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理科系の作文技術をAIに学習させて「自分ゴーストライター」を作った話〜化学工学出身エンジニアの試行プロセス〜

Last updated at Posted at 2026-01-17

はじめに

技術系の文章を書くとき、こんな経験はないだろうか。

  • 論文・報告書・技術記事で文体が毎回ブレる
  • AIに文章生成を任せると「それっぽいが自分の文章ではない」

私は大学院で化学工学を専攻し、現在はプラントエンジニアリング業界で働いている。

研究・実務の両方で文章を書く機会が多く、以前から 『理科系の作文技術』 を文章の指針としてきた。

image.png

今回、

この本の考え方をAIに学習させ、「自分の代わりに考えて書くゴーストライター」を作れないか

と考え、試行錯誤してみた。

この記事では、

  • どんな思想をAIに与えたか
  • どうやって「自分っぽさ」を作ったか
  • 最終的にどんなゴーストライターができたか

を、理系全般向けに共有する。

ちなみに本記事もゴーストライターにより作成した。

image.png
図 Image of Scientific Writing Principles × AI Ghostwrite


なぜ「ゴーストライター」を作りたかったのか

AIで文章生成は簡単になったが、実務で使おうとすると次の壁にぶつかる。

  • 文章が軽い
  • 自分らしくない
  • 技術的な判断が入らない

特に理系・技術系の文章では、

「それっぽく書ける」

では不十分で、

「なぜそう判断したかまで書ける」

必要がある。

そこで目標を次のように定めた。

理科系の文章作法を理解し、
自分の思考順・判断基準で文章を書けるAIを作る


ベースにしたのは『理科系の作文技術』

文章ルールの土台として使ったのは

木下是雄『理科系の作文技術』。

特に重視したのは以下の章。

  • 第5章:文の構造と文章の流れ
  • 第6章:はっきり言い切る姿勢
  • 第7章:事実と意見
  • 第8章:わかりやすく簡潔な表現

これらは単なる表現テクニックではなく、

  • 理科系の思考の書き方
  • 責任ある文章の態度

を言語化したものだと感じている。


ステップ1:章ごとに「AI向けルール」に翻訳する

本をそのまま読ませても、AIはうまく使えない。

そこで各章を、

  • 人間向けの説明

    AIが守るべき判断ルール

に変換した。

例:第7章(事実と意見)

人間向けの教え:

  • 事実と意見は混ぜるな

AI向けルール:

  • 数値・観測・操作 → 事実
  • 推測・因果・評価 → 考察
  • 方針・結論 → 判断
  • 同一文に混在させない

このように

「判断可能なルール」まで落とす

のが重要だった。


ステップ2:自分の過去文章を教材にする

次にやったのが、

自分の修士論文(抄録)を分析材料として使うこと。

ここで分かった自分の文体の特徴は:

  • 背景 → 課題 → 方法 → 結果 → 考察 → 意義

    という化学工学的な思考順

  • 評価語は必ずデータの後ろに置く

  • 受動態は多いが、責任回避ではない

  • 実務・スケールアップ視点を必ず含める

これをそのまま

「この人格になりきって書け」

というAIへの指示に組み込んだ。


完成した「自分ゴーストライター」の特徴

最終的にできたゴーストライターは、次のような性格を持つ。

  • 理工系出身者が読んでも浅くない
  • 判断には必ず根拠を要求する
  • 「で、何が言いたいのか」を必ず書く
  • 実務・スケールアップ視点を落とさない

結果として、

  • 社内資料
  • 技術ブログ
  • 技術解説記事

を、ほぼ同じ思考品質で生成できるようになった。


この方法が向いている人・向いていない人

向いている人

  • 理系・技術系で文章を書く人
  • 自分なりの文章基準を持っている人
  • AIに「判断」まで任せたい人

おわりに

AIで文章を書く時代になったが、

何を書くか・どう判断するかは依然として人間側の仕事だと思っている。

今回やったのは、

自分の文章判断基準を

AIに明示的に渡した

だけとも言える。

もし、

  • 「文章がブレる」
  • 「AIが自分っぽくならない」

と感じている理系の方がいれば、

一度、自分の文章ルールを言語化してみることを勧めたい。

AIに自分の作成した例文を学習させることで誰でも実現できると考える。

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