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[Statistics] 23単元概論

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Last updated at Posted at 2026-04-28

統計検定準1級の全体構造

統計検定準1級の内容は、大きく分けると次の6分野に整理できます。

分野 役割
① 確率論 確率を計算する土台
② 数理統計 パラメータを推定する理論
③ 統計モデリング 変数間の関係をモデル化する
④ 多変量解析 多数の変数の構造を整理する
⑤ 確率過程・時系列 時間変化する現象を扱う
⑥ 応用統計 現実データに統計手法を適用する

B1, 確率論(Probability)

分布が完全に既知の世界

位置づけ

確率論は、統計学の土台です。
同時分布や確率密度関数が与えられている前提で、確率・期待値・分散などを計算します。

基本構造

観点 内容
前提 同時分布・密度関数が与えられる
変数 確率変数 $X,Y$
求めるもの 確率・期待値・分散
本質 計算

例:

P(Y \mid X)

該当する単元

単元 内容
条件付き分布 条件付き確率・条件付き期待値を扱う
多変量正規分布 複数の確率変数が従う正規分布
積率母関数 分布の特徴量を取り出す関数

まとめ

👉 確率論は、分布が分かっているときに確率を計算する分野


B1, 数理統計(Statistical Inference)

分布の形は仮定するが、パラメータは未知の世界

位置づけ

数理統計は、データから未知のパラメータを推定する理論です。
確率論では分布が完全に分かっていましたが、数理統計では分布の形だけを仮定します。

基本構造

観点 内容
前提 分布の形を仮定する
変数 データ $x$、パラメータ $\theta$
求めるもの パラメータ・事後分布
本質 推定

最尤法

位置づけ

観測データが最も起こりやすくなるようなパラメータを求める方法です。

観点 内容
前提 分布の形 $f(x|\theta)$ を仮定
変数 データ $x$、パラメータ $\theta$
求めるもの 最尤推定量 $\hat{\theta}$
本質 パラメータ推定
L(\theta)=\prod_{i=1}^{n} f(x_i|\theta)

ベイズ法

位置づけ

事前分布とデータを組み合わせて、パラメータの事後分布を求める方法です。

観点 内容
前提 尤度 + 事前分布
変数 データ $x$、パラメータ $\theta$
求めるもの 事後分布 $p(\theta|x)$
本質 分布推定
p(\theta|x) \propto p(x|\theta)p(\theta)

該当する単元

単元 内容
最尤法 尤度を最大化してパラメータを推定
ベイズ法 事前分布と尤度から事後分布を推定
不完全データの統計処理 欠測・潜在変数を含むデータを扱う

まとめ

👉 数理統計は、分布の形を仮定してデータからパラメータを推定する分野


B2, 統計モデリング(Regression / GLM / ANOVA)

分布に加えて、変数間の構造 $X \to Y$ を仮定する世界

位置づけ

統計モデリングは、説明変数 $X$ と目的変数 $Y$ の関係をモデル化する分野です。
数理統計が「パラメータ推定の理論」だとすると、統計モデリングはそれを使って「現象の構造」を表します。

基本構造

観点 内容
前提 分布 + 変数間の構造を仮定
変数 説明変数 $X$、目的変数 $Y$、パラメータ
求めるもの 関係性・予測値・確率
本質 モデル化

回帰分析(線形モデル)

観点 内容
前提 平均構造 $E[Y|X]=X\beta$、誤差分布
変数 データ $X,Y$、パラメータ $\beta$
求めるもの 回帰係数 $\beta$、予測値
本質 連続値の予測
E[Y|X]=X\beta

分散分析(ANOVA)

観点 内容
前提 群平均モデル、正規誤差、等分散
変数 群、観測値
求めるもの 群差の有無
本質 平均の差の検定

ロジスティック回帰(GLM)

観点 内容
前提 ベルヌーイ分布、ロジットリンク
変数 説明変数 $X$、目的変数 $Y$、パラメータ $\beta$
求めるもの 回帰係数 $\beta$、確率
本質 0/1の確率予測
P(Y=1 \mid X)=\frac{1}{1+e^{-X\beta}}

