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CiscoサーバのSDカード障害:トラブル対応メモ

Last updated at Posted at 2025-05-21

SDカードとは

SDカード(Secure Digitalカード)

フラッシュメモリを使った小型の記憶媒体で、データの読み書きが可能です。
写真や動画、ドキュメントの保存のほか、ハイパーバイザー(ESXi)やシステム情報を保存するためのOS起動ディスク(Boot Device)としても使われます。

種類 役割 特徴
SDカード 起動用ストレージなど 小さくて安価。書き換え耐性は低め
メモリ(RAM) 一時的な処理 超高速。電源を切ると中身は消える
HDD 大容量データ保存 遅めだが安価。物理的回転ディスク
SSD 高速データ保存 速く信頼性高い。vSANなどに多用

OSはSDカードで読みだされ、メモリ上に展開されて動作します。
仮想マシンの保存先(ストレージ)は、vSAN構成ならSSDやNVMeが使われます。

参考:SDカードだけでの運用が非推奨になりつつある

VMwareは、将来的なvSphereのリリースでSDカードやUSBデバイスをブートデバイスとしてサポートしない方針を示しています。

耐久性の問題:SDカードは書き込み耐性が低く、頻繁な書き込みにより劣化しやすいです。特に、ログや一時ファイルの書き込みが多い環境では寿命が短くなります。
パフォーマンスの制限:SDカードの読み書き速度はHDDやSSDに比べて遅く、サーバーのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
信頼性の欠如:SDカードはエンタープライズ向けの使用を想定しておらず、障害発生時の診断や監視が難しいです。

"flexflash"と"bootbank"エラー

FlexFlash
SDカードコントローラーのCisco用名称で、SDカード自体とその管理を行うコンポーネントです。
flexflash エラー → SDカードそのものかコントローラに障害

bootbank
ESXiのシステム構成ファイルが格納されたパーティション名。通常、SDカード上にbootbankが存在します。ESXiの基本ファイルを格納し、起動時に使用します。
bootbank エラー → ESXiの起動領域にアクセス失敗している

→ bootbank障害は、再起動で解消されます。
SDカードの接触不良や一時的なマウント失敗が原因で、再起動によってSDカードが正しく再認識され、正常にマウントされます。

参考:

状況別まとめ

CIMCでSDカードSlot1・2が壊れている表示があるが、WebClient上は正常に見える

CIMCの障害検知は物理的な接触や状態で判断する一方、
WebClientでは論理的にOSがSDカードを読めていれば正常稼働しているように見えます。

  • CIMCのセンサー誤検知や一時的な通信不具合によるもので、SDカード自体やOSの動作には影響がない

もしくは

  • SDカードはブート時に必要な情報を保持しているため、現在の動作に問題がなくても、次回再起動時にbootbankの読み込みに失敗し、ESXiが起動できなくなる

ことが考えられます。

SDカード交換でメンテナンスモードが自動的に解除された

ESXiが保持していた構成情報(メンテ状態を含む)がSDカードとともに失われ、vCenterとの整合性が崩れたことが原因と考えられます。

ESXiの状態情報は基本的にメモリや内部構成ファイルにありますが、SDカードにも一部が保存されているため、交換時に反映されないことがあります。

対応:SDカード交換時にはDRSをオフにしておく

同期モードAutoでSlot1を交換したらOSが起動しなくなった

通常、プライマリ→セカンダリへコピーが行われます。

  • 同期モードAutoなら、Slot1(プライマリ)を交換しても、CIMCは「先に認識したほう」をプライマリと判断し、Slot2 → Slot1の自動同期が正常に動作します

しかし、

  • 新しい空のSDカードがプライマリと誤認識され、空のデータが正常なカードに上書きされることもあります

対応:SDカード交換時には同期モードをmanualにしておく

xxx.用語

プライマリとセカンダリ(Primary / Secondary)

2枚で冗長化。プライマリがメイン、セカンダリがバックアップ。

自動同期

プライマリに書き込まれたデータをセカンダリに同期し、障害時のリカバリに備える。

CIMCがどちらのSDカードをプライマリとして認識するかを決定する。認識の順序や物理的接続状態によってプライマリが入れ替わることもある。

ハイパーバイザー(Hypervisor)

複数の仮想マシン(VM)を1台の物理サーバ上で動かすためのソフトウェア。
物理サーバのリソース(CPU、メモリ、ストレージ)を仮想マシンに割り当て管理する。

ESXi本体であり、SDカードの同期処理そのものは制御しない。同期状態に依存して起動するため、SDカードの整合性は重要。

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