LoginSignup
1
1

More than 3 years have passed since last update.

祝★AWS Fault Injection Simulator

Posted at

昨年のre:Inventで発表された中で個人的に注目していたサービス、「AWS Fault Injection Simulator(以降、FISと記載)」がリリースされました。

What is "AWS Fault Injection Simulator"

一言で言えば、マネージドなカオスエンジニアリングサービスです。

EC2を落としたり、RDSをフェイルオーバーさせたり、OSにコマンドを送って負荷をかけたりといったことが実現可能です。

Get Started(ハンズオン的チュートリアル)(*1)も用意されているので、設定方法は割愛します。
ここでは、あくまで個人的に感じるFISの導入メリットを記載したいと思います。

デメリット(?)

その前に、先立ってデメリット。
「追加コストがかかる」
この一点だけだと思います。FISはアクション時間に対しコストがかかります(*2)。
$0.10 per action-minute
ざっと見る限り、ほとんどのアクションはAPIやスクリプトで実現できそうなので、自前でもよく似たことは実現できそう。

メリット

ここからが本題。
以下のような利点が挙げられます。

再実行が容易

テストシナリオはテンプレートとして保存可能です。
テンプレートを指定して、簡単に再実行可能です。
億劫になりがちな障害テストを簡単に実行できることが、品質の向上につながります。

テスト対象のコントロール

リソースIDやタグなどで、簡単にテスト対象を定義することが可能です。

セキュア

障害訓練を実行するために必要となるIAMポリシーは、強い権限になりがちです。
FISではAssume Roleの機構を使った権限の譲渡を、ユーザー側で作る必要なく実現できます。

実行履歴の管理

過去のテスト実施記録をコンソールなどで簡単に閲覧できます。
これは、ガバナンス構築の面で非常に強力なツールになります。

(必要に応じて)後片付け

テスト後の環境ロールバック処理なども設定しておくことが可能です。

まとめ

メリットを眺めて、そんなの昔から自前実装でやっているよ!って方もおられるかも知れません。
確かに、冒頭でも書いたとおり、自前でほぼ同じことは実現可能です。
または、すでにカオスエンジニアリングサービスを使って実現している方も一定数おられると思います。(実は自分自身も)
ただ、事前の知識がなくとも、これらのテストが行えるようになったことは、カオスエンジニアリングがさらに普及する上で、非常にいいサービスではなかろうかと思っています。
デメリットとして書いた料金の十分元を取れるサービスではないかと思っています。

Well-Architected Frameworkでも推奨されるカオスエンジニアリング、是非お試しいただければと思います!

参照

(*1) https://docs.aws.amazon.com/fis/latest/userguide/getting-started.html
(*2) https://aws.amazon.com/jp/fis/pricing/

1
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
1