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はじめに

皆さんこんにちは♪
本日は、ローカルLLMの最新動向と事例について、紹介します。

ローカルLLMについてはこちらも参考にしてください♪
https://note.com/kii_genai/n/nf360bc4e0167

LLM(Large Language Model)は、膨大なデータセットを用いて学習された自然言語処理モデルです。従来はクラウドサーバーでの実行が主流でしたが、プライバシー保護やデータセキュリティの観点から、ローカル(デスクトップやモバイルデバイス)での利用が注目されています。今回は、ローカルLLMの最新動向と事例を国内外から紹介します。

国内の事例

KARAKURI LM

カラクリ株式会社が開発した「KARAKURI LM」は、日本語に強いローカルLLMとして注目されています。2024年1月に「KARAKURI LM 70B Chat v0.1」を公開し、多くのユーザーに利用されています。KARAKURI LMの特徴は、その高い日本語処理能力と多様なユースケースに対応する柔軟性です。

具体的な用途としては、クリエイティブなユースケース(例えば、AITuberのサポートや小説執筆支援)から、機密情報の検索拡張生成(RAG:Retrieval-Augmented Generation)まで幅広く対応しています。また、企業内での機密情報の検索やデータ分析においても、高精度な結果を提供できるため、さまざまな業界での活用が期待されています。

KARAKURI LMのもう一つの大きな強みは、そのローカルでの実行が可能な点です。これにより、ユーザーはデータを外部に送信することなく、デバイス上で直接処理を行うことができ、プライバシー保護とデータセキュリティの向上が図れます。この特徴は、特に企業や政府機関など、機密情報を扱う場面で非常に有用です。

日本語対応ローカルLLM

他にも、日本語性能が高いローカルLLMとして「Command R+」や「Elyza-Llama2-7B-Instruct」などが紹介されています。これらのモデルは、安定性と高い日本語能力を持ち、様々なアプリケーションでの利用が期待されています。

「Command R+」は、特に対話型アプリケーションでの利用が進んでおり、ユーザーとの自然な会話を実現します。このモデルは、顧客サポートやバーチャルアシスタントとしての利用が見込まれており、顧客満足度の向上に寄与しています。

「Elyza-Llama2-7B-Instruct」は、教育やリサーチなどの分野での利用が想定されており、高度な情報生成や質問応答に対応しています。このモデルは、学習教材の自動生成やリサーチレポートの作成など、教育現場での革新的なアプリケーションに役立つ可能性があります。

これらの日本語対応ローカルLLMの登場により、日本国内での生成AI活用が大きく促進されることが期待されています。特に、日本語特有のニュアンスや表現を自然に理解・生成できる点は、国内市場での競争力を高める要因となるでしょう。

海外の事例

GoogleのGemma

Googleは、エッジAI向けのモデル「Gemma」を提供しています。Gemmaは、テキストの入出力に特化しており、モバイルデバイスやノートパソコンで動作する20億パラメータのモデルと、デスクトップや小規模サーバー向けの70億パラメータのモデルがあります。このモデルは、Googleの高度な機械学習技術を活用しており、効率的な処理能力を備えています。

特に、モバイルデバイスでの利用が進んでおり、リアルタイムでの自然言語処理が可能となっています。例えば、Gemmaを搭載したアプリケーションは、ユーザーが入力したテキストを瞬時に解析し、適切な応答を生成することができます。これにより、スマートフォンやタブレットを使用した新しい形態のユーザーインターフェースが実現されています。

MetaのLlama 3

Meta(旧Facebook)は、商用利用可能なLLM「Llama 3」を公開しています。Llama 3は、パラメータサイズが80億と700億の二種類があり、デスクトップやサーバー向けに設計されています。このモデルは、チャットボットや画像生成など、さまざまなアプリケーションでの利用が進んでいます。

Llama 3の特徴は、その高い性能と汎用性であり、多くの企業や開発者がこのモデルを活用して革新的なソリューションを開発しています。例えば、カスタマーサポートのチャットボットにLlama 3を組み込むことで、ユーザーの質問に対する精度の高い応答が可能となり、顧客満足度の向上が期待されます。また、画像生成では、テキストから高品質な画像を生成する能力を持ち、クリエイティブな分野での利用が進んでいます。

AppleのOpenELM

Appleは自社デバイスで動作するLLM「OpenELM」を発表しました。OpenELMは、パラメータ数が2.7億から30億までの4パターンがあり、iOSデバイスでの利用が可能です。このモデルは、Appleのエコシステムに統合されており、iPhoneやiPadでの自然言語処理が可能となっています。

特に、プライバシー保護が重視されており、デバイス上でのデータ処理が行われるため、ユーザーのプライバシーが保護されます。例えば、OpenELMを使用したアプリケーションは、ユーザーのデバイス上でテキストデータを処理し、外部に送信することなく結果を生成することができます。これにより、データセキュリティの向上とプライバシー保護が実現されています。

技術的な進展

localllmの登場

Googleは、GPUを必要とせずにローカルでLLMを実行できる「localllm」をリリースしました。localllmは、CPUとメモリ上でLLMをローカルに使用できるように設計されており、生産性やコスト効率、データセキュリティが向上します。従来のLLMはGPUの力を借りて高速な処理を行うことが一般的でしたが、localllmはこれを打破し、より広範なデバイスでの利用を可能にしています。

localllmの特徴は、その効率的な計算アルゴリズムとメモリ使用量の最適化です。これにより、低スペックなデバイスでも高性能な自然言語処理が可能となり、特に小規模な開発チームや個人ユーザーが手軽にLLMを利用できるようになります。例えば、教育現場での学習補助ツールや、中小企業の顧客対応システムなど、多様なユースケースでの活用が期待されています。

