はじめに
こちらはMakuake Advent Calendar 2021の14日目の記事です。
今日はスクラムについて書こうと思います。
スクラム前にやって良かったこと
最近まで携わっていたプロジェクトではスクラムを採用しており、そのプロジェクトではスクラムマスターに賞賛されるほどかなり自己組織化された良いチームができました。
もちろんプロジェクト中の個々の取り組みが良かったからこそ良いチームになったことは間違いないのですが、(個人的に)振り返ってみるとプロジェクト開始前〜開始後すぐくらいの取り組みがプロジェクト期間全体に渡って良い結果をもたらす下地になっていたのではないか、と感じられました。
というわけでスクラムを成功させるために、スクラムに取り組む前にやって良かったことをまとめていきたいと思います。
スクラムについてチーム全体で共通の理解を持つ
スクラムを始めるにあたって、共通の理解を持つことでかなり議論を進めやすかったです。
私たちは全員でスクラムブートキャンプを読み、その上でスクラムをやるか検討し、プロジェクトを開始しました。
同じ本に基づくことで各メンバーの頭の中にある**「あるべきスクラム像」**を概ね揃えることができ、そのおかげで議論が起きても大きく方向性がズレることもなく進められました。
また、進め方について何か疑問が出てきた時は都度スクラムブートキャンプに立ち返った上で進めることで、迅速に疑問を解決し進め方を修正していくことができました。
スクラム経験者と未経験者が混じったチームや、経験者同士であっても異なるチームでスクラムを進めてきたメンバーで構成されるチームでは、この点が結構大変なのではと思います。
もしそうしたチームの場合でも、何かチームの礎となる本を定めて理解・認識を揃えることですれ違いを防げるでしょう。
私たちが読んだスクラムブートキャンプは短時間で読めて、かつエッセンスを掴めるので共通認識を作るという点ではとても良かったかもしれません。
スクラムを採用することについて納得する
きちんと会話した上でスクラムを採用することを決められたので、後からそもそも論が出てこなかったのが良かったです。
スクラムという手法は難しく感じられたり、ルールが多いように思われ抵抗を感じる方もいると思います。そういった抵抗・不安を完全に拭い去るのは難しい場合もあるので、そうした方は「不安はあるけどまずはやってみるか」と自分から思えたら良しとするのが良いと思います。
私たちは本を読んで認識を揃えた後、具体的には誰がどの役割で、どういうスケジュールで動くか検討してみることで納得感を高められるよう工夫していました。最終的には変化する状況に対処するにはスクラムが良いだろうというメリデメの点で決めたと思います。
インセプションデッキは自分たちで手を動かして作る
**これが最もやって良かったことかもしれません。**インセプションデッキの作成に積極的にエンジニアが携わったことでプロジェクトへの理解もグンと高まり、チーム全体が自分ごととしてプロジェクトを捉えられるようになりました。
特に**「我々はなぜここにいるのか」と「エレベータピッチ」**はプロジェクトの根幹に関わるスライドなので、チーム全員(PO, SM, エンジニア, その他チームメンバー)で作り認識を揃える価値は非常に高かったです。
具体的には以下のような進め方で作っていきました
- 全員でそれぞれインセプションデッキを書いてくる
- 互いの内容をシェアして質疑応答やすり合わせをする
- POとSMがまとめあげる
- まとめられたものを全員で見て、違和感がある場所はどう書いたほうが良いか案を出してくる
**これを全員が一言一句納得がいくまでやりました。**時間はかかりますが、プロジェクトの根幹を担うものなので、その後の認識齟齬やそこから起こるミスコミュニケーションを減らせたと思えばやはりやって良かったと感じます。
事前に手を動かしてくるという方法も理解が深まって良かったです。読み合わせや説明を聞くだけではその場で浮かんできたフィードバックしか返せないですし、チームで話し合う前に個人作業を通して事前に考えを深めてくることで全員の理解度を揃えることができたと思います。
まとめ
ざっくりとスクラム開始前にやって良かったことは以下の3つでした。
- スクラムそのものについてチームで共通認識・言語を持つ
- 納得感を持った上で始める
- プロジェクトやその目的についてチームで理解を深める
これら一つ一つが直接的に成果を出すというタイプの施策ではないです。ですがこれらの下地があるからこそいわゆる心理的安全性が確保され、成果を出すために良い相互作用を生み出せるチームが出来上がったのだと思います。
最初は拙いチームであっても、こうした下地を整えて、レトロスペクティブやデイリースクラムなどの機会を使って積極的に互いを成長させる環境が整っているならば、最終的には素晴らしいチームになることができるというのが私の実感でした。
これからスクラムを始めるチーム、スクラムが始まったチームはもちろん、今現在スクラムに取り組んでいるチームなど何かしらのシーンでこの記事の内容が役に立てたら嬉しいです。
最後に
Makuake Advent Calendar 2021はまだまだ続くので明日以後もぜひ楽しみにしていてください。
また、Makuakeでは一緒に働いてくれるエンジニアを募集中です!この記事を通して少しでもMakuakeにも興味を持ってくれたら嬉しいです。