「脱Excel」
データ分析やDXの文脈で、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
確かに、データ量が増えたり、複数人で利用したりする場合は、BIツールやデータ基盤の導入が有効です。
しかし、だからといってExcelが不要になったわけではありません。
実際、私自身は普段TableauやBigQueryを扱う仕事をしていますが、それでもExcelを使う機会は少なくありません。
今回は、「脱Excel!」と言う前に知っておきたい、データ活用の現場でも役立つExcel機能を10個ご紹介します。
1. テーブル機能(Ctrl + T)
まず最初に紹介したいのがテーブル機能です。
Excelの中でも特に重要な機能だと思っています。
データ範囲を選択して、
Ctrl + T
を押すだけでテーブル化できます。
テーブル化すると、
- フィルターが自動で付く
- 数式が自動でコピーされる
- 行追加時に範囲が自動拡張される
- ピボットテーブルとの相性が良い
など、多くのメリットがあります。
もしまだ使ったことがないなら、今日から使ってみてください。
2. XLOOKUP
VLOOKUPを使っている方は、ぜひ覚えておきたい機能です。
例えば、
- 左方向の検索ができる
- 列番号を数えなくて良い
- 見つからない場合の値を指定できる
など、VLOOKUPの弱点をかなり解消しています。
最近のExcel環境であれば、まずはこちらを使うことをおすすめします。
3. ピボットテーブル
Excelの代表的な集計機能です。
データ分析の入り口として非常に優秀です。
例えば、
- 月別売上
- 商品別売上
- 担当者別実績
などを数クリックで集計できます。
SQLを書かなくても分析の考え方を学べるので、初心者にもおすすめです。
4. 条件付き書式
大量のデータを確認するときに便利です。
例えば、
- 目標未達を赤色表示
- 締切超過を強調
- 異常値をハイライト
などが簡単にできます。
私は進捗管理表や工数管理表でよく利用しています。
5. 入力規則(プルダウン)
地味ですが非常に効果があります。
自由入力を許可すると、
- 東京
- 東京都
- TOKYO
のような表記揺れが発生します。
入力規則でプルダウンを設定しておくことで、入力ミスを大幅に減らせます。
データ活用において、「正しく入力してもらう仕組み」を作ることは非常に重要です。
6. スライサー
ピボットテーブルと組み合わせると便利な機能です。
ボタン感覚でデータを絞り込めるため、
「営業部だけ見たい」
「4月のデータだけ見たい」
といった操作が簡単になります。
Excelでも簡易的なダッシュボードを作ることができます。
7. Power Query
個人的に「脱Excelの入口」だと思っている機能です。
例えば、
- CSVを毎日取り込む
- 複数ファイルを結合する
- 不要列を削除する
- データを整形する
といった処理を自動化できます。
毎月同じ作業を繰り返している方は、一度触ってみる価値があります。
8. 区切り位置(テキスト分割)
CSVやシステム出力データを扱う際に便利です。
例えば、
山田太郎,yamada@example.com,090-xxxx-1234
から、
| 氏名 | メールアドレス | 電話番号 |
|---|---|---|
| 山田太郎 | yamada@example.com | 090-xxxx-1234 |
のようにデータを分割できます。
地味ですが、実務ではかなり利用頻度が高い機能です。
9. フラッシュフィル
Excelが入力パターンを推測して補完してくれる機能です。
例えば、
山田 太郎
鈴木 花子
から姓だけを抽出したい場合、
最初の1件を入力すると残りを自動補完してくれます。
知らないと手作業で頑張ってしまう機能の代表格です。
10. ショートカットキー
最後はショートカットです。
私がよく使うものをいくつか紹介します。
| ショートカット | 内容 |
|---|---|
| Ctrl + T | テーブル化 |
| Ctrl + Shift + L | フィルター設定 |
| Ctrl + カーソルキー | データ末尾へ移動 |
| Ctrl + Shift + カーソルキー | 範囲選択 |
| Ctrl + 1 | セル書式設定 |
覚えるだけで作業速度がかなり変わります。
Excelは敵ではない
データ分析の仕事をしていると、
「Excelはもう古い」
「全部BIツールに置き換えるべき」
という意見を耳にすることがあります。
しかし、現場では今も多くの業務がExcelで回っています。
そして実際のところ、Excelで十分解決できる課題も少なくありません。
もちろん、大量データの分析や全社的なレポーティングには、BIツールやデータ基盤が必要です。
一方で、
- ちょっとした集計
- データ確認
- 試作
- 一時的な分析
であれば、Excelは今でも非常に優秀なツールです。
まとめ
Excelは確かに万能ではありません。
しかし、だからといって捨てるべき存在でもありません。
重要なのは、
「ExcelかBIツールか」
ではなく、
「その課題に最適な道具は何か」
を考えることです。
私自身、TableauやBigQueryを使う仕事をしていますが、今でもExcelには何度も助けられています。
脱Excelを考える前に、まずはExcelの便利な機能を使いこなしてみる。
それも立派なデータ活用の第一歩ではないでしょうか。