イントロダクション
- RIPはシンプルなディスタンスベクタ型ルーティングプロトコルで、今でも小規模ネットワークに使われることがある。
- しかし、サブネットマスクに対応していないため、現在のネットワーク設計では不便な点が多い。
- 今回は、RIPのサブネットマスク問題をプロキシARPで回避できるかを考察する。
1. RIPがサブネットマスクに対応していない問題
- RIPはクラスフルルーティングのみ対応で、CIDRに基づくクラスレスなサブネット分割ができない。
- 小さなサブネットに柔軟に分割することができず、IPアドレスが無駄になる。
- 異なるサブネットサイズを混在させた構成や、柔軟なアクセス制御が難しい。
2. プロキシARPの仕組みとメリット
- プロキシARPは異なるサブネット間で直接通信ができるように見せかける手法。
- RIPのサブネット問題を一部回避できる可能性がある。
3. プロキシARPで回避する際の問題点
- ルーティングの柔軟性が低い :プロキシARPはルーティングの最適化には向かない。
- ネットワークが混乱しやすい :ARPテーブルが膨らみ、ブロードキャストが増えることで混乱が生じる。
- セキュリティリスク :ネットワークの境界が曖昧になり、意図しないアクセスが発生しやすい。
- トラブルシューティングの難しさ :プロキシARPによる偽装が原因で、問題箇所の特定が複雑化する。
4. 結論
- プロキシARPで一部の問題を回避することは可能だが、リスクが多いため大規模ネットワークには向かない。
- 結果的に、CIDRに対応したOSPFやEIGRPのようなルーティングプロトコルを使う方が現実的で安全。
最後に
- 小規模ネットワークや教育用でRIPを使う場合、プロキシARPのような工夫も学びとしては有用。
- しかし、実運用ではセキュリティや管理面でリスクが多いため、RIPからの移行を検討するのが望ましい。