はじめに
前回は研修で利用しているフレームワークを紹介しました。今回からは、実例を交えて作成した研修を紹介していきます。今回はODSC※(Objectives, Deliverables, Success Criteria)を取り上げます。一部、説明のしやすさを考慮して改変している部分がありますので、その点はご了承ください。
※ODSCは、「目指す状態(Objectives)」「成果物(Deliverables)」「Objectivesの達成を判断する基準(Success Criteria)」の頭文字を取ったフレームワークです。
前提
研修を企画する前提を整理しておきます。
- 研修は社内向けのもの
- 研修は1日研修(5時間30分)
- 参加者はスクラム未経験者を含む
- スクラムマスターとして活動できるようにする
- プロダクトオーナーとして活動できるようにする
- オフライン開催
時間的な制約が強い中で、いかに学習効果を高めるかが、研修を企画するうえで大きな課題となりました。
ODSC
まずは、ODSCを設定します。今回作成したODSCは以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
O(Objectives) | - スクラムマスターとしてスクラムについて説明できる - プロダクトオーナーが担う活動について説明できる |
D(Deliverables) | - ワークショップで作成した説明資料 - 資料を使って説明できる説明者 |
SC(Success Criteria) | - スクラムマスターとして資料を使って説明できる - 各イベントでのプロダクトオーナーの振る舞いを説明できる - FunDoneLearnボードが学びで埋まる |
非常にタイトな時間枠なので、焦点を絞る必要がありました。スクラムマスターやプロダクトオーナーとして最低限始められる状態を意識してObjectivesを設定しています。「実践できること」ではなく、どちらも説明できることと表現を弱めたのはそのためです。ロールプレイングゲームでの「初期装備」を持ってもらうイメージで定義しました。
Deliverablesは、研修を通じて作成される成果物と、その成果物を説明できる「説明者」としました。
Success Criteriaは、研修時間内に確認できるものを中心に定義しました。スクラムマスターやプロダクトオーナーが「初期装備」で活動する場面を想定した基準です。これを定義したことで、一部の人だけに学習機会が偏らず、受講者全員が説明資料を使って説明できるようにする工夫が必要だとわかりました。
さらに、「Objectivesは本当に達成できるのか?」という観点でも見直しました。その場で説明できても、実践の場で忘れてしまっては意味がありません。そこで、学びをひとつでも多く持ち帰ってもらい、記憶の定着を図るため、
FunDoneLearn形式のボードを準備しました。受講者がいつでも付箋に学びを書き込み、共有できるようにしています。
ODSCを考えることで、思考を言語化でき、具体的な活動が見えるのも面白いポイントです。
【参考】実際のボード(内容が分からない程度に加工しています)
まとめ
Objectivesを検討することで、研修の目標を明確に設定できます。Success Criteriaを決めることでどのような検査が必要かが見え、Deliverablesを通じて具体的な活動のイメージを膨らませることができます。研修の透明性を確保するうえでも非常に有効なツールだと感じています。
さて、みなさんの現場では、研修の目標設定をどのようにしていますか? コメントで教えていただけると嬉しいです!
次回は、検討漏れを防ぐPREPと、参加者の「自ら学ぶ力」を引き出す4Csを使った実例を紹介します。
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