思えば四半世紀
「コの業界」と書かれて、この方をすぐに思い出せる人がQiitaにどれだけいらっしゃるか、もうそれくらいこの業界いるのかとこの記事を書くときにちょっぴり感慨にふけっていました。就職活動
この記事を書こうと思ったのは、知人のご息女が大学3年になり、来年は就職活動となるのでIT業界はどうなのかということを聞かれたことがきっかけです。自分が禄を食む業界に、若い世代が入ってきたいと希望されるのは嬉しい限りではありますが、果たして業界の特徴や他の業界との違いを正確に伝えることができるのか?その棚卸しをしようかというのが動機となります。筆者はコの業界以外には
・建設業(いわゆる土方)
・建築業(大工)
・飲食業
・外資系保険業
・メーカーの営業
・出版業
といささか脈絡のない業界を渡り歩いておりまして、他業種についても多少なりとも知っていることもあって、比較もできるだろうとは思っております。
プログラムを書くときのような、事前に設計をするのではなく、思ったままに書き連ねていこうと思います。ここは違う、こんなこともあるよというのがありましたらご指摘いただけますと幸いです。
技術は進歩すれども・・・
筆者がIT業界に入ったのは1995年で、Windows95やLinuxが世に出た頃です。その頃と比べてみると、ハードウェアもOSも言語も何もかも飛躍的に進歩をしています。しかし、業界の中身はそれらの進歩と比べると変わっていないと思う次第です。せいぜい、定年が35歳でなくなったくらいですかね。さすがに今はそんな事言われないですが、当時転職を考えていた筆者に35歳までしか働けない業界に将来はあるのかと真顔で言っている人は確かにいました。IT業界の特徴
それでは長所も短所も含めコの業界の特徴として筆者が思ったことを書いていきます。男女平等◎
今まで経験した業界と比べると、IT業界は男女平等に働ける職場だと思います。女子だからと言って不当に不利に扱われたりすることは、私の所属していた企業、取引していた企業ではありませんでした。ただ、納期直前やトラブル対応の缶詰作業にも男女平等は適用されます。女子だから早く帰ってもいいというのもありません。徹夜仕事がいいのか悪いのかについては別の話になります。男女平等については、建築、建築業、あるいは飲食業の方が遅れています。そういう意味では勧められる業界ということになります。セクハラ・パワハラ、不適切な男女関係◎
皆無であるとはいいませんし、あってはならないものではありますが、比較的この手の問題は少ないと言えます。これが一番多いのは飲食業でしたね。労働時間 ×
だいぶ改善されたとは思いますが、それでもまだ長いです。ただ、長時間労働といってもいろいろで、リリース直前やトラブル対応でエンドレスでやらされるマイナスなこともありますし、逆にプログラム書き始めたらノリノリで気がついたら朝になっていたというプラスのこともあります。いずれにしても、残業ゼロの月ということはまずありません。なので、仕事はそこそこで、プライベートを最大限に充実させたいという人はあまり向かないと思います。--追記--
Web系では残業がないところもあるようですね。これは業界というより扱い分野ということになりますでしょうか。Web系はこれからも将来性を見込めるのでいいのですが、残業の有無を選択のキーとするのはどうなのかな・・・とは思います。
教育体制 ×
一部大手を除けばこれも業界全体でみれば充実しているとは言えません。大きな理由としては ・人が足りない ・実力差が大きい(後述) があります。教育、研修として教えるのではなくさっさと現場に入れてやりながら教えるというのが特徴です。ですので、新卒者といえども全く知識ゼロというのはキツイかなと思われます。また、自分から積極的に知識を吸収していこうとする人でないと、これもまたキツイかと思います。実力主義 ◎
IT業界は男女差もなく、また実力主義でもあります。実力(とは抽象的な表現ですが)があれば、やりたいことができます。そのためには自ら積極的に学ぶ必要があります。積極的に学んでそれができるようになれば、IT業界は必ずやらせてもらえます。なぜなら人がいないから。もちろん、多くの人が取り組んでいるものに関しては競争が起こります。そうなると実務経験が少ないと振り落とされることがありますが、未来永劫チャンスが回ってこないということはありません。外的要因から受ける影響◎
今はコロナ禍で、緊急事態宣言が頻繁に出されます。飲食業は営業自粛、休業要請などで塗炭の苦しみを味あわされています。飲食業以外でも、外出自粛などで通常通り業務ができない業種も多いです。しかし、IT業界はコロナの影響はほとんど受けていないでしょう。もともとずっとテレワークだった人も多いですし、そうでなかったとしてもテレワークとの親和性も高いので、通勤自粛となってもスムーズに移行できました。他の業界ですと、長引くテレワークで鬱々と過ごしている人も多いのですが、IT業界に関してはこのままずっとテレワークを続けたいという人も多いです。通勤をしなくていいというのは時間も体力も節約できて、本当にありがたいものです。また、通勤しなければならない会社だと、例えば子供ができたら、小さい間は育休などを考えなければいけないですが、テレワークができるなら、育休を取らずとも時短で対応することもできます。休んでしまうとブランクができますが、それも避けられます。(続く)