vPro対応PCを検証用仮想プラットフォームにする話(3)〜標準WebUIによるリモート制御編〜
前回まで
vPro対応PCのintel ME設定画面から AMT(Active Managment Technology)の設定を行いました。
今回は設定済みのvPro対応PCへのリモート接続方法をご紹介します。
AMTへのリモート接続方法について
有効にしてIP設定を行ったAMTはリモートから接続できるようになります。
pingによる疎通確認
動作確認のため、リモート端末側から vPro対応PCのAMTに設定したIPアドレスに ping を打ってみます。
確認のためvPro対応PCを電源をOFFにした状態で、AMTに設定したipアドレスに対して ping を打ちます。
PS C:\Users\user> ping 192.168.0.80
192.168.0.80 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.0.80 からの応答: バイト数 =32 時間 =3ms TTL=255
192.168.0.80 からの応答: バイト数 =32 時間 =3ms TTL=255
192.168.0.80 からの応答: バイト数 =32 時間 =3ms TTL=255
192.168.0.80 からの応答: バイト数 =32 時間 =3ms TTL=255
192.168.0.80 の ping 統計:
パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
最小 = 3ms、最大 = 3ms、平均 = 3ms
PS C:\Users\user>
疎通できない場合にはintel MEセットアップ画面から、AMTのネットワーク設定を確認してください。
また、vPro対応PCの電源を入れた後(OS等が起動していない状態)に疎通できるようになる場合には、AMT の POWER CONTROL設定が Desktop: ON in S0
になっている可能性があります。vPro対応PCの電源が落ちている状態でもAMTに接続できるようにするためには、Desktop: ON in S0, ME Wake in S3,S4-5
に設定してください。
WebUIによる接続とコントロール
pingによるIP疎通が確認できている場合、AMTは 16992/tcp
で httpで待受をしています。
リモート端末側から 以下URLにアクセスしてみてください。
http://<vPro対応PCのAMTに設定したIPアドレス>:16992/
正常にアクセスできると、以下のような Log On 画面が表示されます。
ユーザ名:admin、設定したパスワードでログインします。
以下のようなWebUIが表示されます。
AMTの標準WebUIでは以下のことが可能です。
AMT WebUI上の表示 | 意味 | 備考 |
---|---|---|
System Status | システムの状態 | |
Hardware Information | ハードウェア情報の表示 (マザーボードの型番、BIOSバージョン情報、CPU型番、クロック数,メモリDMM型番,容量、SPEED,DISK型番、容量) |
|
Event Log | POSTエラーを含む、ハードウェアイベントを表示 | |
Remote Control | 電源ON/OF、ハードリセット | |
Power Policies | AMTを本体電源OFF状態で起動するかどうか。 | intel MEセットアップ画面のPOWER CONTROLE 設定と等価 |
Network Settings | AMTのIPv4設定 |
intel MEセットアップ画面の 設定と等価 |
IPv6 Network Settings | AMTのIPv6設定 | intel MEセットアップ画面の 設定と等価 |
System Name Settings | AMTのホスト名、ドメイン名の設定 | intel MEセットアップ画面の 設定と等価 |
User Accounts | AMTログインユーザ名、パスワード、ロールの設定 | |
Web Application Links | WebUIからは設定不可 |
AMTの標準WebUIで実質的に使えるリモートからの制御はRemote Control
の電源コントロールだけになります。
目立たない機能かもしれませんが、これは非常に役に立ちます。
ネットワーク経由の電源ONの仕組みとしてWoL
がありますが、ハードウェア、ファームウェア、OS側の設定を適切に行わないと機能しません。起動のためのマジックパケットがUDPで特殊なツールを必要としますし、マジックパケットはEthernetブロードキャストとして送信されるため、同一L2ブロードキャストドメイン≒同一IPv4サブネット内でしか機能しません。
何よりWoLはパケット送信による電源OFF/ONの成否がすぐに分かりません。
その点、AMTは汎用Webブラウザでアクセスできる=TCPでアクセスできるため、ルーターの先の別IPv4セグメントからアクセス可能ですし、WebUI上で状態を確認できるため電源ONコマンドを送った結果も把握できます。またハードリセットを含むOSに依存しない強制電源OFFも可能です。
以上の点から、検証用仮装プラットフォームとして使う場合にAMTのRemote Control
機能は有用です。
まとめ
今回はAMTの標準WebUIによるvPro対応PCの操作方法をご紹介しました。
次回予告
AMTの標準WebUIでは最低限の機能しかできません。
次回はAMT対応ソフトウェアであるMeshCommaderについてご紹介します。