Eclipse Foundation と Eclipse SW360 プロジェクト
今回のアドベントカレンダーではEclipse SW360 プロジェクトのco-leaderとして、Eclipse Foundation と SW360 プロジェクトについて簡単にご紹介します。この記事では、Eclipse Foundation の概要やそこで活動する SW360 プロジェクトがどんなことを目指しているのかを説明します。
Eclipse Foundation とは?
Eclipse Foundation は、オープンソースソフトウェアの協力や革新のためのビジネスに適した環境を、個人や組織に提供する国際的な団体です。
Eclipse Foundation が行うこと
Eclipse Foundation は、20 年以上にわたり、コミュニティ主導で業界に適したオープンソースの革新を支援してきた実績があります。Adoptium、Software Defined Vehicle、Jakarta EE、Eclipse IDE をはじめ、企業向け、クラウド、エッジ、自動車、AI、組み込み、IoT、システム工学、オープンプロセッサ設計など、410 以上のオープンソースプロジェクトをホストしています。
また、360 を超える世界中のメンバーによって支えられ、国際的な影響力と信頼性を確立しています。
出展: Eclipse Foundation の公式ウェブサイト
SW360 プロジェクトとは?
SW360 は、ソフトウェアの部品やライセンス情報を管理するためのツールです。元々は Siemens が開発していましたが、今は Eclipse Foundation の一部として、世界中の人たちと一緒に成長しています。
SW360 でできること
詳しくは SW360 公式ページ と SW360 ユーザーガイド をご覧ください。
SW360 を使うと、例えば次のようなことが簡単になります:
- ソフトウェアの部品がどれくらいあるかを把握する。
- OSSライセンスの履行義務が守られているか確認する。
- セキュリティの問題を見つけて対応する。
- チームで情報を共有して効率よく作業する。
主な機能
- 部品管理: ソフトウェア部品の情報を製品・プロジェクトごとにまとめて管理。
- ライセンス確認: ライセンス情報を整理して、ルールを守れるようにする。
- 脆弱性チェック: セキュリティ問題を早く見つける。
- リリース管理: 部品のバージョンや依存関係を管理。
- REST API: 他のツールと連携しやすい仕組み。
- SBOM 管理: ソフトウェア部品表(SBOM)を作って、どんな部品が使われているか明確にする。
SW360 が役立つ理由
ソフトウェアがたくさん使われる今、部品やライセンスの管理はとても大事です。もし管理がうまくできないと、法律の問題やセキュリティのリスクが増えるかもしれません。SW360 を使うと、こうしたリスクを減らし、チームの作業をスムーズにすることができます。
SW360 の未来
私たちの目標は、SW360 をソフトウェア管理のスタンダードにすることです。具体的には:
- グローバルな普及: より多くの組織やプロジェクトで採用されることで、オープンソースや商用ソフトウェアの部品管理が標準化されるようにします。
- 高度な連携: 他のオープンソースツールや商用ソフトウェアとさらに統合を進め、DevOps パイプラインの一部として活用されることを目指します。
- 包括的な SBOM サポート: SBOM の生成、共有、検証機能を拡充し、ソフトウェアサプライチェーン全体の透明性を確保します。
これらの取り組みにより、SW360 はソフトウェア開発者やマネージャーにとって欠かせないツールとなることを目指しています。
SW360コミュニティに参加しよう!
SW360 プロジェクトは、みんなで作り上げていくオープンなコミュニティです。どなたでも気軽に参加でき、初心者の方から経験豊富な開発者まで歓迎しています。
参加方法
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コードを書く: 新しい機能を作ったり、バグを修正したりして貢献できます。
- 公式ページ内のドキュメントの改善や翻訳など、コード以外での参加も大歓迎です。
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使ってみる: SW360 を実際に使ってみて、フィードバックをお寄せください。
- 公式ページや SW360 ユーザーガイド を参考に始めてみましょう。
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議論に参加: Slack や Matrix を使って、コミュニティメンバーと交流しながらアイデアを共有しましょう。
- Slack チャネル
- Matrix チャットルーム
- 他に、(特に日本語で議論したいときは)OpenChain Japan の Slack の10_automation_and_sbom-sg チャンネルで何か質問やコメントいただけると私が返答します!
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周りに広める: 自分のネットワークやイベントで SW360 を紹介してください。
- 新しいアイデアやユースケースを共有することで、コミュニティ全体が成長します。
コミュニティへの参加はアクティブな貢献だけでなく、見守る形の参加や意見を伝えるだけでも歓迎されています。まずはお気軽に参加してみてください!
参加者やルールに関しての詳細は Eclipse SW360 プロジェクトページ もご覧ください。
最後に
Eclipse Foundation の SW360 プロジェクトは、みんなで協力してソフトウェアと SBOM 管理の未来を作る取り組みです。一緒にソフトウェアを作りましょう!
最新情報については、LinkedIn グループ で公開予定です。
また、もうすぐ SW360 のバージョン 20 がリリースされる予定で、フロントエンドが従来の Liferay から TypeScript を使用した新しい設計に変更されます。このアップデートにより、さらに使いやすく、新機能の開発も容易になる見込みです。