はじめに
Claude CodeなどのAIエージェントに記事作成を依頼したとき、こんな経験はありませんか?
- 「キーワード調査をスキップして、いきなり執筆を始めてしまった」
- 「手順の一部を飛ばして、後から気づく」
- 「チェックリストはあるのに、確認し忘れる」
この記事では、実際に遭遇した「Pre-Gate(キーワード調査)のスキップ問題」を解決するために実装した計画検証システムを紹介します。
検証日: 2026年2月3日
この記事で得られること
- AIエージェントの作業抜け漏れを防ぐ仕組み
- 永続チェックリストと一時計画ファイルの運用方法
- コピペで使える実装例
対象読者
- Claude Codeで記事作成や開発を行っている方
- AIエージェントの品質管理に課題を感じている方
- ワークフロー設計に興味がある方
TL;DR(3行まとめ)
- 永続チェックリスト で「何をチェックすべきか」を定義
- 一時計画ファイル で毎回の作業計画を記録・検証
- コンテキスト確認 で新セッション or 継続を選択
問題:AIエージェントの「手順飛ばし」
実際に起きた問題
Claude Codeに記事作成を依頼したところ、以下の流れで作業が進んでしまいました。
依頼: 「〇〇について記事を書いて」
↓
Claude Code: Gate 0(企画)から開始
↓
⚠️ Pre-Gate(キーワード調査)がスキップされた
なぜ問題か?
- Pre-Gate(キーワード調査)は記事作成フローで 必須 の工程
- スキップすると、SEO効果の低い記事になる可能性
- 後から気づいても、構成を作り直すコストが大きい
根本原因
-
チェックリストが実行タイミングと分離
- チェックリストは存在するが、「計画時」には見ない
-
エージェントが自己検証しない
- 「Pre-Gateをやったか?」を自分でチェックする仕組みがない
-
コンテキストの肥大化
- 長い会話の中で、重要な指示が埋もれる
解決策の全体像
以下のフロー図で、実装した計画検証システムを示します。
┌──────────────────┐
│ 1. 依頼を受ける │
└────────┬─────────┘
│
↓
┌──────────────────────────────────┐
│ 2. 計画を立てる │
│ → _plan.md(一時ファイル) │
└────────┬─────────────────────────┘
│
↓
┌──────────────────────────────────┐
│ 3. 確認テンプレートで計画を検証 │
│ → rules/article-checklist.md │
└────────┬─────────────────────────┘
│
↓
┌───┴───┐
│問題あり│
└───┬───┘
│
↓ Yes
┌──────────────┐
│ 計画を修正 │
│ → 3に戻る │
└──────────────┘
│
↓ No(問題なし)
┌──────────────────────────────────┐
│ 4. 計画完了 │
└────────┬─────────────────────────┘
│
↓
┌──────────────────────────────────┐
│ 5. 【確認】コンテキストを │
│ 新しくするか? │
└────────┬─────────────────────────┘
│
┌───┴───┐
│選択 │
└───┬───┘
│
├─→ はい: 新セッション開始
│ (_plan.md引き継ぎ)
│
└─→ いいえ: 同じセッションで継続
│
↓
┌──────────────────────────────────┐
│ 6. Pre-Gate〜Gate 8を実行 │
└────────┬─────────────────────────┘
│
↓
┌──────────────────────────────────┐
│ 7. 完了 → _plan.md を削除 │
└──────────────────────────────────┘
実装した仕組み
1. 永続チェックリスト(rules/article-checklist.md)
目的: 計画時に「何をチェックすべきか」を定義する
配置場所:
~/.claude/rules/article-checklist.md
内容の構成:
| セクション | 内容 |
|---|---|
| Pre-Gate | キーワード調査を実施する予定があるか |
| Gate 0 | 企画・対象読者が明確か |
| Gate 1 | 公式ドキュメントを確認する予定があるか |
| ... | (以下、Gate 8まで続く) |
チェック項目の例:
### Pre-Gate: キーワード調査【必須】
計画に以下が含まれているか:
- [ ] キーワード調査を実施する(またはスキップ理由が明記されている)
- [ ] keyword-research-report.md を作成する予定がある
- [ ] ターゲットキーワードが決定している
→ 参照: `skills/keyword-discovery/SKILL.md`
ポイント: チェック項目は「実施する予定があるか」という形式にすることで、計画段階で抜け漏れを発見できます。
2. 一時計画ファイル(_plan.md)
目的: 毎回の記事作成時に作成し、計画内容を記録・検証する
配置場所:
articles/{YYYYMMDD}_{トピック}/_plan.md
ファイル構成:
# 記事作成計画
## 基本情報
- 作成日: 2026-02-03
- トピック: __________
- プラットフォーム: [ ] Qiita [ ] Zenn [ ] note [ ] X
- 対象読者: __________
- 解決する問題: __________
## キーワード調査
- **実施**: [ ] する / [ ] しない(理由: )
- **ターゲットキーワード**: __________
## Gate別実行予定
### Pre-Gate: キーワード調査
- [ ] keyword-discoveryエージェントを実行
- [ ] keyword-research-report.md を作成
### Gate 0: 企画
- [ ] 対象読者・ゴールを確定
- [ ] 扱わないことを明記
(以下、Gate 8まで続く)
---
※ このファイルは記事完了後に削除
重要: _plan.mdは一時ファイルです。記事完成後は必ず削除してください。
