はじめに
オーディオインターフェースとギターがあれば試せる、マルチエフェクター&アンプシミュレーターであるMOD Desktopについてこれまで説明してきたわけですが、今回は番外編です。
MOD Desktopにはインストールしてそのままでも多くのプラグインがありますが、今回はそのプラグインの数を増やそうという試みです。
注意事項
残念ながら今回説明する方法はWindowsやMacでは使えません。
Linux環境のみです。
必要なもの
- Ubuntu Linux
mod-plugin-builder
MOD Desktopでlv2プラグインをビルドするにはmod-plugin-builderというツールを使います。
前準備
mod-plugin-builderをインストールする前にUbuntuにビルドツールをインストールします。
$ sudo apt install acl bc curl cvs git mercurial rsync subversion wget \
bison bzip2 flex gawk gperf gzip help2man nano perl patch tar texinfo unzip \
automake binutils build-essential cpio libtool libncurses-dev pkg-config python-is-python3 libtool-bin
mod-plugin-builderをgit cloneします。
$ git clone --recurse-submodules https://github.com/moddevices/mod-plugin-builder.git
MOD Desktop用の開発環境を整えます。
$ cd mod-plugin-builder
$ ./bootstrap.sh generic-x86_64
Pythonのバージョン3.12.3ではエラーが出るかもしれません。
その場合はダウングレードしてください。
ダウングレード方法はこちらをご覧ください。
2時間ぐらいかかるでしょうか。
終了したら $HOME に mod-workdir ディレクトリが作成されているはずです。
lv2プラグインのビルド
ビルド方法は mod-plugin-builder 内で次の書式でおこないます。
$ ./build generic-x86_64 プラグイン名
プラグイン名は mod-plugin-builder/plugins/package 以下にあるディレクトリ名です。
現在のところ mod-plugin-builder/plugins/package 以下には184のプラグインのビルドデータがあります。一つずつビルドするのは面倒なので次のコマンドでまとめてビルドします。
$ ls -C1 ./plugins/package | while read line ; do ./build generic-x86_64 $line ; done
またまた時間がかかります。
ビルドされたファイルは mod-workdir/generic-x86_64/plugins/ 以下にできます。少し前にわたしがビルドしたときには528のフォルダができています。
できたフォルダを mod-desktop-0.0.12-linux-x86_64/mod-desktop/plugins ~/Documents/MOD Desktop/lv2/ 以下にコピーすれば、MOD Desktopから使えるようになります。
$ cp -rn ~/mod-workdir/generic/plugins/* ~/Documents/MOD Desktop/lv2/
わたしのMOD Desktop環境では821のプラグインが使えるようになっています。
Python のダウングレード
古いバージョンのPythonのインストール。
$ sudo apt update
$ sudo add-apt-repository ppa:deadsnakes/ppa
$ sudo apt install python3.11
$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.11 1
$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/python3 python3 /usr/bin/python3.12 2
下記のコマンドで古いバージョンの Python を選択します。
$ sudo update-alternatives --config python3
There are 2 choices for the alternative python3 (providing /usr/bin/python).
Selection Path Priority Status
------------------------------------------------------------
* 0 /usr/bin/python3.12 2 auto mode
1 /usr/bin/python3.11 1 manual mode
2 /usr/bin/python3.12 2 manual mode
Press <enter> to keep the current choice[*], or type selection number: 1
update-alternatives: using /usr/bin/python3.11 to provide /usr/bin/python (python3) in manual mode
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