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画像分析モデルを作成するツールの比較: Custom vision と AI Builder と Lobe

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はじめに

 画像分析とは、画像から情報を抽出する技術のことです。例えば、画像内の物体の種類や位置を特定したり、画像に含まれるテキストや顔を認識したり、画像の品質や感情を評価したりすることができます。画像分析は、さまざまな分野で応用されており、ビジネスや教育、医療などに役立っています。

 画像分析を行うには、人工知能 (AI) の一種である機械学習 (ML) を利用します。機械学習とは、データからパターンやルールを学習し、未知のデータに対して予測や判断を行う技術のことです。機械学習では、学習したパターンやルールを表現するものをモデルと呼びます。画像分析では、画像から情報を抽出するためのモデルを作成します。

今回のテーマ:Custom vision と AI Builder と Lobe の比較

それぞれの説明は後述するとして、まずは一覧表で確認します。

Custom vision と AI Builder と Lobe の両方とも画像分析モデルを作成できるツールですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。以下に比較表を示します。

項目 Custom vision AI Builder Lobe
ライセンス費用 Azure のサブスクリプションと Custom vision のリソースが必要 Power Platform のライセンスと AI Builder のライセンスが必要 Lobe のアカウントが必要
データ保護 クラウド上で処理される クラウド上で処理される ローカル上で処理される
データ量 大量の画像をアップロードできる 大量の画像をアップロードできる ローカルストレージに依存する
学習時間 クラウド上で高速に学習できる クラウド上で高速に学習できる ローカル上で学習するため時間がかかる
精度 高精度なモデルが作成できる 高精度なモデルが作成できる データやパラメーターに依存する
統合性 Azure サービスや他のアプリと統合できる Power Platform サービスとシームレスに統合できる Power Platform 以外のサービスやアプリと統合する際には手間がかかる

この表からわかるように、Custom vision と AI Builder と Lobe は、画像分析モデルを作成するためのツールとして、それぞれに特徴があります。Custom vision と AI Builder はクラウドサービスであり、Lobe はローカルアプリです。また、統合性の面では、それぞれに適したサービスやアプリが異なります。Custom vision は、Azure サービスや他のアプリと統合することができます。AI Builder は、Power Platform サービスとシームレスに統合することができます。Lobe は、Power Platform 以外のサービスやアプリと統合する際にはエクスポートやテンプレートの利用などの手間がかかることがあります。

したがって、画像分析モデルを作成するためのツールを選択する際には、自分のビジネスシナリオや目的に応じて、以下のような観点から判断することが重要です。

  • コスト: 画像分析モデルの開発や運用にどれくらいの予算があるか?
  • データ保護: 画像分析モデルを作成する際に利用する画像はどこから取得するか?画像の保護が必要か?
  • データ量: 画像分析モデルを作成する際に利用する画像はどれくらいあるか?
  • 学習時間: 画像分析モデルを作成する際にどれくらいの時間がかかっても良いか?
  • 精度: 画像分析モデルの精度はどれくらい高くなくても良いか?
  • 統合性: 画像分析モデルを利用するアプリやサービスは何か?

例えば、以下のような場合には、それぞれに適したツールを選択することができます。

  • コストやデータ保護が気にならず、大量の画像を高速に高精度で分析したい場合は、Custom vision や AI Builder を選択することができます。
  • コストやデータ保護が気になり、少量の画像をローカルで分析したい場合は、Lobe を選択することができます。
  • Azure サービスや他のアプリと連携する必要がある場合は、Custom vision を選択することができます。
  • Power Platform サービスと連携する必要がある場合は、AI Builder や Lobe を選択することができます。

ここから各サービスの説明

Custom vision とは

Custom vision は、Azure の Cognitive Services の一部で、独自の画像識別子モデルを構築、デプロイ、改良できるサービスです。Custom vision を利用するには、Azure のサブスクリプションと Custom vision のリソースが必要です¹。

