技術志向とプロダクト志向の違いって?―自社開発企業で働き始めて気づいたこと
初めまして!株式会社sumarch(スマーチ)のWebエンジニアチーム、小笹です。
2025年3月に入社し、この記事がQiita初投稿になります
今回は、直近でエンジニアとして働く中でふと気になったテーマ――
「技術志向」と「プロダクト志向」って何が違うのか?
について、自分の実体験も交えながらまとめてみました。
✅ この記事はこんな方におすすめ!
- 自分のエンジニアとしての方向性に悩んでいる
- 転職を考えていて「自社開発ってどんな感じ?」と思っている
- 技術に興味があるけど、ビジネスにも関わってみたい
💡 そもそも「志向」ってなに?
志向とは、簡単に言うと物事に対する考え方や取り組む方向性のことです。エンジニアリングにおいて「志向」とは、自分がどのような観点で開発業務に取り組むか、その軸となる価値観や基準を指します。
エンジニアの「志向」は主に2つのタイプに分けられると自分自身考えていて、それが「技術志向」と「プロダクト志向」です。どちらが正解というものではなく、自分の性格や得意分野、仕事に対する価値観によって自然に形成されるものだと考えています。
私自身、これまではどちらかというと0→1の開発業務に携わることが多く、要件定義、技術選定やプロダクト開発、DB設計、コーディング業務など幅広く裁量を持たせてもらい、その中でモダンな技術を自由に採用してサイトパフォーマンスや開発スピードを底上げしたりなど技術を吸収しながら行なっていく開発の仕事が好きだった一方で、
「この機能やサービスってユーザーに本当に使われてるのかな?」「ユーザーの立場になって開発できているのかな」「利用者を増やすために何かしたいけどどうすればいいか分からない」というモヤモヤを感じる時がありました。
対照的に現職に入社してからは、既存で稼働しているWebサイトやインフラの保守や運用業務、稼働しているプロダクトに対して追加の機能設計/追加などをチームで行うことが増えました。
1→10や10→100のグロースフェーズの開発経験が乏しかった自分からするとチームで協力して1つのプロダクトを大きくしていくことや、もっとユーザーにとって良い体験を届けるために開発することは少なかったのでこの点においてひたすらにモダンな技術でパフォーマンス、速さ、正確さを追求した技術志向的なプロダクト開発と比較すると0→1開発では感じることのなかった制約による難しさとプロダクトを育てる楽しさを今感じることができています。
⚔️ 技術志向 と プロダクト志向 ― 比較してみた!
技術志向エンジニア | プロダクト志向エンジニア | |
---|---|---|
主な関心 | 技術そのもの、品質、最適化 | ユーザー価値、課題解決 |
技術についての考え方 | 目的 / 目標 | 手段 |
モチベーション | 新しい技術・効率化 | プロダクト改善・成長 |
強み | 技術選定の幅、圧倒的な設計力と実装力、スペシャリスト | 要件定義、施策提案、ドメイン理解、事業理解、ジェネラリスト |
向いている職場 | SIer / 受託開発 / SES / スタートアップ | 自社開発 / Webサービス運営 |
🧠 両者は対立するものではなく共存するもの?
大切なのは、どちらが正しいかではなく、どちらが自分に合っているか。
そして現代のWebエンジニアリングでは、両者のバランス感覚がますます重要になっていると思います。
私自身、技術にこだわる部分や技術好奇心は日常的に持ちつつも、「どうすればユーザーが使いやすくなるか?」という視点を持てるようになったのは、自分が携わったプロダクトやサービスを使ってくれる人がもっと増えてほしいと思うようになってからで、それまでは自分本位にシステムを構築していた面や技術選定ばかりに目が行きがちで実装の細かいところまでは目が行き届いていなかったように覚えています。
プロダクトに対しての理解やよくしたいという思いだけで最低限の技術力がない場合は、肝心な実装がガタガタになり低クオリティ・パフォーマンスなサービスに仕上がってしまう恐れや保守性の悪いソースコードになる可能性があり、逆に技術志向だけが強すぎてしまう場合や業務に対するドメイン知識が不足していると特にチームで実装を行うシチュエーションではチームメンバーがついてこれない技術選定を行なってしまったり、組織が求めているプロダクトの方向性とブレてしまう可能性があるので、志向の偏りのなく志向性が共存しているエンジニアが理想的な形なのかなと個人的には最近考えています。
✍️ おわりに
「技術志向 or プロダクト志向」という視点は、キャリアを考えるうえでも役立つキーワードだと思っています。
エンジニアと単に言ってもその範囲は非常に大きく、自分が思い描くキャリアも組み合わせ方によっては無限に選択肢が出てくると思います。
読んでくださった皆さんが、自分に合った働き方を見つけるヒントになれば嬉しいなと思いました。
🙌 最後まで読んでくださった方へ
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Qiitaでの発信もこれから増やしていく予定なので、よろしくお願いします!