退役予定のノートPCをspacedeskでサブディスプレイとして再利用した
使わなくなったWindowsノートPCに「spacedesk VIEWER」をインストールし、メインPCのサブディスプレイとして再利用しました。
結果として、次のような「動きの少ない情報を表示する画面」には十分使えました。
- チャット
- メール
- 作業手順書
- システムログ
- 監視ダッシュボード
- Web会議の参加者一覧
一方で、ネットワーク経由で画面を転送するため、動画、ゲーム、細かなマウス操作が必要な作業には向きません。
古いPCを高性能な端末として延命するのではなく、役割を「情報表示用ディスプレイ」に限定して再利用する方法です。
きっかけ
手元に、そろそろ退役させたいノートPCがありました。
現在の用途には性能が足りず、バッテリーも弱っています。しかし、液晶画面は問題なく表示できます。
処分する前に何か使い道がないか考えた結果、次の用途を思いつきました。
ノートPC全体を再利用するのではなく、液晶画面をサブディスプレイとして再利用する。
この用途なら高い処理性能は必要ありません。
そこで、ネットワーク経由でWindowsの画面を別の端末へ表示できる「spacedesk」を試しました。
spacedeskの仕組み
spacedeskでは、2台の端末を次のように使い分けます。
| 端末 | 導入するソフトウェア | 役割 |
|---|---|---|
| メインPC | spacedesk DRIVER | 画面を配信する |
| 古いノートPC | spacedesk VIEWER | 画面を受信して表示する |
2台を同じLANへ接続すると、古いノートPCをWindowsの追加ディスプレイとして利用できます。
公式マニュアルでは、メインPCを「Primary Machine」、表示側の端末を「Secondary Machine」と呼んでいます。
詳しい仕組みはspacedesk公式マニュアルで確認できます。
今回の構成
今回の構成は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メインPC | Windows 11 |
| サブ画面 | 退役予定のWindowsノートPC |
| 表示モード | デスクトップの拡張 |
| 接続 | 同一LAN内のWi-Fi |
| 主な用途 | チャット、資料、ログの表示 |
イメージとしては、次のような接続です。
┌─────────────────┐
│ メインPC │
│ spacedesk DRIVER │
└────────┬────────┘
│ 家庭内LAN
│ Wi-Fi/有線LAN
┌────────▼────────┐
│ 退役予定のノートPC │
│ spacedesk VIEWER │
└─────────────────┘
ここに実際の設置写真を追加すると、完成イメージが伝わりやすくなります。
メインPCにDRIVERをインストールする
最初に、普段の作業で使用するメインPCへ「spacedesk DRIVER」をインストールします。
- 公式ダウンロードページを開く
- メインPCのWindowsに対応したDRIVERをダウンロードする
- インストーラーを実行する
- インストール完了後、spacedesk Driver Consoleを開く
- spacedesk Serverが有効になっていることを確認する
インストーラーは非公式サイトではなく、公式サイトから入手します。
古いノートPCにVIEWERをインストールする
次に、サブディスプレイとして使用するノートPCへ「spacedesk VIEWER」をインストールします。
Windows 10/11の場合は、Microsoft StoreからWindows用VIEWERをインストールできます。
導入方法は、公式マニュアルのWindows PC、ノートPC、Surfaceへのインストールでも案内されています。
インストールが完了したら、spacedesk VIEWERを起動します。
メインPCへ接続する
2台のPCを同じLANへ接続した状態で、古いノートPC側のspacedesk VIEWERを起動します。
正常に検出されると、接続可能なメインPCが一覧に表示されます。対象のPCを選択すると、メインPCの画面がノートPC側に表示されます。
接続できたら、メインPC側で次の設定を行います。
- Windowsの「設定」を開く
- 「システム」を選択する
- 「ディスプレイ」を開く
- 複数のディスプレイから「表示画面を拡張する」を選択する
- 実際の設置位置に合わせてディスプレイを並べ替える
- 必要に応じて拡大率や解像度を調整する
画面が左右逆になっていると、マウスポインターの移動方向も不自然になります。ディスプレイの配置は、実際の机上の位置に合わせます。
ここにWindowsのディスプレイ設定画面を掲載する。
Windows起動時にVIEWERを自動起動する
毎回VIEWERを手動で起動するのは面倒なので、古いノートPCのスタートアップへ登録しました。
1. spacedeskのショートカットを作成する
-
Windowsキー + Rを押す -
shell:AppsFolderと入力してEnterを押す - アプリ一覧からspacedesk VIEWERを探す