該当する単元

単元 内容
重回帰分析 複数の説明変数で連続値を説明
分散分析 群間の平均差を検定
質的回帰 0/1やカウントなどの目的変数を扱う

まとめ

👉 統計モデリングは、分布と変数間の関係を仮定して、構造や予測を求める分野


B3, 多変量解析(Multivariate Analysis)

複数変数の構造・関係性を整理する世界

位置づけ

多変量解析は、多くの変数を同時に扱い、背後にある構造を見つける分野です。
回帰のように明確な $X \to Y$ の関係を置くものもありますが、多くは「構造の発見」が目的です。

基本構造

観点 内容
前提 多変量データに何らかの構造がある
変数 複数の観測変数
求めるもの 構造・分類・低次元表現
本質 構造抽出

該当する単元

単元 前提 求めるもの 本質
主成分分析 分散最大化・線形結合 主成分 次元削減
判別分析 クラス分布 分類ルール 分類
因子分析 潜在変数モデル 潜在因子 潜在構造の推定
クラスター分析 距離・類似度 グループ 教師なし分類
グラフィカルモデリング 条件付き独立性 依存構造 ネットワーク構造
その他の多変量解析手法 多変量構造 特徴・関係 構造把握

まとめ

👉 多変量解析は、複数変数の背後にある構造を見つける分野


B4,5, 確率過程・時系列(Stochastic Process / Time Series)

時間や状態の変化を扱う世界

位置づけ

確率過程・時系列は、時間とともに変化する確率現象を扱います。
通常の確率論が「ある時点の確率」を扱うのに対し、確率過程は「時間の流れの中での確率」を扱います。

基本構造

観点 内容
前提 時間依存構造・状態遷移構造がある
変数 時間、状態、観測値
求めるもの 遷移確率・分布・予測
本質 動的モデル化

該当する単元

単元 前提 求めるもの 本質
ポアソン過程 独立増分・定常性 事象の発生確率 ランダムな発生のモデル化
マルコフ連鎖 マルコフ性 遷移確率・定常分布 状態遷移のモデル化
ブラウン運動 連続時間・独立増分 分布・軌道特性 連続確率過程
時系列分析 自己相関構造 予測・構造 時間依存の分析

まとめ

👉 確率過程・時系列は、時間とともに変化する確率現象を扱う分野


B6, 応用統計(Applied Statistics)

現実データに統計手法を適用する世界

位置づけ

応用統計は、現実のデータ条件に合わせて統計手法を使う分野です。
分割表、ノンパラメトリック法、生存時間解析、標本調査法などは、理論というより「実データをどう扱うか」に重点があります。

基本構造

観点 内容
前提 実データ特有の条件がある
変数 標本・観測データ
求めるもの 推定・検定・関連性
本質 実務適用

該当する単元

単元 前提 求めるもの 本質
分割表 カテゴリデータ 独立性・関連性 カテゴリ分析
ノンパラメトリック法 分布を強く仮定しない 検定結果 ロバストな検定
生存時間解析 打ち切りデータ 生存関数・ハザード 時間イベント解析
標本調査法 抽出設計 母集団推定 標本から母集団を推定

まとめ

👉 応用統計は、現実データの制約に合わせて統計手法を使う分野


全体まとめ

分野 前提 変数 求めるもの 本質
確率論 分布が既知 確率変数 確率・期待値 計算
数理統計 分布の形を仮定 データ + パラメータ パラメータ・事後分布 推定
統計モデリング 分布 + 構造を仮定 $X,Y,$ パラメータ 関係・予測・確率 モデル化
多変量解析 多変量構造を仮定 複数の観測変数 構造・分類・低次元表現 構造抽出
確率過程・時系列 時間依存構造を仮定 時間・状態・観測値 遷移確率・分布・予測 動的モデル化
応用統計 実データ条件を考慮 標本・観測データ 推定・検定・関連性 実務適用
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