はじめに
初めてリーダーを任されたとき、多くの人は「自分がやらなきゃ!」と感じてしまうと思います。
でも実際のリーダーの仕事は「動くこと」ではなく「動ける状態に整えること」です。
このページでは初めてのリーダーがつまずく構造を整理し、「どうすればチーム全体が動きやすくなるか」を考えていきます。
想定ターゲット
- 2~4人の小規模プロジェクトのリーダーに任された人
- 「人に頼れない」「全部自分で抱えてしまう」傾向のある人
- 成果は出しているが疲弊している人
ゴール
「自分がやる」から「チームで機能する」への構造転換を理解し、
無理なくリーダーとして働けるようになる。
なぜ初めてのリーダーはつまずくのか
リーダーを任される人とは、メンバー時代に成果を上げてきた人、信頼できる人、責任感がある人です。
リーダーというのは当然メンバーよりも仕事が大変です。
ただそのような人は自分に課せられた仕事を全うしようとするため抱え込みがちになってしまいます。
メンバー時代に活躍していた「自分で完結する考え方」は、リーダーになると構造的に破綻します。
リーダーは「自分が動く」から「他者が動ける環境を設計する」立場に変わるからです。
つまずき構造
初めてのリーダーが陥りやすいのは次の3つの構造です。
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責任集中
- メンバーができないところは自分がやらなくては
- →自分しかできないことはほんとうに自分しかできないのか?
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情報伝達不備
- メンバーに伝えたが伝わらない → 自分でやったほうが確実
- →伝えたつもりになっていないか?
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自認評価の歪み
- ↑をこんなにも頑張っているのに評価されない…なぜ?
- →頑張った == 高評価は真か?
構造を変えるための4つの視点
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任せる勇気
- 任せること == 放置ではありません
- 任せること == チーム構造の改善です
- 人を信じるのではなく構造を信じてください
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考え方の共有
- 「どうやるか」ではなく「なぜそうするか」をシェアしましょう
- 指示ではなく判断基準を提供することでメンバーに思考の余白を持たせられます
- メンバー自身も考えることで(あなたに依存しない)より自律的なチームへと近づきます
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目的の一致を重視
- 結果よりも目的の一致を重視しましょう
- 思った成果物が出てこなくても目的が一致していればOKです
- やり方は人それぞれです。各々の強みを生かしてチームの目的に貢献することが大切です
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チームの重心は「正しさ」ではなく「自立」
- 正しさに重心があるチームは、バランスを崩して自走できません
- 多少の誤りを許容してでも自立を重心に据えましょう。先は長いです
おわりに
リーダー業務は「チームが動ける状態をつくる」仕事です。
自分が頑張るのではなく構造を整える。これができれば自然とチームは動き始めます。
チームを整えることは、リーダー自身を軽くすることでもあります。
余白を作るリーダーほど、チームは自然と動けるようになります。