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Railsで多対多の関係を扱う - Part 4: Railsの多対多関係におけるページネーションと順序指定の問題解決

Last updated at Posted at 2024-04-22

前回までの記事

はじめに

多対多の関係を持つモデル間でデータを取得し、それを一定の順序でページネーションする場合、特にRailsでは複雑な問題に直面することがあります。本記事では、具体的な問題点とその解決策を、実際のコードを用いて詳しく解説します。

問題の発生

例として、ServiceCategoryが多対多の関係にあり、関連するCategoryの名前でServiceをソートしたい場合を考えます。以下のようなコードでデータを取得しています。

@services = current_company.services
                           .includes(:categories)
                           .order("categories.name #{sort_order}, services.name #{sort_order}")
                           .page(params[:page]).per(10)

しかし、このコードでは期待される10個ではなく、ページあたり9個や8個のレコードが表示され、ページネーションリンクも適切に表示されない問題が発生しています。

原因の解析

この問題の主な原因は、order句でcategories.nameを使用しているため、関連付けられたカテゴリごとにservicesが異なる順番で繰り返し表示されるためです。これにより、ページあたりのサービス数が不一致になり、ページネーションがうまく機能しません。

解決策

  1. DISTINCTの使用
    最も簡単な解決策は、クエリにdistinctを追加することです。これにより重複するservicesレコードを排除できますが、ソートの結果が期待と異なることがあります。

    @services = current_company.services
                               .includes(:categories)
                               .order("categories.name #{sort_order}, services.name #{sort_order}")
                               .distinct
                               .page(params[:page]).per(10)
    
  2. joinsを使用
    joinsを使用すると、関連するカテゴリに基づいてサービスをソートする場合に特に有効です。joinsincludesと異なり、Eager Loadingは行われませんが、ソートやフィルタリングには最適です。

    @services = current_company.services
                               .joins(:categories)
                               .order("categories.name #{sort_order}, services.name #{sort_order}")
                               .distinct
                               .page(params[:page]).per(10)
    
  3. サブクエリの使用
    より複雑なケースでは、SQLのサブクエリを使ってデータを先にフィルタリングしてからページネーションする方法が有効です。

    @services = current_company.services
                               .select('services.*, MIN(categories.name) as first_category_name')
                               .joins(:categories)
                               .group('services.id')
                               .order("first_category_name #{sort_order}, services.name #{sort_order}")
                               .page(params[:page]).per(10)
    

    このクエリでは、各サービスについて最初のカテゴリ名を取得し、それに基づいてソートを行います。これにより、各ページに一貫性のある順序でサービスが表示され、ページネーションも正しく機能します。

サブクエリの解説

サブクエリを使ったソリューションで問題が解決できたとのこと、良かったですね!それでは、そのクエリの意味と意図について詳しく解説しますね。

サブクエリの使用目的

このクエリの主な目的は、複数のカテゴリに関連する各サービスを一意に並べ替えて表示し、ページネーションを正しく機能させることです。特に、services テーブルと categories テーブルが多対多の関係にあるため、同じサービスが異なるカテゴリ名で複数回リストされるのを防ぎます。

クエリの解析

ここで使用されているクエリは次のようになっています。

@services = current_company.services
                           .select('services.*, MIN(categories.name) as first_category_name')
                           .joins(:categories)
                           .group('services.id')
                           .order("first_category_name #{sort_order}, services.name #{sort_order}")
                           .page(params[:page]).per(10)

各部分の役割を詳しく見ていきましょう。

  1. select('services.*, MIN(categories.name) as first_category_name')

    • この部分は、services テーブルのすべてのカラムと、関連する categories の中で辞書順に最も早い(最小の)カテゴリ名を選択します。ここで MIN(categories.name) を使うことで、各サービスに対して一意のカテゴリ名を確保し、その名前でソートできるようになります。
  2. joins(:categories)

    • servicescategories テーブルを内部結合します。これにより、サービスに関連するカテゴリのデータが利用できるようになります。
  3. group('services.id')

    • services.id でグループ化することにより、各サービスごとに集約操作(この場合は MIN)を適用します。これがないと、MIN 関数を使用することができません。
  4. order("first_category_name #{sort_order}, services.name #{sort_order}")

    • 選択されたカテゴリ名(first_category_name)とサービス名(services.name)に基づいて、結果を並べ替えます。sort_order は動的に 'ASC' または 'DESC' を指定することができ、ソートの順序を制御します。
  5. page(params[:page]).per(10)

    • 結果をページネーションするためのメソッドです。page メソッドで現在のページを設定し、per メソッドで1ページあたりのアイテム数を指定しています。

このクエリは、多対多の関係にあるデータを効率的に処理し、特定の順序でソートした結果を一貫して表示するために設計されています。さらに、ページネーションを適切に機能させるために、サービスごとにカテゴリ名を一意にする工夫がなされています。このようなアプローチは、複雑なデータモデルを扱う際に非常に役立ちます。

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