AWSインスタンス作成の設定項目
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AMI (Amazon Machine Image): インスタンスにインストールするOSやアプリケーションの設定が含まれたテンプレートです。Amazon Linux 2, Ubuntu, Windows ServerなどのさまざまなOSから選択できます。
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インスタンスタイプ: CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーキングキャパシティによって異なります。一般的なタイプにはt2.micro, m5.largeなどがあります。
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リージョンとアベイラビリティゾーン: AWSの物理的なデータセンターの位置です。リージョンには米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(東京)などがあります。インスタンスの遅延と料金に影響します。
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インスタンス数: 起動するインスタンスの数です。
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購入オプション: オンデマンド、リザーブドインスタンス、スポットインスタンス、専用ホストなどがあり、それぞれ料金と使用条件が異なります。なしも可能。
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ネットワークとサブネット: インスタンスを配置するVPC(Virtual Private Cloud)とサブネットを指定します。
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配置グループ: 物理的に近接したハードウェア上にインスタンスを配置する設定です。性能やネットワークの遅延を最適化したい場合に使用します。なしも可能。
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IAMロール: インスタンスに割り当てるAWS Identity and Access Management(IAM)ロール。AWSリソースへのアクセス権をインスタンスに与えます。なしも可能。
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シャットダウン動作: インスタンスのシャットダウン時の動作を選択します(停止または終了)。
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削除保護の有効化: インスタンスが誤って削除されるのを防ぐための設定です。なしも可能。
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モニタリング: CloudWatchを使用してインスタンスのモニタリングを有効にするかどうか。なしも可能。
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テナンシー: インスタンスが物理的なホストを他のAWSアカウントと共有するか(デフォルト)、専用ホストを使用するかを選択します。
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T2/T3無制限: T2/T3インスタンスでCPUクレジットのバランスに関係なくCPU性能を最大限に活用できるオプションです。
⇒負荷が高まったときのバースト(一時的に高いパフォーマンスを出す機能)を無制限にすることが可能です。ただし、通常のバーストを超えた利用については別途料金がかかるため、常にサーバに負荷がかかる使い方の場合、コストが想定以上にかさんでしまうおそれがあります。
⇒なしも可能。 -
ストレージ: EBS(Elastic Block Store)やインスタンスストアといったストレージオプション、その容量と種類(SSD, HDD)を選択します。
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タグ: インスタンスや他のAWSリソースを識別するためのユーザー定義のタグ(キーと値のペア)キーはName、値はYellow Serverなどのサーバーの名称。
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セキュリティグループ: インスタンスへのアクセスを制御するための仮想ファイアウォールルールのセット。例えば、SSH(ポート22)、HTTP(ポート80)、HTTP(ポート443)など
料金の計算
AWSの料金計算は複雑で、使用したサービスの種類と量に基づいています。基本的には以下のコンポーネントに分けられます:
- インスタンスの使用量: 選択したインスタンスタイプと購入オプション(オンデマンド、リザーブド、スポット)に基づく料金。
- EBSの料金: 使用したEBSボリュームのタイプ(SSD, HDD)と容量、およびIOPSに基づく料金。
- データ転送料金: インターネットやAWS内でのデータ転送にかかる料金。
- 追加サービスのオプション: 詳細モニタリング、専用ホスト、その他の追加サービスに関する料金。
支払い方法には、クレジットカード、デビットカード、AWSの請求書支払いなどがあります。
AWS加入の特典
- AWS Free Tier: 新規顧客には、12ヶ月間無料で利用できる特定のサービスがあります。例えば、毎月750時間のAmazon EC2 t2.microインスタンス使用が含まれます。
- 広範囲のサービスとリソース: コンピューティング、ストレージ、データベースなど、さまざまなニーズに応える豊富なサービスが利用可能です。
- 柔軟性と拡張性: リソースをリアルタイムで追加または削除することで、ビジネスの成長や需要の変動に合わせて簡単にスケールアップまたはダウンが可能です。
EC2の得手不得手
得手:
- 柔軟性: 多様なインスタンスタイプと設定オプションにより、ほとんどのコンピューティングニーズに対応できます。
- スケーラビリティ: 需要に応じてリソースを瞬時に追加または削除できるため、効率的にスケールアップまたはダウンが可能です。
- セキュリティ: VPC、セキュリティグループ、IAMロールなど、強力なセキュリティ機能と柔軟な設定が可能です。
不得手:
- 複雑性: 多岐にわたるオプションと設定が初心者にとっては複雑に感じられることがあります。
- コスト管理: リソースの使用状況によっては、想定外の高額な料金が発生する可能性があります。適切なコスト管理と監視が必要です。
この概要から、AWSのEC2を効率的に使用するためには、利用するサービスと設定オプションを理解し、コスト管理に注意することが重要です。
EC2はマネージドサービスではないので、素のEC2を使用するだけではクラウドのメリットを活かしきれているとはいいがたく、最近ではECSやEKSなどのコンテナサービスを組み合わせる例が多くなってきています。