Workbench × ChatGPTでSalesforceの入力規則(Validation Rule)を一括抽出・CSV化する手順
Salesforceの入力規則(Validation Rule)をGUIから1件ずつ確認・転記するのは非常に非効率です。
本記事では Salesforce Workbench + ChatGPT を活用し、以下のように効率よくValidation Ruleを抽出・整形する方法をご紹介します。
出力の手順
ステップ | 内容 |
---|---|
① | Workbenchで .object XMLファイルを取得 |
② |
.xml にリネームしてChatGPTにアップロード |
③ | ChatGPTでXML構文とタグ構造を確認 |
④ |
<validationRules> を抽出して一覧化 |
⑤ | ChatGPTでCSV出力してダウンロード |
① Workbenchで .object
を取得する
1. Workbench にログイン
- 環境(Production / Sandbox)を選択
- OAuthでログイン
2. メニューから以下を選択
migration > Retrieve
3. 任意のオブジェクト(例:Opportunity
)のValidation Ruleを含むメタデータを取得
以下のような package.xml
を作成してアップロードします:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<Package xmlns="http://soap.sforce.com/2006/04/metadata">
<types>
<members>Opportunity</members>
<name>CustomObject</name>
</types>
<version>62.0</version>
</Package>
Retrieveを実行すると、ZIPファイルがダウンロードされます。
② .object
ファイルを .xml
にリネーム
ZIPを展開すると、以下のようなファイルが生成されます:
unpackaged/objects/Opportunity.object
これをChatGPTに読み込ませやすいよう、拡張子を .xml
に変更します:
mv Opportunity.object Opportunity.xml
🤖 ③ ChatGPTでXML構文とタグ構造を確認する
ChatGPTにこう指示します:
このXMLの構文とルート構造を解析してください
ChatGPTは次のように教えてくれます:
- ルートタグ:
<CustomObject>
- 主な子要素:
-
<fields>
:カスタム項目定義 -
<validationRules>
:バリデーションルール定義 -
<actionOverrides>
:UI関連アクション制御 -
<enableHistory>
:履歴トラッキングなどの設定
-
④ <validationRules>
を抽出する
次にChatGPTにこう依頼します:
validationRules タグを抽出して、ルール名・説明文・条件式・エラーメッセージを表にまとめてください
ChatGPTが以下のような表を生成してくれます:
ルール名 | 説明文 | 条件式 | エラーメッセージ |
---|---|---|---|
RequiredProject | プロジェクト必須 | ISBLANK(Project__c) | プロジェクトを入力してください |
こうすることでオブジェクトに設定された入力規則のルール名・Description・条件式・エラーメッセージ等を取得することができます。
⑤ ChatGPTにCSV出力を依頼
続けてこう依頼します:
この表をCSVにしてファイルで出力してください
すると、ChatGPTが .csv
ファイルを生成し、ダウンロードリンク付きで出力してくれます(例:Salesforce_ValidationRules_Export.csv
)。
💡 補足:複数オブジェクトの一括抽出も可能
複数の .object
ファイル(例:Opportunity.object
, Project__c.object
など)を .xml
にリネームし、まとめてChatGPTにアップロードすれば、すべてのValidation Ruleを一括で抽出・整理できます。
📝 まとめ
GUIで1件ずつ確認していたValidation Ruleも、Workbench × ChatGPT によって
- メタデータ取得
- XML解析
- CSV化による定義書生成
をノーコードで完結できます。
レビュー用ドキュメントの自動生成、テスト設計、入力制御ロジックの棚卸しにぜひ活用してみてください。