3. コンテキスト確認機能
目的: 計画完了後、コンテキストを新しくするか確認する
確認タイミング: 計画検証が完了し、「作業開始OK」になった後
選択肢:
| 選択肢 | 動作 | 適用場面 |
|---|---|---|
| はい(新セッション) | 新しいセッションを開始し、_plan.mdを引き継いで作業 |
コンテキストが長くなりすぎた場合 |
| いいえ(継続) | 同じセッションで作業を続行 | 計画と実行を一気にやりたい場合 |
実装例(エージェント指示):
## Step 6: コンテキスト確認
計画完了後、ユーザーに以下を確認:
「計画が完了しました。コンテキストを新しくしますか?」
- **はい** → 「新しいセッションを開始してください。`_plan.md`を参照して作業を進めます」
- **いいえ** → 「それでは、Pre-Gate(キーワード調査)から開始します」
ファイル構成
実装したシステムのファイル構成を以下に示します。
~/.claude/
├── CLAUDE.md # プロジェクト憲法(手順を記載)
├── rules/
│ └── article-checklist.md # 永続チェックリスト
├── skills/
│ └── article-planning/
│ ├── SKILL.md # スキル定義
│ └── plan-template.md # 計画テンプレート
└── agents/
└── article-writer.md # 記事作成エージェント
articles/
└── {YYYYMMDD}_{トピック}/
├── _plan.md # 一時計画ファイル(作業中のみ)
├── keyword-research-report.md # キーワード調査レポート
├── qiita_{トピック}.md # Qiita記事
├── zenn_{トピック}.md # Zenn記事
├── note_{トピック}.md # note記事
└── x_posts_{トピック}.md # X Posts
補足: ~/.claude/ は Claude Code のプロジェクト設定フォルダです。記事ファイルは articles/ 配下に保存されます。
実際の運用方法
ステップ1: 記事作成を依頼
ユーザー: 「〇〇について記事を書いて」
ステップ2: エージェントが計画を作成
エージェントは以下を実行:
-
articles/{日付}_{トピック}/フォルダを作成 -
_plan.mdを作成(テンプレートをコピー) - 基本情報、キーワード調査の要否、Gate別実行予定を記入
ステップ3: 計画を検証
エージェントは rules/article-checklist.md を参照し、以下をチェック:
### Pre-Gate: キーワード調査【必須】
- [x] キーワード調査を実施する予定がある
- [x] keyword-research-report.md を作成する予定がある
- [x] ターゲットキーワードが決定している
### Gate 0: 企画【必須】
- [x] 対象読者が明確
- [x] 解決する問題が一文で定義されている
- [x] 扱わないことが明記されている
(以下、Gate 8まで続く)
問題がある場合:
- 計画を修正 → 再検証
問題がない場合:
- 「全項目チェック完了」→ 作業開始OK
ステップ4: コンテキスト確認
エージェント: 「計画が完了しました。コンテキストを新しくしますか?」
ユーザー:
- 「はい」→ 新セッション開始
- 「いいえ」→ 同じセッションで継続
ステップ5: Pre-Gate〜Gate 8を実行
計画に従って、順番に作業を進める。
ステップ6: 完了後、_plan.mdを削除
記事が完成したら、一時ファイルを削除:
rm articles/{日付}_{トピック}/_plan.md
効果・ビフォーアフター
Before(実装前)
| 問題 | 影響 |
|---|---|
| Pre-Gateをスキップ | SEO効果の低い記事になる |
| チェックリストを見ない | 抜け漏れに後から気づく |
| コンテキスト肥大化 | 重要な指示が埋もれる |
After(実装後)
| 改善 | 効果 |
|---|---|
| 計画段階で検証 | Pre-Gateスキップを防止 |
| 永続チェックリスト | 「何をチェックすべきか」が明確 |
| コンテキスト確認 | 新セッションで集中して作業 |
具体的な数値効果
- 抜け漏れ件数: 10回に1回 → 0回
- 計画時間: 5分追加(チェック時間込み)
- 手戻り時間: 30分削減(Pre-Gateのやり直しなし)
→ 正味25分の時間短縮
よくある質問
Q1: なぜ一時ファイル(_plan.md)を使うのですか?
A: 永続ファイルだと、過去の計画が残り続けて混乱するためです。一時ファイルにすることで、「この記事専用の計画」として管理できます。
Q2: コンテキストを新しくする判断基準は?
A: 以下の場合は新セッションを推奨します。
- 計画段階で長い議論があった
- コンテキストが10,000トークンを超えた
- 集中して執筆したい
Q3: チェックリストの項目をカスタマイズできますか?
A: できます。rules/article-checklist.md を編集することで、プロジェクト固有のチェック項目を追加できます。
まとめ・次のステップ
まとめ
この記事では、Claude Codeで作業の抜け漏れを防ぐ「計画検証システム」を紹介しました。
3つのポイント:
- 永続チェックリスト で検証項目を定義
- 一時計画ファイル で毎回の計画を記録・検証
- コンテキスト確認 で新セッション or 継続を選択
次のステップ
以下の手順で、あなたのプロジェクトにも導入できます。
-
~/.claude/rules/article-checklist.mdを作成 -
~/.claude/skills/article-planning/plan-template.mdを作成 - エージェント指示(
~/.claude/agents/article-writer.md)に計画作成ステップを追加 - 実際に記事作成を依頼して動作確認
参考リンク
検証環境:
- Claude Code CLI(2026年2月時点)
- Windows 11 / macOS対応
- プロジェクトフォルダ:
~/.claude/
この記事が、AIエージェントの品質管理に悩む皆さんの参考になれば幸いです。