コメント欄の一言がきっかけだった
ある日、久しぶりに自分の動画のコメント欄を開きました。
そこには、英語でこんなコメントが残っていました。
Could you add English subtitles?
私は趣味で料理レシピの動画を投稿しています。
「日本の家庭料理を海外の人にも見てもらえたらいいな」くらいの気持ちで始めた小さなチャンネルです。
これまで字幕を付けたことはありませんでした。
字幕を付ければ海外の視聴者にも届きやすくなると分かっていたものの、翻訳やタイミング調整が面倒そうで、ずっと後回しにしていました。
でも、そのコメントを見て少し考えが変わりました。
自分が思っている以上に、動画は海外の人にも見られているのかもしれません。
最初は手作業で挑戦した
まずは動画の台本を日本語で書き出し、翻訳サイトに貼り付けました。
短い文章を翻訳するだけなら、特に難しくありません。
問題は、その後の字幕ファイル作成でした。
字幕を文章ごとに分割し、動画内で表示する開始時刻と終了時刻を設定する必要があります。
10分程度の動画でも、次のような作業が必要でした。
- 音声を聞き直す
- セリフを分割する
- 翻訳文を入力する
- 開始時間を確認する
- 終了時間を設定する
- 字幕の表示位置を確認する
- 誤訳や誤字を修正する
この作業を続けていると、字幕を作るだけで半日が終わってしまいます。
動画を毎週投稿したい場合、毎回この方法を続けるのは現実的ではありませんでした。
字幕作成で大変だったこと
字幕制作では、翻訳そのものよりもタイミング調整に時間がかかりました。
例えば、料理動画では次のような短い説明が何度も出てきます。
- 材料を切る
- 調味料を加える
- 弱火で煮込む
- 焼き色を確認する
- 盛り付ける
日本語の文章を英語に翻訳するだけなら簡単です。
しかし、翻訳した文章を動画の動きに合わせて表示するには、音声や映像を何度も確認する必要があります。
字幕が早すぎると読めません。
反対に、表示時間が長すぎると、映像とのズレが目立ちます。
そこで、音声の文字起こし、翻訳、字幕のタイミング調整をまとめて処理できる方法を試すことにしました。
動画をアップロードして字幕を作る
今回試したのは、動画の音声を文字起こしし、翻訳字幕を作成できるオンラインの動画翻訳ツールです。
基本的な流れは次のとおりです。
- 動画ファイルをアップロードする
- 原文の言語を確認する
- 翻訳先の言語を選択する
- 音声の文字起こしと翻訳を実行する
- 原文と翻訳文を確認する
- 字幕付き動画または字幕ファイルを書き出す
動画をアップロードすると、音声の内容がテキスト化されます。
その後、選択した言語に翻訳され、時間情報に合わせて字幕として分割されます。
動画の元音声はそのまま残るため、話している人の声を消して別の音声に置き換える必要はありません。
原文と翻訳文を並べて確認できる
実際に使ってみて便利だと感じたのは、原文と翻訳文を比較しながら確認できる点です。
料理名や材料名は、一般的な翻訳だけでは不自然になることがあります。
例えば、料理名を直訳すると、英語圏の視聴者には意味が伝わりにくい場合があります。
そのため、字幕を公開する前に次の項目を確認しました。
- 料理名が正しく翻訳されているか
- 材料名に誤りがないか
- 数字や分量が変わっていないか
- 調理時間が正しく表示されているか
- 映像と字幕のタイミングが合っているか
- 一文が長すぎて読みにくくなっていないか
自動翻訳の結果をそのまま公開するのではなく、原文と訳文を並べて確認することが重要です。
対応形式と字幕の書き出し
動画形式は、MP4、MOV、MKV、AVIなどに対応しています。
スマートフォンやカメラで撮影した動画を、別の形式に変換せずに使えるのは便利でした。
字幕ファイルは、SRTやVTT形式で書き出せます。
これらの形式は、動画編集ソフトや動画配信サービスに読み込ませる時に利用できます。
動画そのものに字幕を焼き込む方法だけでなく、字幕ファイルとして保存しておけば、後から字幕を修正したり、別の言語に差し替えたりできます。
どの言語から始めるか
字幕を多言語化する場合、最初からすべての言語に対応しようとすると作業量が増えてしまいます。
私はまず英語字幕から始めることにしました。
英語字幕を公開して、海外の視聴者からの反応を確認します。
その後、必要に応じて韓国語、スペイン語、フランス語などの字幕を追加する方が、継続しやすいと思います。
最初から完璧な多言語対応を目指すより、まずは一つの動画、一つの言語から試す方が現実的です。
無料枠でも試しやすい
無料利用では、30分までの動画を翻訳できます。
短い料理動画や一般的な動画投稿であれば、試すには十分な長さです。
ブラウザ上で利用できるため、専用ソフトをインストールする必要もありません。
ただし、動画の長さやファイルサイズによって処理時間は変わります。
また、無料枠や対応形式などの仕様は変更される可能性があるため、利用前に最新の案内を確認した方が安全です。
字幕を付ける時の注意点
自動生成された字幕には、誤認識や不自然な翻訳が含まれることがあります。
特に、次のような内容は公開前に確認が必要です。
- 人名や商品名
- 料理名や専門用語
- 数字や単位
- 固有名詞
- 方言や口語表現
- 省略された会話
- BGMや環境音が大きい部分
字幕は動画の印象に直接関わります。
一か所の誤訳でも、視聴者に内容が伝わらなくなる可能性があります。
自動翻訳は作業を減らすための補助として使い、最後の確認は自分で行うのがよいでしょう。
実際に作業時間は短くなった
手作業で字幕を作っていた時は、10分の動画に半日かかりました。
音声の文字起こし、翻訳、字幕のタイミング調整をまとめて処理できるようになってからは、作業の流れがかなりシンプルになりました。
もちろん、翻訳結果の確認や表現の修正は必要です。
それでも、字幕を一から入力する作業がなくなったことで、動画編集に集中しやすくなりました。
字幕制作で一番時間がかかる部分を自動化できたことが大きかったです。
まずは一つの動画から
海外の視聴者を増やしたいからといって、最初からすべての動画に字幕を付ける必要はありません。
まずは、次のような動画を一つ選ぶとよいと思います。
- 再生数が多い動画
- 内容が分かりやすい動画
- 海外向けに紹介したい動画
- 音声が聞き取りやすい動画
- 料理や手順が映像だけでも理解しやすい動画
英語字幕を一つ付けて、視聴者の反応を確認します。
コメントや再生地域の変化を見ながら、次に対応する言語や動画を決めれば十分です。
まとめ
今回の経験から分かったのは、字幕作成で難しいのは翻訳だけではないということです。
音声の文字起こし、翻訳、タイミング調整、書き出しまでを別々に行うと、作業量が一気に増えます。
一方で、これらの工程をまとめて処理できるツールを使えば、字幕制作の負担を減らせます。
ただし、自動生成された字幕をそのまま公開するのではなく、公開前に原文と翻訳文を確認することが大切です。
海外の視聴者から字幕を求められたら、まずは一番見てほしい動画に英語字幕を付けてみる。
それくらい小さく始める方が、無理なく続けられると思います。