はじめに
Azure Databricksは、Microsoft AzureとDatabricks社が共同開発した、Apache Sparkベースのビッグデータ分析サービスです。本記事では、Azure Databricksの基本概念、アーキテクチャ、操作手順を通して、初学者でも理解しやすい形で紹介します。
本記事のゴール
- Azure Databricksの全体像を理解する
- クラスタ作成からノートブックの操作までの基本操作を体験
- データの読み込み、加工、保存の簡単なETLを試す
Azure Databricks とは
Azure Databricksは、Apache Sparkベースのクラウドデータ分析プラットフォームであり、データエンジニア、サイエンティスト、アナリストがコラボレーションできる環境を提供します。
- スケーラブルなデータ処理基盤
- ノートブック形式での開発と実行
- Delta Lakeによる信頼性の高いストレージ
Databricks を利用するメリット
- 簡単なUI操作でクラスター管理が可能
- 多言語(Python, SQL, Scala, R)対応
- Sparkベースの高速処理
- Azureサービスとの高い統合性
基本的な Azure Databricks の操作手順
クラスターの作成
クラスターとは
Sparkジョブの実行環境であり、計算ノードの集合体です。DatabricksではUIから簡単に起動・停止が可能です。
クラスターの作成手順
- [Compute] タブを開く
- [Create Cluster] をクリック
- 名前・スペックを入力して作成
DBFS 内にデータのアップロード
DBFS とは
Databricks File System。Databricksワークスペースに統合された仮想ファイルシステム。
データの準備
CSVやParquetファイルを用意します(例:sample.csv
)。
データのアップロード手順
- [Data] タブ → [Upload File]
- ファイルを選択し、
/FileStore/
に保存
ノートブックの立ち上げ
- [Workspace] → [Create Notebook]
- 言語(例:Python)を選択
- クラスターをアタッチし、以下のようにコードを実行:
print("Hello, Databricks!")
データの簡単なETL処理(読み込み→加工→DBへ保存)
データの読み込み
df = spark.read.csv("/FileStore/sample.csv", header=True, inferSchema=True)
df.display()
データ加工
df_filtered = df.filter(df["column_name"] > 100)
df_filtered.createOrReplaceTempView("filtered_data")
Delta Lakeとして保存
df_filtered.write.format("delta").mode("overwrite").saveAsTable("sample_table")
データベースとテーブルの確認
SHOW TABLES;
DESCRIBE TABLE sample_table;
まとめ
Azure Databricksは、データ処理、分析、AIを一体化したパワフルなプラットフォームです。本記事では、クラスタ作成からノートブック操作、簡単なETL処理まで一連の流れを体験しました。次回はDelta Lakeの詳細や、SQLによる分析について掘り下げていきます。