はじめに
今回は、上記のイベントをもとにエンジニアの情報発信について、考えていきたいと思います。
実際にこちらのイベントに参加させていただいたのですが、この度、TECH PLAYにてこちらのイベントが公開されましたので、ご覧でない方はぜひ!
対象
・技術発信について悩んでいる方々
イベント参加の経緯
私は、現在大学2年生で、プログラミングの勉強をしはじめたばかりです。まだまだ、技術発信ができるようなレベルではないのですが、この考え方のままだと永遠に発信することは無くなってしまうだろうし、単純に他のエンジニアの方の意見を聞いてみたいという思いがありました。また、技術発信をするべきか、その時間を勉強に費やした方がいいのか、どうするべきなんだ?という疑問もあり、イベントに参加しました。
イベント内容
登壇者
【1人目】
ピクシブ株式会社 うさみけんた氏
@tadsan
【2人目】
LINE株式会社 uhyo氏
@uhyo
【3人目】
株式会社ゆめみ 無職やめ太郎(本名)氏
@Yametaro
技術発信の信頼性を高める10のポイント
【ピクシブ株式会社 うさみけんた氏 @tadsan 】
Point1 / 誤情報を見つけたとき
自分が読者として誤情報を見つけたときには..
単純な誤記・タイプミス・リンクミスなどの場合
・Qiitaなら編集リクエストを送るとよい
著者が事実誤認している場合
・コメント欄やSNSなどで指摘するとよいかもしれない
時間的経過によって事情が変わってしまったもの
・自分で新しく記事を書くなど
Point2 / 単純な誤記・タイプミス・リンクミスなど
間違った情報を発信しないようにするために...
・記事の公開前に自分で気をつける
・公開前に誰かにチェックしてもらう
・AI校正ツールを使用する
Point3 / 普遍的な正しさを語るのではなく、局所的にする
「このコードは私の環境のPHP 8.1.9では...」
→人間は全知全能の神ではないため、全てを完璧に理解することは不可能
Point4 / 信用できる情報源を使用する
・公式マニュアル/標準仕様など
・GitHubなどでコードが読めれば、直接参照する
→曖昧な理解のブログをソースにすることは誤解の増幅を招く
Point5 / 固有名詞や言葉の使い方に気をつける
・PHP, Ruby, JavaScriptなど大文字・小文字の使い方
・専門用語の使い方
・言葉づかい
Point6 / コードが動くことを保証する
・オンラインのサンドボックスを使う
Wandbox
Online PHP editor | Test code in 250+ PHP versions
→URLで共有できるため、第三者が見られ動作確認のソースにする
Point7 / 初心者におすすめの発信のコツ
以下のような内容が書きやすい
・インストールや作業のログ
・勉強会イベント/カンファレンスに参加した感想
・自分なりのこだわりについて
書きたいと思ったことはすでに誰かが書いている
個人的な意見を付け足すことでオリジナルな記事が書ける
技術記事を好き勝手に書くために
【LINE株式会社 uhyo氏 @uhyo】
技術記事を書くと何がいいの?
①記事を書くと勉強になる
②記事を通して価値を提供できる
③フィードバックをもらえる
④価値を提供すれば知名度・信頼が得られる
技術記事の正しさ
公式ドキュメントと同じ情報の記事の価値は±0
正の価値を与えるには付加価値が必要
→英語のものを翻訳する、見解を示す、公式ドキュメントよりもわかりやすく書く など
間違った内容は負の価値を与えるため、批判がきてしまうのは仕方ない
間違った内容の記事を訂正することも良い記事を書くのと同じくらい重要
初心者向けの記事執筆戦略
初心者のうちは価値を与えることは諦めて、記事を書くことで自分にとって勉強になるようにする
最初は±0を狙って、成長したら価値の創出を試みる
初心者向けの防御呪文
「以下の内容には誤りが含まれる可能性があります」
→記事の冒頭で使用する
→自分が初心者であることを明かし、読む人に注意を促す
「と思います」
→その部分が事実ではなく、推測や意見であることを示す
記事執筆時に気をつけていること
正しさに気をつける
→情報の正しさだけでなく、論理的推論の正しさも重要
記事の前提を書く
→論理展開が正しくても、前提が異なる人は納得しない
初心者が技術記事書きのステップアップシナリオ
- 練習期
- 信頼向上期
- 思想発信期
1.練習期
正の価値を提供しようとせずに、記事執筆の練習と自信の技術向上に努める
防御呪文を駆使して身を守りながら記事を書く
2.信頼向上期
得意分野を見つけて防御呪文を使わずに正しさを担保できるようになる
記事に新規性を導入して正の価値を提供する
※新規性:
・わかりやすさの追求
・今すぐは使えないが将来役立つ最新情報の提供
・マニアックな情報を提供
・まだ日本語になっていない情報を翻訳
上級者は知識をすでに持っているので、知識だけを提供しても響かない
上級者を感心させるには、知見・考察・思想など、単なる事実を超える内容が必要
3. 思想発信期
自分の思想を持ち、広める
前提を定め、これまでの経験を活かして正しい論理展開で結論を導く
自分の思想を発信してそれが認められるようになると、かなり好き勝手感が増す
鋭い考察で上級者を唸らせ、会話への影響力向上を目指すといいかもしれない
ワイ「技術記事って、別に書かなくても良くね?」
【株式会社ゆめみ 無職やめ太郎(本名)氏 @Yametaro 】
技術記事は別に書かなくても良い
しかし、書いたら書いたで、メリットもある
就職や転職の際の小一時間の面接で自分の魅力を伝えることはかなり困難!
日頃から、記事を書いておくことで異文のことが伝わりやすくなる
技術記事は自分にとっての最高のポートフォリオになる
継続して技術記事を書くコツ
自分にとって書きやすい書き方を見つける
無職やめ太郎(本名)氏の場合:ワイ記法
ワイ記法とは
プログラミングについて勉強したときの話を独り言形式で書くやり方
ワイ「〇〇って技術の勉強をしてみよか」
ワイ「ほな、とりあえず公式ドキュメントを読んでみよか」
ワイ「読んでみたけど、うーん、まだよく分からんなぁ」
ワイ「ほな、この技術を使って、実際にコードを書いてみよか」
ワイ「お、なんとなく分かってきたで!」
ワイ「なるほど、この〇〇っていう技術は、こんな場面で役立つんやな!」
メリット:いわゆる技術記事を書かなくて良い
・できるだけ、自分にとって書きやすいやり方を見つける
・つらくなりにくくする
・無理して書かない
自分なりの「継続しやすいやり方」を探してみる
面接官さんから見えにくい-
履歴書だけじゃ伝わらない-
「自分のいいところ」を見える化するのに技術記事はピッタリ!
いろんな人の「継続して技術発信するコツ」
LT駆動発信
LT会を探して「登壇します!」と予約してしまう
日々、学んだことをTwitterにちょいちょい書く
溜まったら記事としてまとめる
最後に
いかがでしたでしょうか?登壇された皆さん、発表がわかりやすく、自分から見て強強なエンジニアさんたちの思考の一部が覗けたような気がしてとて楽しかったです!
やはり重要なのは付加価値ですね。単純にまとめるだけでなく、自分の意見を付随させるなどといったことは初心者でも、やりやすいかもしれませんね!初心者のうちは、変に縛られることなく、間違ったことを発信しないようにしながら、肩の力を抜いて気楽に、継続的に向き合っていきたいと思います!それでは!