Hugging Face Transformersやgpt4all

Hugging Face Transformersやgpt4allなどのオープンソースプロジェクトも、ローカルでのLLM実行をサポートしています。これらのプロジェクトは、開発者や研究者にとって非常に有用であり、クリエイティブなアプリケーションや革新的なソリューションの開発が進んでいます。

Hugging Face Transformersは、多様な言語モデルを提供しており、ユーザーは自身のニーズに合わせてモデルを選択できます。このプロジェクトは、広範なコミュニティによって支えられており、継続的なモデルの改良と新機能の追加が行われています。特に、ローカル環境での利用が可能な点が評価されており、データセキュリティを重視するユーザーにとって理想的なソリューションです。

gpt4allは、軽量かつ効率的なモデルを提供し、リソースが限られた環境でも高性能な自然言語処理が可能となります。このプロジェクトは、低スペックなデバイスでも動作するように設

計されており、教育や小規模ビジネスなど、幅広い用途での活用が進んでいます。例えば、gpt4allを利用した教育アプリは、学生の質問に対する即時の応答や、教材の自動生成などを実現しています。

まとめ

ローカルLLMは、プライバシー保護やデータセキュリティの観点から、今後ますます重要な技術となるでしょう。国内外での事例や技術的な進展を踏まえ、今後も注目していきたい分野です。特に、日本語対応のローカルLLMの進化は、日本国内での生成AI活用を大きく促進する可能性があります。ローカルでのLLM利用が進むことで、より多くのユーザーが安全かつ効率的に高度な自然言語処理技術を活用できるようになるでしょう。

国内の事例としては、カラクリ株式会社が開発した「KARAKURI LM」が、日本語に特化したローカルLLMとして高い評価を受けています。また、「Command R+」や「Elyza-Llama2-7B-Instruct」といったモデルも、様々なアプリケーションでの利用が期待されています。これらのモデルは、特に日本語のニュアンスや表現を自然に理解・生成できる点で、国内市場において重要な役割を果たすでしょう。

海外の事例では、Googleの「Gemma」、Metaの「Llama 3」、Appleの「OpenELM」など、多くの先進的なローカルLLMが開発・提供されています。これらのモデルは、それぞれの企業の技術力を活かし、多様なユースケースに対応しています。特に、モバイルデバイスやエッジデバイスでの利用が進んでおり、ユーザーはより手軽に高性能な自然言語処理を活用できるようになっています。

技術的な進展としては、Googleの「localllm」が注目されます。これは、GPUを必要とせずにローカルでLLMを実行できるようにするもので、生産性やコスト効率、データセキュリティが大幅に向上します。また、Hugging Face Transformersやgpt4allといったオープンソースプロジェクトも、ローカルLLMの普及に貢献しています。これらのプロジェクトは、開発者や研究者にとって非常に有用であり、クリエイティブなアプリケーションや革新的なソリューションの開発が進んでいます。

ローカルLLMの今後の展望としては、さらに多様なデバイスでの利用が進むことが予想されます。特に、日本語対応のローカルLLMの進化は、日本国内での生成AI活用を大きく促進する可能性があります。ローカルでのLLM利用が進むことで、より多くのユーザーが安全かつ効率的に高度な自然言語処理技術を活用できるようになるでしょう。

以上が、ローカルLLMの最新事例や動向についてのまとめです。今後も技術の進展に注目し、最新情報をお届けしていきます。


参考資料:
[1] https://www.hexabase.com/column/Local-LLM
[2] https://hackernoon.com/ja/2024-%E5%B9%B4%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%A6%E6%9B%B4%E6%96%B0%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%8B%AC%E8%87%AA%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AB-LLM-%E3%82%92%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B9%E6%B3%95
[3] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000091.000025663.html
[4] https://aisodan.com/news/136
[5] https://qiita.com/piacerex/items/d4867a67c67d6f701f77
[6] https://news.biglobe.ne.jp/economy/0629/prt_240629_0772278022.html
[7] https://note.com/kii_genai/n/nf360bc4e0167
[8] https://roboin-fa.com/2024/06/25/%E8%A3%BD%E9%80%A0%E6%A5%AD%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%82%92%E5%88%87%E3%82%8A%E6%8B%93%E3%81%8F%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%ABllm%E3%81%AE%E5%AE%9F%E5%8A%9B%E3%81%A8%E5%8F%AF%E8%83%BD/
[9] https://news.microsoft.com/ja-jp/2024/04/24/240424-the-phi-3-small-language-models-with-big-potential/
[10] https://www.v-t.co.jp/news/local-llm/
[11] https://trends.codecamp.jp/blogs/media/news350
[12] https://www.lifehacker.jp/article/2405-opera-is-the-first-browser-to-support-local-ai-llms/
[13] https://zenn.dev/tanny/articles/705682d88e254e
[14] https://note.com/ipsj/n/ncbe5746f71fb
[15] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000126540.html
[16] https://speakerdeck.com/ikuyamada/da-gui-mo-yan-yu-moderu-llm-noji-shu-tozui-xin-dong-xiang
[17] https://qiita.com/vfuji/items/58fa31142916027fa7cc
[18] https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02668/112800004/
[19] https://notai.jp/cohere-aya-23/
[20] https://ampmedia.jp/2024/05/03/small-llm/


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