OpenWrt を自宅検証環境用に便利に使う(1)
はじめに
vPro対応PCにVMware vSphere Hyperisor(ESXi) をインストールして、自宅の検証用環境にする話を書きましたが、ガシガシと仮想マシンを作って遊んでいると、IPアドレスを手動で割り振るのがだんだん面倒になってきます。
仕事でもないのにIPアドレス表で管理なんかしたくないですよね?
検証環境用のインターネットゲートウェイとしてOpenWrtを使うと、DHCPでIPアドレスを割り振りつつも、OS上で設定したホスト名で名前解決できるようになり、利便性が高まります。
OpenWrt とは
OpenWrt Project で開発が進められている、組み込み機器向けのLinuxディストリビューションです。
Wrt の名が示すように、無線LANルータ(Wave RouTer)を主なターゲットとしたOSSです。
世界中の各社無線LANルータやAPに対応しています。対応機種
組み込み機器の8Mbyte〜32MByte程度のとても小さな容量のフラッシュメモリ上でも動作し、独自のパッケージ管理ソフトウェアを持っています。Fedoraやdebianなどの一般のLinuxディストリビューションなどと同様にインターネット上のリポジトリから任意のソフトウェアを追加インストールできるようになっています。
家庭用の無線LANルータなどのファームウェアを置き換える形でインストールします。メーカー非公式のカスタムファームウェアとも言えます。インストールに失敗すれば復旧できず、使えなくなる恐れがあります。(「文鎮化」、「brick」などと俗称されます)
OpenWrtインストールのために新規にルーターを購入するのは私はお勧めしません。私の場合は対応機種をリサイクルショップなどで探して入手するなどして使っています。
GL.iNet社のルーターは素のOpenWrtと並列で自社WebUIを持つ製品として知られており、こちらを使うのも良いでしょう。
OpenWrt利用上の注意
OpenWrtは無線LANルータ用の代替OSのため、機能としてはIEEE 802.11n/ac などの無線LANを扱うことはできます。しかし
日本国内では電波法に抵触する恐れがあるためOpenWrtをインストールした機器で無線LANを有効にして電波を出すことはお勧めしません。 有線LAN用NATルーターとして利用することをお勧めします。
私の自宅環境
私の自宅の環境では以下のような構成になっています。
ドコモ光のプロバイダルーターの直下にOpenWrtをインストールした Buffalo WZR-600DHP2 を入れています。前述した法律上の理由と、技術的な理由でOpenWrtルーターは有線LANルーターとして利用しています。いわゆる二重NAT状態にはなっていますが利便性をとって割り切っています。
無線LAN機能は別に Buffalo WSR-1800AX4を無線LANアクセスポイントとして入れています。
まとめ
OpenWrt を自宅検証環境用に使う方法として、ひとまず私の環境をご紹介しました。
次回
具体的にどのように便利に使えるかをご紹介する予定です。