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RaspberryPiのCPUクロックや温度をSORACOM Harvestで可視化する

Last updated at Posted at 2017-02-04

概要

本コンテンツは、JAWS DAYS 2017IoTハンズオン向けに作成したものです。
RaspberryPiに3Gドングルを接続し、SORACOM HarvestでRaspberryPiのCPU温度やクロックの変化を可視化します。RaspberryPi以外にセンサー類を必要としませんので、手軽に試すことができます。
SORACOM ユーザーコンソール 2017-01-29 13-11-27b.png

SORACOM Harvestとは

SORACOM Harvest(以下、Harvest) とは、IoT デバイスからのデータ収集および可視化サービスです。SORACOM Air が提供するセルラー通信を使って、IoT デバイスのセンサーデータ等を手間なくクラウドにアップロードすることができます。アップロードされたデータは、SORACOMプラットフォーム上に 40 日間に渡って保存されます。お客様は、保存されたデータを SORACOM のユーザーコンソールでグラフ化することができます。(公式サイトより引用)
Harvest
SORACOM Harvest Getting Started

使い方は簡単、HTTP(またはUDP/TCP)でPOSTするだけ

IoTデバイスからのデータをクラウドにアップロードする場合、通常は暗号化して認証情報をつける必要があります。SORACOM Harvestの場合、SORACOMのエンドポイントにJSON形式のデータをcurlコマンドなどでHTTP POSTするだけと非常にお手軽です。SIM自体が認証キーとなるので認証情報は不要で、暗号化しないためCPUリソースをあまり消費しません。しかもキャリア閉域網内で処理されるため、非常にセキュアです。当然ながら、SORACOM Airで接続していない場合はHarvestを利用することはできません。

必要な機材

  • PC
  • RaspberryPi 2または3
  • micro USB電源
  • micro SDカード (8GB以上)
  • SORACOM Air SIM
  • 3G USBドングル (本手順ではFS01BUまたはAK-020を使用)

前提条件

  • SORACOMアカウントをもっていること。アカウント開設手順はこちら
  • RaspberryPiにRaspbianがインストール済みで、PCからSSHでログインまたはHDMI接続のモニタでターミナル操作ができること。手順はこちら。Raspbianは[Release date:2017-01-11]で動作確認しています

[ToDo 1] RaspberryPiをSORACOM Airでインターネット接続する

RaspberryPiにSORACOM Air SIMの入った3G USBドングルを接続し、インターネットに接続します。手順はSORACOM公式ハンズオン用テキストを参照します。テキスト内の1章と3章のみ使用しますので注意して下さい。
1章 ユーザーコンソールを使用してAir SIMを管理する
3章 Air SIMを使って、インターネットに接続する
connect_air.shを実行してインターネット接続が完了したらその画面はそのままにし、別ウインドウでSSH接続して続きを進めてください。

3章中の$ curl ifconfig.ioでIPv6アドレスが返ってきたら

以下のコマンドを試してみてください。

$ curl globalip.me
54.250.252.xx (IPアドレスが表示されます)

アップデートとvimのインストール

SORACOMによるインターネット接続が確立したら、RaspberryPiのターミナル画面で下記を実行します。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install -y vim

[ToDo 2] SORACOMユーザーコンソールでHarvestの設定をする

グループを作成してHarvest機能をONに設定し、SIMをグループに追加します。SORACOM Harvestは有料サービスです。利用していなくても毎日課金されますので、使わなくなったら機能をOFFにしましょう。

  • SORACOMユーザーコンソールにログインする
  • 右上のMENUボタン -> [SIMグループ]の順にクリックする
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-02-10 21-38-32.png

  • [+追加]をクリックする
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-02-04 21-56-46.png

  • 任意のグループ名を入力し[グループ作成]をクリックする
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-02-04 21-57-30.png

  • 作成したグループをクリックする
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-02-04 21-58-54.png

  • [SORACOM Harvest 設定]を展開し[ON]に変更する
  • [保存]をクリックする
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-02-04 22-00-00.png

  • 注意を読み[OK]をクリックする
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-02-04 22-02-46.png

  • 右上のMENUボタン -> [SIM 管理]の順にクリックする
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-02-10 21-47-03.png

  • 使用中のSIMを選択し、[操作] -> [所属グループ変更]の順にクリックする
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-02-04 22-03-53.png

  • 先ほど作成したグループを選択し[グループ変更]をクリックする
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-02-04 22-06-23.png

  • グループが変更されたことを確認する

[ToDo 3] RaspberryPiのCPU情報を表示させる

RaspberryPiにはじめから入っているvcgencmdというコマンドを使ってCPUの情報を取得します。以下、RaspberryPiにSSH接続して実行して下さい。

