この記事について
AI導入プロジェクトに関わっていると、こんな経験はないでしょうか。
- PoCまでは順調に進んだのに、本番導入の判断がなかなか下りない
- 上司に「なぜ本番化にはガバナンス設計が必要なのか」を説明しても伝わらない
- 現場で作った便利な自動化ツールが、いつの間にか「野良Agent」扱いされる
これらは技術力の問題ではなく、意思決定者側に判断軸がないことが、原因であることが多いです。とはいえ、技術書を読んでもらうのは現実的ではありません。
この記事では、非エンジニアの決裁者に説明する際に使える3つの論点を整理します。
論点①:PoCの成功と、本番導入の安全性は別軸である
PoCで問われるのは「動くかどうか」です。しかし本番導入で問われるのは、「どこで人間が確認し、どこで自動化を止めるか」という統制の設計です。この2つを混同したまま導入判断が下されると、後になって想定外の処理が発覚する、というパターンが繰り返し起きます。
論点②:「型」と「使い捨て」を区別する基準を持つ
現場が個別に作った自動化は、担当者の異動と同時に引き継がれなくなることがよくあります。すべてを組織で管理する「型」にする必要はありませんが、少なくとも「これは型として残すべきか、使い捨てでよいか」を判断する基準は、プロジェクトの最初に共有しておくべきです。
論点③:ベンダーへの発注は「統制の設計」まで含む
ベンダーの提案書に「運用開始後も弊社が一括対応します」と書かれていても、それが実際に統制ゲートの設計まで含むのか、単なる保守対応を指すのかは、読み取り方次第で変わります。
ここを発注前に確認しないまま契約すると、後になって「どちらが判断するのか」で揉めることになります。
決裁者に説明するときに
この3つの論点を、上司や決裁者に技術的な言葉を使わずに説明する必要がある場面は、意外と多いと思います。
こうした説明の材料として、『AIの核心【エッセンシャル版】1』という書籍が、非エンジニア向けに同じ論点を整理しています。
Kindle Unlimited対象なので、「読んでおいてください」と上司に薦めるハードルも低いはずです。
現場のエンジニアと決裁者の間で、同じ判断軸を共有できると、プロジェクトの停滞がかなり減ります。この記事がその一助になれば幸いです。