- 右クリックして「ショートカットの作成」を選ぶ
- デスクトップへショートカットを作成する
2. スタートアップフォルダーへ登録する
-
Windowsキー + Rを押す -
shell:startupと入力してEnterを押す - 開いたフォルダーへ、作成したショートカットを移動する
- Windowsからサインアウトするか、PCを再起動する
- VIEWERが自動起動することを確認する
shell:startupは、現在ログインしているユーザーのスタートアップフォルダーを開くコマンドです。
VIEWERの起動後にメインPCへ自動接続されるかどうかは、使用しているVIEWERのバージョンや設定によって異なる可能性があります。自分の環境ではどこまで自動化できたか、確認結果を追記する予定です。
メインPCが表示されない場合
最初は、VIEWERにメインPCが表示されないことがあります。
その場合は、次の項目を順番に確認します。
2台が同じネットワークにいるか
メインPCと古いノートPCを、同じルーターまたは同じLANへ接続します。
ゲスト用Wi-Fiでは、接続中の端末同士が通信できない場合があります。
spacedesk Serverが有効か
メインPCでspacedesk Driver Consoleを開き、Serverが有効になっていることを確認します。
ネットワークを「プライベート」にする
Windowsのネットワークプロファイルが「パブリック」になっていると、端末を検出できないことがあります。
信頼できる家庭内LANの場合は、Windowsの設定からネットワークプロファイルを「プライベート」に変更します。
公共のWi-Fiでは変更しません。
VPNを一時的に確認する
VPNを使用していると、2台が同じLANにいても相互に検出できない場合があります。
IPアドレスを直接指定する
自動検出できない場合でも、VIEWERからメインPCのIPアドレスを指定して接続できることがあります。
公式マニュアルにも、メインPCを検出できない場合の確認事項がまとめられています。
実際に使って分かったこと
快適だった用途
画面の変化が少ない用途は、比較的快適に使えました。
- TeamsやSlackなどのチャット
- メール
- Markdownのプレビュー
- 作業手順書
- システムログ
- CPUやネットワークの監視画面
- Web会議の参加者一覧
- 音楽プレーヤー
メイン画面で作業しながら、参照情報を別画面に置いておけるだけでも作業しやすくなります。
気になった点
物理的なディスプレイケーブルで接続した場合と比べると、次の違いがあります。
- マウス操作にわずかな遅延を感じる
- ネットワークの状態によって画質や反応速度が変わる
- 動画ではコマ落ちや画質低下が気になることがある
- メインPCとノートPCの両方で電力を消費する
- ノートPCの起動とログインを待つ必要がある
向いていない用途
次の用途では、通常の外部ディスプレイを使用するほうが快適です。
- 動きの激しいゲーム
- 高画質動画の常時再生
- 色の正確さが必要な画像・映像編集
- 遅延の影響を受けやすい操作
- 高いフレームレートが必要な表示
Wi-Fiと有線LANのどちらがよいか
今回は【Wi-Fi/有線LANのどちらかを記載】で使用しました。
公式マニュアルでは、接続方式による性能の目安が次のように示されています。
- PC同士の直接的な有線接続
- ルーターやスイッチを経由した有線LAN
- アクセスポイントへの直接的なWi-Fi接続
- ルーターなどを経由したWi-Fi接続
安定性や反応速度を重視するなら、可能な範囲で有線LANを使うのがよさそうです。
ただし、LANケーブルを追加するとノートPCを置ける場所が制限されます。用途がチャットやログの表示だけなら、まずWi-Fiで試してから判断してもよいと思います。
本当に「再利用」になっているか
古いノートPCを再利用できるのは利点ですが、専用モニターより消費電力が大きくなる可能性があります。
そのため、次の点も考慮する必要があります。
- 使用する時間
- ノートPCの消費電力
- ファンの騒音
- 発熱
- 設置スペース
- OSのセキュリティ更新状況
- バッテリーの状態
特に、バッテリーが膨張している、異常に発熱する、焦げたような臭いがするといった端末は使用しません。
また、サポートが終了したOSを家庭内ネットワークへ接続し続けることにもリスクがあります。画面が動くからといって、安全に使い続けられるとは限りません。
ライセンスについて
個人利用と業務利用では、ライセンス条件が異なります。
会社のPCや業務環境で使用する場合は、導入前に公式ライセンスページで最新条件を確認してください。
ソフトウェアのバージョンやライセンス条件は変更される可能性があるため、この記事では特定のバージョン番号や料金を固定情報として記載しません。
まとめ
spacedeskを使い、退役予定だったノートPCをサブディスプレイとして再利用できました。
物理モニターと同じ使用感ではありませんが、チャット、資料、ログなどを表示しておく「情報表示用の第二画面」としては役立ちます。
今回試して分かったのは、古いPCを無理に現役の作業端末として延命しなくても、役割を限定すれば活用できるということです。
手元に画面がまだ使えるノートPCがあるなら、処分する前に試せる再利用方法の一つだと思います。