)
もし方向性が違ったら言ってね、修正するよ。
少し噛み砕くと、「全部自分で決めなくても、Managerが妥当な判断をしてくれて、違ったらあとから修正できる」ということです。
個人開発だと技術選定の段階で悩んで手が止まることが多いので、これはかなり良いなと感じました。
従来のAIツールとの違い
ここまで使ってみて感じた、他のAIコード生成ツールとの違いを整理していきます。
「コードを生成する」ではなく「プロジェクトを推進する」
多くのAI系のコード生成ツールは、基本的にこちらが「何をすべきか」をわかっている前提で動きます。「この関数を書いて」「このバグを直して」といった指示が必要です。
一方でVerdent Managerは「何を作りたいか」だけ伝えれば、そこから先を自分で考えて動いてくれます。タスクの分解、優先順位付け、技術的な判断まで含めて自律的に進むので、使う側の負担がかなり減ります。
文脈を忘れない
従来のAIチャットだと、長いやり取りの中で前に伝えたことを忘れてしまうことがあります。Managerはプロジェクトの文脈を長期記憶として保持するので、1週間後に「先週の決済機能に管理画面を追加して」と言っても、ちゃんと前回の実装を踏まえて動いてくれます。
公式でも「一度言えば永遠に覚えている」と謳っていますが、実際に使うほど自分の好みやプロジェクトの方針を理解してくれるので、やり取りがどんどんスムーズになっていく感覚があります。
並列でタスクを進められる
Verdentにはワークスペースという機能があり、複数の機能開発を独立した環境で同時に進められます。それぞれのワークスペースが独立したブランチ・コミット履歴を持つので、互いに干渉しません。
例えば、ユーザー認証機能と商品カタログ画面を別々のワークスペースで並行開発する、といったことが可能です。
Slack・Telegramから指示を飛ばせる
アプリを開いていなくても、SlackやTelegramからManagerに直接指示を送れます。
アプリの左サイドバーに「リンク Slack」「リンク Telegram」「リンク Feishu」のボタンがあり、連携はワンクリックです。移動中にスマホからSlackで「テスト走らせて」と送れば、Managerがバックグラウンドで作業を進めてくれます。
効果的なプロンプトのコツ
実際に使ってみて感じた、Managerへの指示の出し方のコツをまとめます。
最初はざっくりでいい
Managerは曖昧な指示でも、必要な情報を自分から聞いてきます。完璧な仕様書を用意する必要はありません。
# これで十分
ECサイトを作りたい。まず計画を立てて。
# こう書く必要はない
Next.js 14 + App RouterでECサイトを構築してください。
認証はNextAuth.js、DBはPrisma + PostgreSQL、
決済はStripe Checkout...
具体的な制約は後から追加する
計画ができた段階で「ここはこうしたい」と修正を伝えればOKです。Managerはコンテキストを保持しているので、何度でも方針転換できます。
既存コードのリファクタリングはファイルパスを指定する
既存プロジェクトの改善を依頼する場合は、ファイルパスと制約条件を具体的に伝えると精度が上がります。
/utils/date.ts を読みやすくリファクタリングして。
外部インターフェースは変えず、純粋関数を優先し、
JSDocに使用例を3つ追加して。
ある検証では、このように具体的なプロンプトにすることで提案の受け入れ率が58%から74%に向上したという報告もあります。
気になった点
良いことばかり書いてもフェアではないので、使っていて気になった点も挙げておきます。
- 判断を任せすぎると危険: Managerが代理で技術的判断をしてくれるのは便利ですが、そのまま鵜呑みにせず、自分でも妥当性を確認する癖はつけたほうがいいと思います
- 学習コストはある: 従来のAIツールとは操作感がかなり違うので、最初は「どこまで任せていいのか」の感覚を掴むのに少し時間がかかりました
最後に
いかがだったでしょうか。今回はVerdent AIの新機能Managerを使って、SaaS型CRMの開発計画を立ててもらった体験をまとめました。
自分が一番印象に残ったのは、「コードを書いてくれるAI」ではなく「プロジェクトを一緒に考えて推進してくれるAI」という体験でした。個人開発で「アイデアはあるけど手が動かない」という状態に陥っている人には、一度触ってみる価値はあると思います。
他にもいろいろな記事を書いているのでぜひ読んでいただけたら嬉しいです。


