はじめに
「漫画を描きたいけど、絵が描けない...」
そんな悩みを持つ方に朗報です。AI創作工房は、Google Gemini APIを活用して、絵を描く技術がなくても自分のイメージを画像にできるmacOSネイティブアプリケーションです。
キャラクターデザインから4コマ漫画まで、一貫したワークフローで創作活動を支援します。
本アプリは、GoogleのGemini APIを使用しており、API利用料金が発生します。完全無料ではありませんのでご承知おきください。料金の詳細はGoogle AI料金ページをご確認ください。
![メイン画面のスクリーンショット]
こんな方におすすめ
- イラストレーター・漫画家(下書き・アイデア出しに)
- TRPGプレイヤー(キャラクターシート作成に)
- 同人誌・Web小説作家(表紙・挿絵作成に)
- 創作活動を始めたい初心者の方
主な機能
AI創作工房には、大きく分けて3つの機能群があります。
1. キャラクター制作ワークフロー
キャラクターを「顔」から段階的に作成し、一貫性のあるデザインを維持できます。
顔三面図 → 素体三面図 → 衣装着用 → ポーズ → シーン合成/漫画
| ステップ | 機能 | 説明 |
|---|---|---|
| Step 1 | 顔三面図 | キャラクターの顔デザインを確定(正面・斜め・横顔) |
| Step 2 | 素体三面図 | 体型を確定(Step1の顔を継承) |
| Step 3 | 衣装着用 | プリセットから選択、または参考画像から着せ替え |
| Step 4 | ポーズ | プリセットポーズ、または参考画像からポーズ抽出 |
![キャラクターワークフロー図]
2. 漫画・シーン制作
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| シーンビルダー | 背景 + 複数キャラクター(最大5人)を合成 |
| 4コマ漫画 | 起承転結の4コマ漫画を1枚で生成 |
| 漫画コンポーザー | 高度な漫画制作(吹き出し17種類、インセット機能) |
| ストーリー作成 | 漫画用YAMLを簡単に作成(英訳機能付き) |
3. その他の便利機能
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 背景生成 | 様々なシチュエーションの背景画像を生成 |
| 装飾テキスト | 技名テロップ、決め台詞、メッセージウィンドウ |
| スタイル変換 | ちびキャラ化、ドット絵化 |
| 背景透過 | 生成画像の背景を透過処理 |
インストール方法
必要なもの
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| OS | macOS 14.0 (Sonoma) 以降 |
| API | Google AI API Key |
| ネットワーク | インターネット接続必須 |
Google AI APIキーの取得
- Google AI Studio にアクセス
- Googleアカウントでログイン
- 「Get API Key」をクリックしてキーを取得
注意: Gemini APIは従量課金制です。無料枠を超えると料金が発生します。詳細はGoogle AI料金ページをご確認ください。
アプリのビルド
# リポジトリをクローン
git clone https://github.com/tokumeishatyo/nanobananaMacOS.git
cd nanobananaMacOS
# Xcodeでプロジェクトを開く
open nanobananaMacOS.xcodeproj
Xcodeで以下を設定してビルドします:
- Signing & Capabilities で自分のTeamを設定
- App Sandbox → Network → Outgoing Connections (Client) を有効化
-
Cmd + Rでビルド&実行
![Xcode設定画面]
チュートリアル:キャラクターを作ろう
実際にキャラクターを作成する手順を説明します。
Step 1: 顔三面図を作成
まずはキャラクターの顔を作成します。
- 左カラムの「出力タイプ」から 「顔三面図」 を選択
- 「詳細設定」ボタンをクリック
- キャラクター名と顔の特徴を入力
例:
名前: 桜木 花音(さくらぎ かのん)
特徴: ピンク色のロングヘア, 大きな青い瞳, 小さなほくろが左頬に
- 「適用」をクリックして設定を保存
- 「YAML生成」をクリック
- 中央カラムでAPIキーを入力し「画像生成」をクリック
![顔三面図の生成例]
ポイント: 顔の特徴はカンマ区切りで具体的に記述すると、AIが正確に認識しやすくなります。
Step 2: 素体三面図を作成
顔が決まったら、体型を作成します。
- 出力タイプを 「素体三面図」 に変更
- 詳細設定で「参照画像」にStep 1で保存した顔三面図を選択
- 体型を選択(スレンダー、標準、グラマーなど)
- YAML生成 → 画像生成
![素体三面図の生成例]
Step 3: 衣装を着せる
次に、キャラクターに衣装を着せます。2つのモードがあります。
プリセットモード(簡単)
- 出力タイプを 「衣装着用」 に変更
- 詳細設定で「プリセット」を選択
- カテゴリ(制服、カジュアル、ファンタジーなど)を選択
- 形状、色、柄、印象を設定
- 参照画像にStep 2の素体三面図を選択
参考画像モード(こだわり派)
好みの衣装の画像がある場合は、その画像を参考にして着せ替えできます。
- 「参考画像」モードを選択
- 衣装の参考画像を選択
- フィットモード(タイトフィット/ルーズフィット)を選択
![衣装着用の生成例]
Step 4: ポーズをつける
最後に、キャラクターにポーズをつけます。
- 出力タイプを 「ポーズ」 に変更
- 詳細設定でモードを選択:
- プリセット: 用意されたポーズから選択
- 手動入力: 自分でポーズを記述
- ポーズキャプチャ: 参考画像からポーズだけを抽出
![ポーズの生成例]
チュートリアル:4コマ漫画を作ろう
キャラクターができたら、漫画を作ってみましょう。
準備:キャラクターを登録
- 左カラムの「キャラクタ管理」をクリック
- 「追加」ボタンで新しいキャラクターを登録
- 名前、顔の特徴、体の特徴を入力
- 顔参照画像として、作成した顔三面図を登録
![キャラクター管理画面]
4コマ漫画を生成
- 出力タイプを 「4コマ漫画」 に変更
- 詳細設定を開く
- 登場キャラクターを設定(最大2人)
- 各コマのシーンとセリフを入力
1コマ目(起): 教室で花音が窓の外を見ている
セリフ: 「今日も暑いなぁ...」
2コマ目(承): 友人の美咲が話しかける
セリフ: 「花音、放課後プール行かない?」
3コマ目(転): 花音が驚いた表情
セリフ: 「え!?私水着持ってないよ!」
4コマ目(結): 美咲がウィンクしながら水着を見せる
セリフ: 「大丈夫、予備があるから!」
- YAML生成 → 画像生成
![4コマ漫画の生成例]
漫画コンポーザー:高度な漫画制作
より高度な漫画を作りたい場合は、漫画コンポーザーを使います。
漫画コンポーザーの特徴
- 1コマ/4コマ両対応
- 17種類の吹き出しスタイル
- インセット機能(夢、回想、画面内表示)
- ストーリーYAML生成(英訳機能付き)
吹き出しスタイル一覧
| スタイル | 用途 |
|---|---|
| normal | 通常の会話 |
| shout | 叫び・大声 |
| whisper | ささやき・小声 |
| think | 心の声・思考 |
| narration | ナレーション |
| angry | 怒り |
| surprised | 驚き |
| wavy | 動揺・震え |
| burst | 爆発・衝撃 |
| cloud | 夢・想像 |
| heart | 恋愛・ドキドキ |
| ice | 冷たさ・凍結 |
| electric | 電撃・ショック |
![吹き出しスタイルの例]
ストーリー作成機能(Version 5.1新機能)
漫画のストーリーをフォームで入力し、YAMLを自動生成できます。
- 「ストーリー作成」ボタンをクリック
- 1コマ/4コマモードを選択
- キャラクターを選択
- 各コマのシーン・セリフを入力
- 「英訳する」にチェックを入れると、Gemini APIで自動翻訳
![ストーリー作成画面]
ヒント: 英訳機能を使うと、AIがより正確に内容を理解して高品質な画像を生成します。
YAMLプロンプトの仕組み
AI創作工房では、YAML形式の構造化プロンプトを使用しています。
なぜYAMLなのか?