CPUクロックを取得

$ vcgencmd measure_clock arm
frequency(45)=600062000

CPU温度を取得

$ vcgencmd measure_temp
temp=41.2'C

CPU電圧を取得

$ vcgencmd measure_volts
volt=1.2000V

[ToDo 4] CPUクロック/温度のデータをSORACOM HarvestにPOSTする

PythonでCPUクロック/温度のデータをSORACOM Harvestに3秒に1回POSTします。CPUクロックは数値が大きいので10M(10,000,000)で割った値を使用します。

$ vim cpu-harvest.py
cpu-harvest.py
#coding: utf-8

import commands
import time
import json
import requests

try:
    while 1:
        # 開始時刻を記録
        start_time = time.time()
        # Raspbianの制御コマンド(vcgencmd)を実行
        # CPU温度を取得
        temp = commands.getoutput("vcgencmd measure_temp").split('=')
        # CPUクロックを取得
        clock = commands.getoutput("vcgencmd measure_clock arm").split('=')
        # 温度とクロックを表示
        print temp[1] ,
        print clock[1]
        # 数値型に変換(温度とクロックのレンジを合わせるために、クロックは10Mで割る)
        temp_n = float(temp[1][0:-2])
        clock_n = int(clock[1]) / 10000000
        # JSONを整形
        json_data = {"clock/10M": clock_n, "temp": temp_n}
        encode_json_data = json.dumps(json_data)
        # SORACOM Harvestに送信
        print requests.post('http://harvest.soracom.io', data=encode_json_data, headers={'Content-Type': 'application/json'})
        # 終了時刻を記録
        stop_time = time.time()
        # (3 - 送信にかかった時間)秒待ってループ
        wait = start_time - stop_time + 3
        if wait > 0:
            time.sleep(wait)
# キーボード例外を検出
except KeyboardInterrupt:
    # 何も処理をしない
    pass

Pythonコードを実行します。停止する場合はctrl + C
<Response [201]>が表示されない場合は、「[ToDo 2] SORACOMユーザーコンソールでHarvestの設定をする」で設定が誤っていないか確認して下さい。

$ python cpu-harvest.py
43.3'C 900000000
<Response [201]>
42.8'C 900000000
<Response [201]>
42.2'C 600000000
<Response [201]>

[ToDo 5] SORACOM Harvestでグラフ表示させる

  • SORACOMユーザーコンソールにログインする
  • 使用中のSIMを選択し、[操作] -> [データを確認]の順にクリックする
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-03-30 01-06-17.png

  • 自動更新を[ON]に変更する
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-03-30 01-09-47.png

  • しばらく待つとグラフが表示される
    SORACOM ユーザーコンソール 2017-02-04 23-55-01.png

[ToDo 6] UnixBenchを実行してCPUクロック/温度を変化させる

UnixBenchというGoogleが配布しているベンチマークツールを実行することで、CPUに負荷をかけてクロックや温度を変化させることができます。[ToDo 4]とは別のウインドウで実行(ターミナルを複数立ち上げる)することで、グラフ表示を続けながらCPUに負荷をかけることができます。

UnixBenchをダウンロードしてコンパイルする

$ wget https://storage.googleapis.com/google-code-archive-downloads/v2/code.google.com/byte-unixbench/UnixBench5.1.3.tgz
$ tar zxvf UnixBench5.1.3.tgz
$ cd UnixBench
$ make

UnixBenchを実行する

-c 4は4コアで実行の意味。

$ ./Run -c 4

   #    #  #    #  #  #    #          #####   ######  #    #   ####   #    #
   #    #  ##   #  #   #  #           #    #  #       ##   #  #    #  #    #
   #    #  # #  #  #    ##            #####   #####   # #  #  #       ######
   #    #  #  # #  #    ##            #    #  #       #  # #  #       #    #
   #    #  #   ##  #   #  #           #    #  #       #   ##  #    #  #    #
    ####   #    #  #  #    #          #####   ######  #    #   ####   #    #

   Version 5.1.3                      Based on the Byte Magazine Unix Benchmark

   Multi-CPU version                  Version 5 revisions by Ian Smith,
                                      Sunnyvale, CA, USA
   January 13, 2011                   johantheghost at yahoo period com

SORACOM Harvestで変化を見る

SORACOM ユーザーコンソール 2017-01-29 13-11-27.png

あとかたづけ

SORACOM Air SIMは使うけどHarvestは使わない

[ToDo 2]を参考に[SORACOM Harvest 設定]をOFFにしてください。

SORACOM Air自体使わない

利用中断

SIMを「利用中断中」状態にすると基本料金の課金が1日5円に減額されます。ただし、「利用中断中」状態への変更1回につきSIM 1枚あたり300円の設定変更料金が発生します。

解約

解約するとそのSIMは一切利用できなくなりますが、料金はかからなくなります。
SORACOM ユーザーコンソール 2017-03-02 23-18-52.png
SORACOM ユーザーコンソール 2017-03-02 23-20-08.png

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