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SubCoreでGPIOを制御する@SDK

Last updated at Posted at 2021-12-07

#今回用意したもの

SPRESENSEメインボード[CXD5602PWBMAIN1]
https://www.switch-science.com/catalog/3900/

B-stem PDA01 SPRESENSE用機能拡張ボード
https://www.switch-science.com/catalog/5687/

今回は、単純にスイッチが欲しかっただけで、何でも良かったんだけど、
この基板は、スイッチが付いていたので、これを使いました。

#ブログ(元ネタ)
この記事は、以下のブログに過去に投稿したもののまとめです。

SubCoreでGPIOを制御する@SDK その1
http://spresense.livedoor.blog/archives/24401112.html

SubCoreでGPIOを制御する@SDK その2
http://spresense.livedoor.blog/archives/24409556.html

SubCoreでGPIOを制御する@SDK その3
http://spresense.livedoor.blog/archives/24417303.html

#はじめに

他のアプリケーションを実行している中、ある信号線が立ち上がったら、8us以内にある信号線を落とさなければいけなかったので、SubCoreでのGPIO制御をしてみることにしました。

SubCore側のコードで、スイッチの押下を検知し、LEDを点灯させることポーリングで行えば、
8us以内にGPIOのINからOUTへの反応が可能になります。

#サンプルプログラム
SubCoreを使うということで、Spresense SDKの中のサンプル

examples/asmp

をいじって、スイッチの検知&LED点灯を行います。

#スイッチのGPIO
PDA01の回路図を見ると、
https://p-art.net/wp2/wp-content/uploads/2019/11/PDA01_kairozu.pdf

image.png

スイッチ5番が SPR_PWM3 につながっています。

ちなみに、Spresenseの拡張ボードのGPIOをみてみると
https://developer.sony.com/develop/spresense/docs/introduction_ja.html

image.png

D03につながっていることがわかります。

#LEDのGPIO

worker側にはLEDのユーティリティーもないので、LEDとGPIOの関係から調査します。
SpresenseMainボードの回路図 を見ると、
https://github.com/sonydevworld/spresense-hw-design-files/raw/master/CXD5602PWBMAIN1/schematics/CXD5602PWBMAIN1_schematics.pdf

image.png

どれでも良かったんですが、

SPR_I2S1_LRCK

につながっているので、取り急ぎ、これを叩くことにします。

#GPIOの叩き方
現時点で、workerからGPIOを叩くユーティリティーもないので、ここは、コードを読み解いて実装します。

GPIOの制御は、
https://developer.sony.com/develop/spresense/docs/sdk_tutorials_ja.html#_system_gpiotool

こちらを読むとわかります。

board_gpio_config
で、pinの設定をして、

board_gpio_read
board_gpio_write
で、RWします。

MainCoreでの普通の使い方は、チュートリアルでわかります。

今回はこの中身を見て、レジスタアクセスの仕方を調べます。

spresense/nuttx/arch/arm/src/cxd56xx/cxd56_gpioif.c

の中を見ていくと、

cxd56_gpio_writecxd56_gpio_read

によって、Read/Write がされており、その中の

regaddrregval とが、レジスタアドレスと生値だとわかります。

#WokerでのGPIOの叩き方
workerでは、アドレスに直接アクセスするしかないので、
SPR_PWM3SPR_I2S1_LRCK へのアドレスが必要です。

spresense/nuttx/arch/arm/src/cxd56xx/hardware/cxd5602_topreg.h

をみると、

cxd5602_topreg.h
#define CXD56_TOPREG_GP_PWM3                    (CXD56_TOPREG_BASE + 0x20c0)
#define CXD56_TOPREG_GP_I2S1_LRCK               (CXD56_TOPREG_BASE + 0x216c)

だとわかります。

またこのレジスタの叩き方は、下記のLSIのユーザマニュアルに書いてあります。
https://sony-semicon.co.jp/products/smart-sensing/spresense/assets/images/CXD5602_user_manual.pdf

image.png

読み出すときは、最下位ビット を、書き込むときは、下位から9ビット目 を叩くことがわかりました。

GPIOの叩き方が分かったと同時に、アドレス空間を見る限り、どのコアでも同一にIOを制御できそうだということが分かったので、SubCoreでの制御が可能だと言ことがわかります。

#MainCoreプログラム

上記で書いたように

examples/asmp

を使って確認します。このサンプルは、特にチュートリアルはないようなので、
Readmeを参考に動作させてみます。
https://github.com/sonydevworld/spresense/tree/master/examples/asmp/

このサンプルの詳しい説明は、今回の目的から外れるのでしないのですが、

> ./tools/config.py examples/asmp

でconfigでbuildすると、SubCoreのバイナリもRomdiskになって読み込めます。
その後、ロードして実行すると、MultiCore間で、
message queue、mutexのテストをして終了するサンプルです。

今回、これらの通信テストをせずに、スイッチ5を叩くとLED2が点灯するコードをSubCoreに書いて実行できればOKです。

まず、pinConfigrationMainCoreで行います。

examples/asmp/asmp_main.c ※Master側のMain Loop

に、pin制御をするためのincludeをします。

asmp_main.c
#include <arch/board/board.h>
#include <arch/chip/pins.h>

また、

asmp_main.c
int main(int argc, FAR char *argv[])

の中の 310行目

asmp_main.c
  (void) run_worker(fullpath);

の前に、inputとoutputのpinを設定します。
今回は、inputをPIN_PWM3、outputをPIN_I2S1_LRCKとしたので、

asmp_main.c
  board_gpio_config(PIN_PWM3, 0, true, false, PIN_PULLUP);
  board_gpio_config(PIN_I2S1_LRCK, 0, false, false, PIN_FLOAT);

  (void) run_worker(fullpath);

を追加します。
これで、pinconfigができました。

※PDA01のスイッチは、開放が1、押下が0なので、pullupにしています。

※こちらを参考にしました。
https://developer.sony.com/develop/spresense/docs/sdk_tutorials_ja.html#_%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0

#SubCoreプログラム

次にSubCore側で、inputされたら、直ちにoutputするコードを書きます。

examples/asmp/worker/hello/hello.c ※SubCore側のMain Loop

このファイルの

hello.c
int main(void)

の前に、

レジスタ定義を追記します。

hello.c
#define CXD56_SYS_MIRROR                   0x04000000
#define CXD56_TOPREG_BASE                  (CXD56_SYS_MIRROR + 0x00100000)
#define CXD56_TOPREG_GP_PWM3               (CXD56_TOPREG_BASE + 0x20c0)
#define CXD56_TOPREG_GP_I2S1_LRCK          (CXD56_TOPREG_BASE + 0x216c)

※諸々includeパスが通ってない場所なので、定義を直接書いてしまっています。

これで、Mapped IO のレジスタアドレスが定義できたので、

hello.c
int main(void)

の先頭に、

hello.c
  volatile uint32_t* iadr = (uint32_t*)CXD56_TOPREG_GP_PWM3;
  volatile uint32_t* oadr = (uint32_t*)CXD56_TOPREG_GP_I2S1_LRCK;

  while(1){
    if( (*iadr & 0x01) == 0){
      break;
    }
  }
  *oadr = 0x100; 
  while(1);  /* exit代わり */

を記述することで、SubCore側で、スイッチ5の検出をするとLEDが点灯を点灯させるコードになりました。

#動作結果
動かすとこんな感じになります。オシロで見ても8us以内に反応できています!
※動画無くしちゃった…。

image.png

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