Docker の TinyGo で疲労コンパイる
TinyGo の Docker イメージ
tinygo/tinygo:latestでwasm(WebAssembly のバイナリ)をビルドして実行したら、"wasi_snapshot_preview1" エラーがブラウザのデベロッパーツールのコンソールに表示される。consoleログWebAssembly.instantiate(): Import #0 module="wasi_snapshot_preview1" error: module is not an object or function
wasi_snapshot_preview1 モジュールがないのはわかるのですが、よくわりません。
でも TinyGo のコンパイラではなく Go の標準コンパイラで wasm にコンパイルすると動くんです。
「WebAssembly.instantiate(): Import #0 module= "wasi_snapshot_preview1" error: module is not an object or function」でググっても node.js の内容ばかり。Golang のスポンサー情報が欲しいのです
TinyGo 公式の "wasi_snapshot_preview1" がらみの Issues を見ても、むしろ wasi_unstable だったのを wasi_snapshot_preview1 にしたくらいの情報しかありません。どうしよう。
TL; DR (今北産業)
- 原因
- コンパイラれたものと違う(互換のない)
wasm_exec.jsが使われています。
- コンパイラれたものと違う(互換のない)
- 対策
-
wasm_exec.jsは、使用しているコンパイラが提供しているwasm_exec.jsを使うこと。 - Go のマスターブランチから持って来てはいけない。
-
-
wasm_exec.jsがある場所:- コンパイラが Go の場合:
$(go env GOROOT)/misc/wasm/wasm_exec.js
- コンパイラが TinyGo の場合:
/usr/local/tinygo/targets/wasm_exec.js
- コンパイラが Go の場合:
TS;WM (kwsk)
-
wasm_exec.jsは*.wasmバイナリと Javascript の関数を紐づけるスクリプトです。コンパイラが異なるとバイナリも異なり、モジュールの紐付けができなくなります。(モジュールが見つからなくなります) - 利用中のコンパイラで提供している
wasm_exec.jsを使うこと- can't run wasm module in browser: LinkError: WebAssembly Instantiation | Issue #29827 | Go | Golang @ GitHub
- TinyGo の Docker を使う場合は
wasm_exec.jsも実行環境にコピーするのを忘れないように- Building | Using WebAssembly | Guides | Docs @ TinyGo.org
所感 (正妻に叱られる)
「Go で wasm 動いた!」と Hello, world! したくらいで喜んでいたのも束の間。せっかちなものだから次の基本を踏まずに「いままで作ったアプリを wasm る!」と思うも test が思うように動かない。わざと失敗させてるエラーもパスしてしまうのです。
「Golang で wasm るベストプラクティス」なる記事を読んでいたら「wasm を gzip するのがブラウザ(ネットワーク)に優しいけど、TinyGo 使ったらもっと小さくなるでよ」的なことが書いてありました。
- "Best Practices for WebAssembly using GoLang (1.15+)" | GitConnected @ Medium
確かに、なんかそれっぽいことはネットサーフィンしていて見かけた気がします。しかし、公式ドキュメントをしっかり読まないで思いつきで動いちゃうものだから、動くものも動かない。ちゃんと書いてありました。
どうせまた忘れるので、未来の自分のググラビリティとして備忘録に残します。