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AWS CloudShellで出力される"jq: error string and number cannot be added"に対処するには

Last updated at Posted at 2023-01-29

概要

この記事は、AWS CloudShellでjqのjoinを使用する際に発生するエラーの原因と解決方法を説明しています。

AWS CloudShellでのjqエラー

AWS CloudShellで、jqを使用する際に発生するエラーについて説明します。

数値が含まれる配列をjoinしようとすると、jq: error string and number cannot be addedが出力されます。

期待する結果

$ echo '["example",0]' | jq 'join(".")'
"example.0"

実際の結果

$ echo '["example",0]' | jq 'join(".")'
jq: error (at <stdin>:1): string (".") and number (0) cannot be added

原因

このエラーの原因について説明します。

CloudShellにプリインストールされているjqのバージョンは、1.5です。1

$ jq --version
jq-1.5

1.5のjoinにはバグがあり、number型の場合に文字列化されないため、当該エラーが出力されます。

  "def join($x): reduce .[] as $i (null; (.//\"\") + (if . == null then $i else $x + $i end))//\"\";",

このバグは1.6でFixされています。joinのソースを確認すると、number型をtostringで文字列化していることがわかります。

def join($x): reduce .[] as $i (null;
            (if .==null then "" else .+$x end) +
            ($i | if type=="boolean" or type=="number" then tostring else .//"" end)
        ) // "";

issueが上がっていました。

解決手段1(jq1.5で動作するように修正する)

このエラーを解決する手段について説明します。

まず、jq1.5で動作するように修正する方法です。

joinに渡す前に数値を文字列化すれば、1.5でも期待通りに動作します。もちろん1.6でも問題なく動作します。

$ echo '["example",0]' | jq 'map(.|tostring) | join(".")'
"example.0"

解決手段2(jq1.6をインストールする)

次は、jq1.6をCloudShellにインストールする方法です。

ただし、CloudShellで用意されているyumでは、プリインストールされているjqをアップグレードできない2ので、適当なディレクトリにバイナリをダウンロードするようにします。

ディレクトリの永続性について

  • /usr/binにバイナリファイルを配置すると、CloudShell再起動時にファイルが削除されるため、ご注意ください
  • ホームディレクトリに配置した場合はデータが永続化されますが、120日を超えて当該CloudShell環境の利用がないと、削除されますのでご注意ください

実際の例

具体的な例を示し、解決方法を説明します。

ホームディレクトリにインストール先のディレクトリを作成し、バイナリをダウンロードします。ディレクトリは任意ですが、ここではjq1.6とします。

cd ~
mkdir jq1.6
cd jq1.6
wget -O jq https://github.com/stedolan/jq/releases/download/jq-1.6/jq-linux64
chmod +x ./jq 

先述のとおり、1.6でこのバグはFixされているので、期待通りに動作します。

$ ~/jq1.6/jq --version
jq-1.6
$ echo '["example",0]' | ~/jq1.6/jq 'join(".")'
"example.0"

エイリアスを設定すると、便利です。

$ echo "alias jq=~/jq1.6/jq" >> ~/.bashrc
# エイリアスをログイン中のシェルに反映
$ . ~/.bashrc
$ echo '["example",0]' | jq 'join(".")'
"example.0"

シェルスクリプトとして実行するには

シェルスクリプトとして実行する場合は、ログイン中のシェル環境が引き継がれないため、エイリアスが未定義となり、jq1.5が実行されてしまうことに注意する必要があります。

join.sh
#!/bin/bash
echo '["example",0]' | jq 'join(".")'
$ bash ./join.sh 
jq: error (at <stdin>:1): string (".") and number (0) cannot be added

この場合は、-iオプションで対話的動作を指定すると、~/.bashrcが読み込まれてスクリプトが実行されるため、期待通りの動作になります。

$ bash -i ./join.sh 
"example.0"

結論

CloudShellで、jqを使用する際に発生するエラーについての対処法をまとめます。

2つの解決手段を説明しました。

解決手段1は、CloudShellの環境を変更する必要がなく、また、1.5と1.6どちらでも動作するため可搬性が高いことがメリットです。3

一方で、解決手段2は、1.6で動作させるので、joinエラー以外の挙動にも対応できることに優位性があります。

状況に応じて、使い分けてください。

参考

  1. 記事投稿時点のバージョンです。将来バージョンアップされる可能性があります。

  2. サポートに確認済みです。

  3. 開発用PCなど自由にインストールできる環境であれば、最新バージョンである1.6が入っていることが多いと思います。

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