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STORES Tech Conf 2025 “What Would You Do?”に参加してきた話

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STORES Tech Conf 2025 "What Would You Do?" 参加レポート

はじめに

この度、2025年11月に開催された「STORES Tech Conf 2025 "What Would You Do?"」にSTORESさんの学生支援のもと参加させていただきました。iOSDC 2025の際にmarcyさんと知り合い、今回のカンファレンスに招待していただいたことがきっかけです。

IMG_5224.jpg

前日から東京へ

九州からの飛行機の便数が限られていたため、前日から東京に前乗りしました。普段あまり利用しない首都圏の電車移動にはなかなか苦労しましたが、なんとか東京に到着することができました。

学生ランチ会

学生と社員の方でランチをしながら交流を深める機会がありました。自分ともう1人の学生、そして社員さんの3名でお話しさせていただきました。

もう1人の学生の方は複数回のインターン経験があり、様々なお話を聞くことができました。特に印象に残っているのは、「インターンでついていけるか不安」という相談をした際のアドバイスです。「ついていけるかどうかは面接で企業側が判断してくれるから、気にせずどんどん挑戦してみるといいよ」という言葉をいただき、とても納得しました。これからは勉強を続けながら、積極的にインターンに挑戦していこうと思います。

STORES CAFE for Student

カンファレンス当日には学生向けの座談会が開催されました。書類選考で見られるポイントの解説や、入社1〜3年目の新入社員の方々へ自由に質問できる貴重な機会がありました。

エンジニア採用では成果物の提出が求められることが多いですが、その際に重視されるポイントについて知ることができました。書類選考や面接で大切なのは、そのアプリに対する思いや開発の背景を伝える「エッセイ」の部分、そして技術選定や設計における「一貫性」だそうです。

AIが発展する現代において、AIを活用すること自体は決して悪いことではありません。しかし、AIが生成したコードをそのまま使うのではなく、自分の意図を反映したコードに落とし込むことが大切だと感じました。

また、入社1年目のプラットフォームエンジニアの方のお話も聞くことができました。福岡から勤務されているそうで、基本的にはリモートワークとのことでした。地方在住でもエンジニアとして働ける多様な働き方があることを知り、視野が広がりました。

セッション1: 非エンジニアがAIで継続的に運用できる配送システムを作った話

このセッションでは、非エンジニアの方がAIを活用して配送システムを構築した事例が紹介されました。

開発の背景と使用技術

発表者の方は、データをkintoneで収集し、JavaScriptでコードを書けば業務を自動化できるのではないかと考えたそうです。開発には以下のツールを使用しました。

  • kintone: サイボウズが提供するクラウド型の業務アプリ構築プラットフォーム。プログラミング不要でデータベースやワークフローを作成できる
  • ChatGPT: OpenAIが提供する大規模言語モデル。コード生成や設計の相談に活用
  • VS Code: Microsoft製の軽量なコードエディタ
  • GitHub: ソースコードのバージョン管理とホスティングサービス

開発プロセス

開発は「議論 → コード生成 → テスト → 設計への反映」というサイクルを何度も繰り返す形で進められました。このプロセスにおいて最も重要だったのは、チーム全体で設計を理解し共有することだったそうです。

得られた成果

生成AIを活用することで、これまで「要望を伝えるだけ」だったチームが、「一緒にシステムを構築する」チームへと変化しました。AIは単なるコード生成ツールではなく、チームの技術力を底上げし、主体的な開発参加を促すきっかけになったという点が印象的でした。

セッション2: 調理場で使うタブレットアプリ

このセッションでは、飲食店の調理場で使用するタブレットアプリの開発事例が紹介されました。

設計思想

発表の冒頭で「全てはトレードオフである」という言葉がありました。技術選定においては、must(必須要件)とwant(あれば嬉しい要件)を明確に分けて評価することの重要性が強調されていました。

技術選定

本プロジェクトでは、KMP(Kotlin Multiplatform)とCMP(Compose Multiplatform)を導入しました。

  • KMP(Kotlin Multiplatform): JetBrainsが開発したクロスプラットフォーム開発フレームワーク。Kotlinで書いたビジネスロジックをAndroid、iOS、Web、デスクトップなど複数のプラットフォームで共有できる
  • CMP(Compose Multiplatform): KMPの上に構築されたUIフレームワーク。Jetpack Composeの宣言的UIをiOSやデスクトップでも利用可能にする

技術選定にあたっては、他社のプロダクト事例も参考にしたそうです。

UI設計

調理場という特殊な環境を考慮し、1画面で必要な情報が全て確認できるUIを設計しました。調理中は手が塞がっていることが多いため、画面遷移を最小限に抑える設計が求められたと考えられます。

開発工数と成果

Android版では、KMP/CMPのキャッチアップ期間を含めても、通常の1.3倍程度の工数で開発を完了できたそうです。UIの実装にはJetpack Composeを使用しました。

iOS版では、Android版と約90%のコードを共有することができました。この高いコード共有率により、わずか2ヶ月という短期間でiOS版を完成させることができたとのことです。

まとめ

「守るべき制約を決めれば、技術選定は自ずと浮かび上がっていく」という言葉が印象的でした。要件を明確にし、優先順位をつけることで、最適な技術選択ができるという教訓を得ました。

懇親会

懇親会では、AIとエンジニアリングの関係について興味深い議論がありました。

かつて、アセンブリ言語のような低級言語が主流だった時代から、CやPythonのような高級言語が登場し、開発の抽象度は徐々に上がってきました。今、AIによるコード生成が普及しつつありますが、これは新たな「便利なツール」の登場であり、コーディング自体が一段低いレイヤーになっただけとも言えます。

つまり、AIがどれだけ発達しても、コーディングの基礎を理解している私たちエンジニアには依然として優位性があるのではないか、という話題で盛り上がりました。AIを使いこなすためにも、プログラミングの本質的な理解は今後も重要であり続けるという気づきを得ました。

おわりに

今回のカンファレンスを通じて、技術的な知見だけでなく、キャリアや働き方についても多くの学びがありました。特に、AIとの向き合い方や、技術選定における考え方は、今後の開発に活かしていきたいと思います。

STORESの皆様、このような貴重な機会をいただきありがとうございました。

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