顧客満足度を測るNPSのモニター Part 1:プロモーターとデトラクターの割合の集計とNPSの計算
どうも!ExploratoryのIkuyaです。
今回は、自分たちの作るプロダクトやサービスに対する顧客の満足度(または顧客にどれだけ価値を提供することができているのか)を測る指標として、今やSaaS界では当たり前になりつつあるNPS(ネット・プロモーター・スコア)という指標の計算のやり方やモニター方法を紹介をしたいと思います。
- 顧客満足度を測るNPSのモニター Part 2:NPSの計算を自動化する - Link
NPSに関する詳しい話は以下のブログでも紹介しているので、よろしければそちらの方も御覧ください。
- LinkedInのプロダクト・ディレクターが語るNPSのベストプラクティス決定版 - Link
NPSの計算方法
NPSは「私たちの会社やプロダクトを友人や同僚に推奨する可能性はどのくらいありますか?」といったシンプルな質問の回答から計算されます。
回答は0〜10の間の数値で設定され、9〜10のスコアを付けた顧客を「プロモーター(推奨者)」、7〜8のスコアを付けた顧客を「パッシブ(中立者)」、それ以下を「デトラクター(批判者)」として定義します。
そして**「プロモーター」の割合から「デトラクター」の割合を引くことで、NPSは算出されます。従ってNPSの値は、-100から100の間を取る**わけです。
一般的にNPSのスコアは0から50までの間であれば「まあまあ」、50から70の間であれば「素晴らしい」、70を超えてくると「トップクラス」と言われていたりします。それほど70を超えるのはなかなか難しいスコアとなっています。
それでは、実際にExploratoryを使ってアンケートの回答からNPSのスコアを計算する方法を紹介していきます。
NPSを計算するためのステップ
今回はExploratoryを使ってセミナーのアンケート結果を利用して、以下のステップでNPSを計算していきます。
- データを取得する
- スコアの分布を可視化する
- プロモーターとデトラクターの割合を確認する
- NPSを計算する
1. データを取得する
ExploratoryはExcelやデータベースなど様々なソースからデータの取得が可能ですが、私達もアンケートを取る時によく使う、Googleフォームからも直接データを取得することができます。
- Googleフォームのデータをインポートする方法 - Link
今回はGoogleフォームから取得した 以下のような回答データを使って、NPSを計算していきます。
2. スコアの分布を可視化する
早速「本日のセミナーを他の方にも推薦したいと思いますか?」という質問の回答のスコアがどのように分布しているか見ていきましょう。
チャート・ビューに移動して、タイプに「バー」を選択し、X軸に質問項目の「本日のセミナーを他の方にも推薦したいと思いますか?」を選択します。
NPSの回答は0-10の間の整数になるので、X軸のスケールに「整数値」を選択します。
すると、スコアごとの回答者数の分布が表示されます。例えば今回のケースで言うと、最高得点である10点に回答が集中していることや、一部、6点以下のスコアをつけているデトラクターがいることが分かるわけです。
3. プロモーター(推奨者)とデトラクター(批判者)の割合を確認する
冒頭で紹介したようにNPSはプロモーターの割合を、デトラクターの割合で引いた指標となるので、次はそれらを計算していきます。
まずはプロモーターかどうかを判別する列を作成していきます。「本日のセミナーを他の方にも推薦したいと思いますか?」の列ヘッダーメニューから「計算の作成(Mutate)」をクリックします。
すると「計算を作成(Mutate)」ダイアログが表示されます。プロモーターは9点以上のスコアをつけている人なので、計算エディタに以下のように入力します。
本日のセミナーを他の方にも推薦したいと思いますか? >= 9
続いて列名を「promoter」にして実行します。
すると新たに「promoter」という列が作成され、スコアが9点以上の人は「TRUE」になっていることが分かります。
サマリ・ビューに移動すると、プロモーターの割合が65.91%であることが分かります。
続いてデトラクターかどうかを判別する列を作成していきます。「本日のセミナーを他の方にも推薦したいと思いますか?」の列ヘッダーメニューから「計算の作成(Mutate)」をクリックします。
すると「計算を作成(Mutate)」ダイアログが表示されます。デトラクターは6点以下のスコアをつけている人なので、計算エディタに以下のように入力します。
本日のセミナーを他の方にも推薦したいと思いますか? <= 6
続いて列名を「detractor」にして実行します。
すると新たに「detractor」という列が作成され、スコアが6点以下の人は「TRUE」になっていることが分かります。
サマリ・ビューに移動すると、デトラクターの割合が2.27%であることが分かります。
4. NPSを計算する
サマリビューからプロモーターの割合が65.91%、デトラクターの割合が2.27%でることが分かったので、後は両者の差を取ることで、NPSのスコアを求めることが可能です。
65.91(プロモーターの割合) - 2.27(デトラクターの割合) = 63.64(NPSスコア)
上記の計算から、今回のセミナーのNPSのスコアが63.64であることが分かるわけです。
NPSの計算を自動化する
しかし、いま紹介したやり方では、次の集計タイミングが来るたびに都度プロモーターの割合からデトラクターの割合を引く計算をする必要があります。そこで、次回はNPSのスコアまで自動で計算する方法を紹介します。お楽しみに!
- 顧客満足度を測るNPSのモニター Part 2:NPSの計算を自動化する - Link
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