Custom vision では、以下のような機能が提供されています。

  • 画像分類: 画像全体に 1 つ以上のラベルを適用します。
  • 物体検出: 画像内の物体の位置と種類を特定します。

Custom vision の特長は以下のとおりです。

  • カスタマイズ性: 画像分類や物体検出などの事前定義されたモデルをカスタマイズしたり、独自のモデルを作成したりできます。
  • 高速性: クラウド上で高速に学習やデプロイができます。
  • 精度: 高精度なモデルが作成できます。
  • 統合性: Azure サービスや他のアプリと統合できます。

Custom vision のデメリットは以下のとおりです。

  • コスト: Azure のサブスクリプションと Custom vision のリソースが必要であり、コストがかかります。
  • データ保護: クラウド上で処理されるため、データの保護が気になる場合があります。

AI Builder とは

AI Builder は、Power Platform の一部として提供される AI モデル作成サービスです。Power Platform とは、Microsoft が提供するビジネスアプリケーションプラットフォームで、Power Apps や Power Automate などのサービスが含まれています。AI Builder を利用するには、Power Platform のライセンスと AI Builder のライセンスが必要です²。

AI Builder では、以下のような機能が提供されています。

  • 画像分類: 画像全体に 1 つ以上のラベルを適用します。
  • 物体検出: 画像内の物体の位置と種類を特定します。

AI Builder の特長は以下のとおりです。

  • カスタマイズ性: 画像分類や物体検出などの事前定義されたモデルをカスタマイズしたり、独自のモデルを作成したりできます。
  • 高速性: クラウド上で高速に学習やデプロイができます。
  • 精度: 高精度なモデルが作成できます。
  • 統合性: Power Platform サービスとシームレスに統合できます。

AI Builder のデメリットは以下のとおりです。

  • コスト: Power Platform のライセンスと AI Builder のライセンスが必要であり、コストがかかります。
  • データ保護: クラウド上で処理されるため、データの保護が気になる場合があります。

Lobe とは

Lobe は、Microsoft が提供する画像分析モデル作成アプリです。Lobe を利用するには、Lobe のアカウントが必要です³。

Lobe では、以下のような機能が提供されています。

  • 画像分類: 画像全体に 1 つ以上のラベルを適用します。
  • 物体検出: 画像内の物体の位置と種類を特定します。

Lobe の特長は以下のとおりです。

  • 簡単さ: ローカルで動作するアプリなので、インターネット接続やクラウドサービスの設定などは不要です。最低 5 枚の画像でモデルを作成できます。動画からも学習データを取得できます。
  • 柔軟さ: TensorFlow や ONNX などのさまざまなフォーマットにモデルをエクスポートしたり、Web やモバイルアプリのテンプレートを利用したりできます。また、最近では Power Platform とも連携できるようになりました。
  • 精度: データやパラメーターに依存しますが、高精度なモデルが作成できます。

Lobe のデメリットは以下のとおりです。

  • データ量: ローカルストレージに依存するため、大量の画像をアップロードできない場合があります。
  • 学習時間: ローカル上で学習するため、時間がかかる場合があります。
  • 統合性: Power Platform 以外のサービスやアプリと統合する際には、エクスポートやテンプレートの利用などの手間がかかる場合があります。

まとめ

この記事では、画像分析モデルを作成するためのツールとして、Custom vision と AI Builder と Lobe の違いと特長について比較しました。Custom vision と AI Builder は Microsoft が提供するクラウドサービスですが、Lobe は Microsoft が提供するローカルアプリです。それぞれにメリットとデメリットがあります。自分のニーズに合わせて最適なものを選択することができます。

画像分析は、さまざまな分野で応用されており、ビジネスや教育、医療などに役立っています。画像分析モデルを作成するためのツールを利用すれば、コーディングや数学などの専門知識がなくても、簡単に画像分析モデルを作成できます。ぜひ、Custom vision と AI Builder と Lobe の両方を試してみてください。

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