本記事は数学講座5.9 ブロック行列を勉強して投稿したメモです。詳細は元の素晴らしい講座のページをチェックしてください。
[まとめ]
- 行列関数には、列ベクタル行列関数と行ベクタル行列関数があります:
A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{y},\quad \boldsymbol{x}^\mathrm{T}A=\boldsymbol{y}^\mathrm{T}
\begin{array}{c|c|c|c}
\hline
\quad行列関数\quad&\quad 単射 \quad&\quad 全射 \quad&\quad 全単射 \quad\\\hline\\
\quad \begin{aligned}A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{y}\ \ \\\boldsymbol{x}^\mathrm{T}A=\boldsymbol{y}^\mathrm{T}\end{aligned} \quad&\quad \begin{aligned}列フルランク\\行フルランク\end{aligned} \quad&\quad \begin{aligned}行フルランク\\列フルランク\end{aligned} \quad&\quad フルランク\quad\\
\\
\hline
\end{array}
- 行列$A$がフルランク行列の時に、行列関数の$Ax=y$が全単射になり、この時に、行列$A$も反関数の$A^{-1}$があります。逆行列とも呼びます。また、基本行変形で逆行列を解きます。
\underbrace{E_1E_2...E_n}_{A^{-1}}A=I
- 基本行変形、基本列変形で行列$A$を行階段形行列、行簡約行列、及び標準形行列に変換して、行列のランクを解きます。
\begin{array}{c|c|c}
\hline
\quad\quad&\quad行階段形行列\ 或は\ 行簡約行列\quad\quad&\quad標準形行列\quad \\
\hline \\
\quad A\quad & \quad PA \quad &\quad PAQ\quad \\
\\
\hline
\end{array}
$P$が基本行の組み合わせ;$Q$が基本列の組み合わせです。
- 最後に、ブロック行列で、大きいの行列演算を小さい行列演算に変換して、行列のランク、逆行列を解きやすくなります。
A=\begin{pmatrix}A_{11}&A_{12}\\A_{21}&A_{22}\end{pmatrix}
ブロック行列
行列に、行数や列数が多くなると、ブロック化することで、大きい行列を小さい行列になります。
A=\left(
{\begin{array}{c|c}
\overbrace{
\begin{matrix}
a_{11}&\cdots&a_{1r}\\
\vdots& &\vdots\\
a_{s1}&\cdots&a_{sr}\\
\end{matrix}}^{\Large ブロックA_{11}}
&\overbrace{
\begin{matrix}
a_{1(r+1)}&\cdots&a_{1n}\\
\vdots& &\vdots\\
a_{s(r+1)}&\cdots&a_{sn}\\
\end{matrix}}^{\Large ブロックA_{12}}\\
\hline
\underbrace{
\begin{matrix}
a_{(s+1)1}&\cdots&a_{(s+1)r}\\
\vdots& &\vdots\\
a_{m1}&\cdots&a_{mr}\\
\end{matrix}}_{\Large ブロックA_{21}}
&\underbrace{
\begin{matrix}
a_{(s+1)(r+1)}&\cdots&a_{(s+1)n}\\
\vdots& &\vdots\\
a_{m(r+1)}&\cdots&a_{mn}\\
\end{matrix}}_{\Large ブロックA_{22}}
\end{array}}
\right)
ブロック行列の形:
A=\begin{pmatrix}A_{11}&A_{12}\\A_{21}&A_{22}\end{pmatrix}
ブロック行列演算規則
ブロック行列の演算規則は行列の加法と乗法と同じです。
- 加算
- スカラー倍
- 乗算
ブロック行列の乗法の例題
$A$と$B$があり、$AB$は?
A=\begin{pmatrix}1&0&0&0\\
0&1&0&0\\-1&2&1&0\\1&1&0&1\end{pmatrix},\quad
B=\begin{pmatrix}1&0&1&0\\-1&2&0&1\\
1&0&4&1\\-1&-1&2&0\end{pmatrix}
ブロック行列の逆行列
以下のブロック行列は逆行列がある、$A,B$が正方形行列:
\begin{pmatrix}A&O\\C&B\end{pmatrix}
上記の逆行列は?
ブロック対角行列
$A$が正方形行列、$A$のブロック行列が対角線にいるブロックの$A_{i}(i=1,2,...s)$が正方形行列で、その以外が0行列であれば、$A$がブロック対角行列と呼びます。
A=\begin{pmatrix}A_1&\quad&\quad&O\\
\quad&A_2&\quad&\quad\\
\quad&\quad&\ddots&\quad\\
O&\quad&\quad&A_s\end{pmatrix}
また、$A$のランクがブロックのランクの総和です。
rank(A)=rank(A_1)+rank(A_2)+\cdots+rank(A_n)
$A_i(i=1,2,\cdots,s)$ が正方形行列ではなくても、ランクの解け方が上記とお通りです。
また、ブロック対角行列の乗法及び逆行列は以下の通りです:
ブロック対角行列の逆行列
練習:
ブロック対角行列の転置
普通の行列の転置と同じですので、省略します。
シルベスターの不等式
$A$が$m\times n$の行列で、$B$が$n\times k$の行列、以下のがある:
r(AB)\geq r(A)+r(B)-n
シルベスターの不等式の例題
参考情報