通常のテキストプロンプトでは、複雑な指示を正確に伝えることが困難です。YAMLを使うことで:
- 構造化された情報をAIに伝えられる
- 制約条件を明確に指定できる
- 再利用・編集が容易
顔三面図のYAML例
実際に生成されるYAMLの一部を見てみましょう。
# ====================================================
# Header
# ====================================================
type: character_design
title: "桜木 花音"
author: "作者名"
# ====================================================
# Input
# ====================================================
input:
name: "桜木 花音"
description: "ピンク色のロングヘア, 大きな青い瞳, 小さなほくろが左頬に"
# ====================================================
# Output
# ====================================================
output:
format: "reference sheet with multiple views"
views: "front view, 3/4 view, side profile"
background: "pure white, clean, seamless, no borders"
# ====================================================
# Constraints (CRITICAL)
# ====================================================
constraints:
layout:
- "Triangular arrangement: front view top-left, 3/4 left view top-right, left profile bottom-center"
- "All angled views must face LEFT direction"
face_specific:
- "HEAD/FACE ONLY - show from top of head to neck/collarbone"
- "Neutral expression, emotionless"
constraintsセクションの重要性
constraints(制約) セクションは、AIに「やってはいけないこと」「必ず守ること」を伝える重要な部分です。
anti_hallucination:
- "Profile view MUST NOT show both eyes"
- "Do NOT mix features from different characters"
- "Do NOT distort facial proportions"
output_cleanliness:
- "Do NOT add any text, titles, labels, or annotations"
- "Do NOT add borders or frames around views"
- "Do NOT add color palettes or color swatches"
これらの制約により、AIが勝手に余計な要素を追加することを防ぎます。
出力モードの使い分け
AI創作工房には4つの出力モードがあります。
| モード | 説明 | 用途 |
|---|---|---|
| YAML出力 | YAMLをクリップボードにコピー | ブラウザ版Geminiで使用 |
| 通常モード | アプリ内で直接画像生成 | 標準的な画像生成 |
| 清書モード | 参考画像+YAMLで高品質再描画 | 成功した画像の高解像度化 |
| シンプルモード | テキストプロンプトのみで生成 | 手軽な画像生成 |
おすすめの使い方
-
まずはYAML出力モードで試作
- APIを消費せずにプロンプトを確認できる
- ブラウザ版Geminiで無料で試せる
-
うまくいったら通常モードで本番生成
- アプリ内で高解像度の画像を生成
-
気に入った画像は清書モードで仕上げ
- 既存の画像を参照しながら、より高品質に再生成
スタイル変換:ちびキャラ&ドット絵
作成したキャラクターを別のスタイルに変換できます。
ちびキャラ化
キャラクターを2〜3頭身のデフォルメキャラに変換します。
![ちびキャラ化の例]
ドット絵化
レトロゲーム風のピクセルアートに変換します。
![ドット絵化の例]
Tips:より良い結果を得るために
1. 特徴は具体的に記述する
❌ 悪い例: かわいい女の子
⭕ 良い例: ピンク色のツインテール, 大きな緑色の瞳, 小柄な体型, 丸い顔
2. カンマ区切りで箇条書きにする
AIは箇条書きの特徴を正確に認識します。改行よりもカンマ区切りが効果的です。
3. 参照画像を活用する
キャラクターの一貫性を保つために、前のステップで生成した画像を参照画像として使用しましょう。
4. 英訳機能を活用する
日本語よりも英語のほうがAIの認識精度が高い場合があります。ストーリー作成の英訳機能を積極的に使いましょう。
5. 失敗しても諦めない
AI画像生成は確率的なものです。同じプロンプトでも結果が異なることがあります。気に入る結果が出るまで何度か試してみてください。
制限事項
キャラクターの一貫性について
AI画像生成の特性上、完全に同一のキャラクターデザインが出力されることを保証するものではありません。三面図ワークフローにより一貫性の向上を図っていますが、若干の差異が生じる場合があります。
コンテンツフィルターについて
Gemini APIのSafety Filterにより、一部のコンテンツは生成が拒否される場合があります。
APIキーの取り扱い
- APIキーはアプリのメモリ上のみに保持されます
- アプリ終了時に自動で消去されます
- ローカルに保存されることはありません
まとめ
AI創作工房は、絵を描く技術がなくても漫画を作れるmacOSアプリです。
特徴
- 段階的なキャラクター作成で一貫性を維持
- YAML構造化プロンプトで高品質な画像生成
- 漫画コンポーザーで本格的な漫画制作
- 英訳機能でAIの認識精度を向上
ぜひダウンロードして、あなただけのキャラクターと漫画を作ってみてください!
リンク
- GitHub: https://github.com/tokumeishatyo/nanobananaMacOS
- Google AI Studio: https://aistudio.google.com/
- Gemini API Documentation: https://ai.google.dev/docs
更新履歴
| バージョン | 主な機能 |
|---|---|
| 1.0 | 基本機能 |
| 2.0〜2.3 | render_mode, position auto, chibi_reference |
| 3.0〜3.4 | 品質プリセット, インセット, bubble_style 17種類 |
| 3.5 | ストーリーインポート修正, 手動衣装登録 |
| 4.0 | 1コマモード対応 |
| 5.0 | ストーリーYAMLジェネレーター |
| 5.1 | 英訳機能(gemini-2.5-flash) |