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機械学習をはじめよう

Last updated at Posted at 2014-06-29

Introduction

「機械学習」
みなさんはどうやってこの言葉に出逢いましたか?
最近よく聞くから?友達にやってみないかと誘われて?

もしあなたが今この記事を読んで機械学習という言葉を知ったのなら、それは私にとってとても喜ばしいことです。

でも、いざ始めてみると...
難しいですよね。

本屋でパターン認識と機械学習をパラパラっとめくってみて「うっ...」っとなった方もいるんじゃないでしょうか。

じつは、機械学習の理論のかなりの部分は難解な数式で構成されています。
初めからその数式に挑もうとすると... 難しくて挫折しそうになります。

もしあなたが機械学習のアルゴリズムを完全に、どこまでも深く理解したいのなら数式をいじり倒す必要があります。
しかし、アルゴリズムを実装してみたり、実際に使ってみるだけなら、そんなに深く理解する必要はありません。数式を完全に理解しなくても、アルゴリズムの動作は理解できますし、実装もできます。

今回は、機械学習をこれから始める人、機械学習に興味はあるけどどういうものなのかを知らない人のために、機械学習とは何か、何ができて、何がすごいのかを解説していきます。
次回以降はアルゴリズムの実装も少しずつ上げていくつもりです。
機械学習に少しでも興味を持っていただければとても嬉しいです。

機械学習って何?

そもそも機械学習って何でしょうか?

機械学習が使われている身近な例は、天気予報です。
「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」、「ツバメが低く飛ぶと雨」といったことわざを聞いたことがありますか?
ことわざというのは経験やエピソード(故事)から生まれますよね。
これは過去の経験に基づいて未来を予測しています。
例えば、「晴れの日の前日はいつも夕焼けがきれいだった」といったものを経験として、「じゃあ今日は夕焼けがきれいだから明日は晴れだろうな」といったかんじで未来を予測するわけです。

天気予報はこれをコンピュータにやらせています。
天気予報は、過去の気象データ(気温とか湿度とか)を使って未来の天気を予測しています。扱うものが気象データという数値になっただけで、やっていることはことわざによる天気の予測と同じです。

「過去の経験に基づいて未来を予測する」
これがまさに機械学習のやっていることです。
扱うデータが過去のものだけではなかったり、予測するものが未来のものだけではなかったりするので、これをもう少し一般的な言い方に変えてやると、
「経験によって賢くなるコンピュータをつくるためのアルゴリズムの研究」
となります。
これが機械学習の定義です。

機械学習でできること

では次は機械学習が具体的にどういったことに使えるのかを見てみましょう。

機械学習の目的は「経験によって賢くなるコンピュータを作ること」なので、機械学習を行うにはコンピュータに経験を与える(学習させる)ためのデータが必要になります。天気予報では過去の気象データがそれにあたります。
逆に、十分な量と質のある学習データさえ準備できれば機械学習は何にでも使えるということです。
この性質が、応用分野が非常に広いという機械学習の利点を生み出していると言えるでしょう。

機械学習の応用には、先ほど述べた天気予報を含め以下のようなものがあります。

  • 文字認識
  • 人物、物体認識
  • 検索システム
  • スパムフィルタ
  • 自己学習するロボット
  • 市場予測
  • 病気の自動診断 (MRI画像の解析)
  • 遺伝子分析
  • レコメンデーションシステム (適切な人への適切な広告の提示)
  • 自然言語処理 (対話システムや翻訳など)

機械学習のすごいところ

機械学習の最大の利点は、従来のアルゴリズムではうまく扱えない、しかし人間が処理するにはあまりにも多すぎるデータを、コンピュータの圧倒的な計算速度を活用して高速に処理できることです。
最近話題になっているコンピュータ将棋は、機械学習の強みをうまく活かしている好例だといえます。

ハードウエアの進化はもちろんですが、機械学習のアルゴリズムが高速になれば、当然もっと多くのデータを処理できるようになります。また、アルゴリズムの精度が向上すれば、少ないデータでより良い予測ができるようになります。

例えばGoogleの自動運転
この車は、車上のカメラを使って周囲の物体を認識し、車をどう制御すればいいかを判断しています。
車を自動運転させるには、さまざまな種類の物体を高速かつ高精度に検出、認識する必要があります。
この自動運転は機械学習のアルゴリズムが進化したからこそ実現できたことなのです。

まとめ

機械学習のアルゴリズムの性能は日々向上し続けてしています。
アルゴリズムがより軽量に、かつ高精度になれば、機械学習はさらに身近なもの、より多くのものに応用できるはずです。
機械学習がより身近なものとなれば、私たちの生活はより便利で、楽しいものとなるでしょう。

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