最近話題の「Claude Code」。
導入して「ToDoアプリ」レベルの作業をさせる分には感動しますが、実際の複雑なプロジェクトに投入してみると、意外と「期待通りのコードが出てこない」「何度も同じ修正をループしている」という壁にぶつかる人も多いのではないでしょうか。
実は、Claude Codeには「AIに自律的な思考をさせるための作法」が存在します。単なるチャットAIではなく「自律型エージェント」として使いこなすための、現場で磨かれた秘訣を徹底解説します。
1. 脳のリソースを管理する「コンテキストの整理術」
Claude Codeを長時間使っていると、徐々に返答が鈍くなったり、前の指示を忘れたりすることがあります。これはAIの「作業メモリ(コンテキスト)」が、過去のログや不要なファイル情報で溢れているサインです。
/clear と /compact の使い分け
エンジニアがデスクを片付けるように、Claudeの脳内も定期的に掃除が必要です。
-
/clear(完全リセット): タスクが一つ終わったら、迷わず実行しましょう。「さっきの修正の文脈」を引きずらせないことで、新しいタスクの精度が100%に回復します。 -
/compact(要約): 長い議論の末に方針が決まったら、これまでの冗長なやり取りを要約させます。重要な決定事項だけを脳内に残し、不要な試行錯誤のログを捨てることで、トークンの節約と精度の維持を両立できます。
秘訣: 「1つのセッションで解決するのは1つの課題だけ」と決める。これが迷子にさせないコツです。
2. 開発効率を3倍にする「4ステップ・ワークフロー」
いきなり「このバグ直して」と丸投げしていませんか? Claude Codeの真価は、修正そのものよりも「調査と検証」の能力にあります。以下のステップを意識的に踏ませることで、手戻りは激減します。
① Explore(徹底的な調査)
まずは Plan Mode を活用し、影響範囲を調べさせます。
指示例: 「この関数の呼び出し元をすべてリストアップして。特に型定義がどう伝播しているか、プロジェクト全体から探って」
② Plan(実行前の合意形成)
いきなりコードを書き始めさせず、まずは「日本語で」プランを出させます。
指示例: 「修正プランを作成して。どのファイルを変更し、どの既存機能に影響が出る可能性があるか、実行前に教えて」
ここで人間が「あ、そのファイルは触らなくていいよ」と介入することで、AIの暴走を防げます。
③ Implement(精密な実装)
プランに合意したら、いよいよ修正です。このとき、差分(diff)を常に意識させることが重要です。
④ Verify(容赦ない検証)
実装直後に「できました!」と言われても信じてはいけません。
指示例: 「修正が完了したら、関連するテストスイートをすべて実行して。テストがない場合は、この修正を確認するための最小限のテストを一時的に作成して実行して」
3. プロジェクトの憲法「CLAUDE.md」を定義する
Claude Codeが「あなたのチームの一員」として馴染むかどうかは、CLAUDE.md の書き込み具合で決まります。これはAI専用の指示書(System Promptの拡張)です。
以下のような項目を具体的に書き込んでおきましょう。
- 技術スタック: 「状態管理はReduxではなくRecoilを使っている」「CSSはTailwindのみ」
-
テスト手順: 「テスト実行コマンドは
npm run test:unitである」 -
命名規則: 「 hooks は必ず
useFooという形式にする」 -
禁止事項: 「
utilsフォルダに新しいファイルを追加するな。既存のcommon.tsを使え」
これがあるだけで、Claude Codeは「プロジェクトの空気が読めるシニアエンジニア」に進化します。
4. 「検証可能性」を指示に組み込む
Claude Codeに指示を出すとき、「何をもって成功とするか」という合格基準(Acceptance Criteria)を必ずセットで渡してください。
ビフォー(失敗しやすい)
「このフォームにバリデーションを追加して」
アフター(生産性爆上げ)
「このフォームのメールアドレス欄にバリデーションを追加して。
@がない場合はエラーを出すこと- すでに登録済みのドメインなら警告を出すこと
実装後、実際にnpm startでローカルサーバーを立ち上げ、自律的にブラウザ操作(またはcurl)を行って、期待通りにエラーが出るか検証して」
Claude Codeは自分でサーバーを立てたり、ログを確認したりする「権限」を持っています。その権限をフルに活用させる指示を出すのがポイントです。
5. 視覚情報を「目」として使わせる
ターミナルツールだからといって、テキストだけでやり取りするのはもったいないです。特にUIの微調整では、スクリーンショットが最強の武器になります。
- 現在の画面のスクリーンショットを撮る
-
@screenshot.pngのように参照させつつ指示を出す
指示例: 「添付したスクショのボタンの配置、デザインガイドと比べて数ピクセル左に寄っている気がする。現在のCSSを確認して、中央揃えになるよう修正して。修正後、再度スクショを撮ってズレが直ったか二重チェックして」
人間が目で見て「なんか違うんだよな」と感じるニュアンスを、AIに画像として共有することで、不毛なテキストのやり取りをショートカットできます。
まとめ:Claude Codeは「部下」ではなく「ペアプロ相手」
Claude Codeを単なる「コード生成機」として使うのは、フェラーリで近所のスーパーに買い物に行くようなものです。
- コンテキストを清潔に保つ
- 調査・計画のステップを省略しない
CLAUDE.mdでプロジェクトの魂を教え込む- 検証(テスト)までセットで命令する
これらを徹底するだけで、あなたの開発スピードは劇的に向上します。最初は指示が面倒に感じるかもしれませんが、一度「型」にハマれば、これほど頼もしい相棒はいません。