前編からの続きです。
転職 ◎
大手に最初から入った場合以外、引退するまでずっと同じ会社に居続けるという方が珍しいかもしれません。それくらい転職のハードルは低いです。技術や年齢が上がれば、技術的に物足りなくなったり、給料が安かったりで今いる会社が「手狭」になるのです。ただ、いくら転職しやすいといっても、仁義を欠いた逃げ出し方をしてはいけないことは他の業界と変わりありません。プロジェクトが終了するタイミングなど、キリのいいところで退職を願い出ましょう。まあ、新卒で就職する前に考えることではないですね。独立 ◎
転職のしやすさとならんで、独立起業をする人が多いのも特徴でしょう。個人事業主あるいは法人として独立して、プロジェクト単位で委任で契約したり派遣で契約したりと様々です。勤め人時代のつてで仕事を紹介してもらったり、IT業界専門のエージェントに頼んだりすることで、自分にあった仕事を見つけることができます。ただ、エージェントに頼む場合はある程度の業務経歴が必要となります。これも先の話ですね。とりあえず独立する人も多いとだけ思っていてください。収入 ×~○
労働時間と並んで気になるところですね。これはかなり幅広いです。営業力も技術力も弱く安い下請けしかできない会社に勤めていれば、激務にも関わらず安い給料しか得られません。一方で、個人事業主や法人で独立して単価の高い仕事をやれば、年収1000万円超えもできます。これは自らの技術力アップと仕事のやり方次第でいくらでも変えられます。ただ、億り人になるにはかなり厳しいかもしれません。たとえば、開発したソフトがバカ売れするとか、独立した会社を大きくして人を雇って高い仕事を受注したり自社開発するとかということが必要になってきます。「勤め人」かつ「エンジニア」を極めても億り人となる道筋は、筆者には想像がつきません。Googleやマイクロソフトに勤めたとしても億はないんじゃないでしょうかね。これから準備しておくこと
転職と違って新卒者ですので職務経歴はないものとします。筆者は新卒でコの業界に入ったわけではなく、また就活もかなり昔のことなのでもしかしたら的を射ていない可能性もあります。それを含めて読んでください。動機
まずは志望動機ですが、筆者が就活していた頃はPCはまだ一般的に普及していたわけではないので、履歴書に堂々と 「メールが使えます」 「エクセルが使えます(表計算やマクロができるとは言っていない)」 などと書くことができましたし、採用する側も、一部上場企業でもない地元の中小企業などでは 「おお、PCが使える有能な人が応募してきた」 などと採用に有利に働いていたこともありました。また、パソコンが使える仕事ということで仕事を探すなんてこともありました。それでもパソコンが導入されている企業も少なかったので、パソコン、コンピュータが使える仕事イコールIT業界という側面もありました。もちろん、今はそんなことはまったくなく、メールが使えない学生を見つける方が難しい時代です。事務職で就職すれば、ほぼパソコンを使うことになります。したがいまして、パソコン、コンピュータを使った仕事がしたいという動機ではなかなか厳しいかと思います。やはり、アプリケーションの開発をしたい、システムを構築したいなどと専門職・技術職として活動したいという動機は必要です。
ただ、就活本にあるようなテンプレ的な志望動機ではよろしくないかとも思います。次の技術的準備と合わせると、よりはっきりと動機を語ることができます。
技術的準備
コの業界は人手不足ということもあって、就職へのハードルは低いかもしれません。しかし、入った後は決して楽ではありません。就職希望をIT業界であると定めたものの、具体的に興味があるのはどの分野かまだわからないなら、次のような準備をするといいと思います。ある程度絞れているなら、本節は読み飛ばして構いません。まずは、PCを1台用意します。スペックは低くてかまいません。自作でも構いません。そしてGoogleだけを頼りに、LinuxやWindowsのインストールをします。Windowsのインストールはそんなに難しいことはないかもしれませんが、Linuxは多少苦労することでしょう。OSのイメージのダウンロードで躓くかもしれません。OSのインストールで苦労することがなくなったら、今度はさまざまな環境を整えます。だいたいこんなものでしょうか。すべて無料です、有料版があるものは無料版でかまいません。順番もどれが先でも構いません。
・Visual Studio Code
・Visual Studio
・Andoroid Studio
・Unreal EngineまたはUnity
・Docker
・eclipse
・xampp
これらがどんなものであるか?もGoogleで調べるのです。Windows版はインストーラーも洗練されていて、躓くことはないでしょうが、Linuxではいろいろと悩み、迷うことになるかもしれません。なかにはLinux版がないものもあります。それらもネットで質問して答えを探せばいいのです。
これらがスムーズにできるようになれば、準備としてはもう十分ですし、コの業界でやっていくことも十分にできます。ここまでやれば、自分がどんな分野に興味があり、何が必要なのか、それにはどこを調べれば答えが出てくるかを調べてストックしていることでしょう。SNSなどのグループに参加してもしているでしょう。いくつかのプログラミング言語をいじり始めているかもしれません。
そのように主体的に興味を持ってやっていけるなら、何の心配もいりません。逆にこれらが苦痛でしかたないのでしたら、違う業界に行くことを検討したほうがいいです。わからないことを聞くことはとても大事です。同時に自分で調べることも大事です。他の人に質問をする、つまりコミュニケーションをとること、そして自分で調べることこれが苦手では相当に苦労します。コンピュータ技術者はコミュ障だという差別的な誤解がありますが、それは本当に誤解です。オタクは多いですが、門を叩けば快く教えてくれる世界です。ただ、教えてもらうばかりではダメで、こちらも調べるあるいは持っているものを提供するということで成り立っている世界でもあります。まあ、どこでもそうなんですけれどもね。
コの業界の大先輩は、
「自分はパソコンのことは知らないけど、誰が詳しいかを知っている」
と言っていました。社会人というのは、自分で考えても人に聞いても正解が出せればそれでいいのです。そして、自分ひとりで解決するのがとても大変な世界です。ですので、上記のことをやってみて、やれそうかやれなさそうかを判断してみてください。なお、聞いてもわからなかった、調べてもわからなかったという理由ならば断念する必要は全くありません。教え方があわなかったり、前提知識が足りなかったりすることもあります。大事なのは、教わること、調べることが苦痛であるかどうかというところです。
学校の合間にちょこちょこやって、土日のどちらか1日かけてやってみて3ヶ月くらい試してみてください。それで、更にこの業界に進みたいと思ったら、更に先に進めばいいのです。面接に進む頃には何の心配もいらないでしょう。
ということで、これを読んで考えてみてねMちゃん。