この記事でわかること
- TurbonomicのクラウドVMサスペンド機能の概要
- サスペンドアクションの条件と観察期間の設定方法
- サスペンドのコスト削減効果と注意点
- 停止かサイズ変更か、優先アクションタイプの選び方
1. クラウドVMサスペンド機能とは
クラウドVMサスペンド機能は、2025年7月v8.16.6でリリースされた新機能になります。
Turbonomicは、あまり使われていないクラウドVM(仮想マシン)を自動で検出し、 「一時停止(サスペンド)」を提案・実行することで、無駄なコンピューティング費用を削減します。
特に、開発・検証環境などでのインスタンスの停止忘れ、削除漏れといった、使ってもいないのに放置されて無駄なコストだけが掛かってるといったケースで効果を発揮します。
2. 判定に使うリソース
以下3つのリソース使用率を一定期間分析します。
- 仮想CPU
- ネットワークスループット(通信量)
- GPU使用率 (GPU インスタンスタイプを実行している AWS および Azure VM の場合)
3. アクション生成の条件と観察期間の設定
アクション生成の条件
3つのリソース(vCPU、ネットワークスループット、GPT使用率)で、極端に使用率が低い場合(設定された最大観測期間にわたってパーセンタイル使用率2%未満の場合)、 サスペンドアクションが生成されます。
観察期間の調整
設定項目 | 内容 | デフォルト・推奨値 |
---|---|---|
最大観察期間 | 過去のデータをどこまで見るか | 30日(デフォルト) 他に7日・90日 |
最小観察期間 | アクション出す前に最低限必要な期間 | なし(デフォルト) 他に7日 |
⚠️ 最小観察期間を7日に設定すると、起動間もないVMはアクション対象外になります。(最低7日間のデータを集めて、はじめてアクションが生成されます。)
4. サスペンドのコスト削減効果
使われていないVMを一時停止すると、仮想マシンとしての課金は止まりますが、ストレージの課金は継続されます。
項目 | 状態 | コストへの影響 |
---|---|---|
コンピューティング料金(CPU、メモリ等) | 停止中 | 課金なし(0円) |
ストレージ料金(ディスク等) | 継続利用 | 課金は継続 |
例:
1時間¥100のVMを停止すると、
100 × 730時間 = 約¥73,000/月
の削減になります。
- ストレージは停止されないため、不要なボリュームは手動で削除を検討してください。
- Turbonomicは時間単位の料金を元に月単位の削減額を自動計算・表示します。
5. 停止かサイズ変更か?優先アクションタイプの選び方
Turbonomicは「停止(サスペンド)」か「サイズ変更(スケール)」のどちらを優先するか設定可能です。
VMの状態 | 優先アクションタイプ | 実行されるアクション |
---|---|---|
コスト最安でないVM・使用率低 | スケール(サイズ変更優先) | スケールダウン(小さいVMに変更) |
サスペンド(停止優先) | サスペンド(一時停止) | |
既に最安VM・使用率低 | スケール | サスペンド(サイズ変更不可のため停止) |
サスペンド | サスペンド |
選び方の目安
- サイズ変更がOKなら「スケール」優先
- 停止して再起動OKなら「サスペンド」優先
⚠️ 最安VMはサイズ変更できないため、どちらにしても停止(サスペンド)が提案されます。
まとめ
- Turbonomicのサスペンド機能は使われていないVMを停止し、コンピューティングコストを削減 します。
- 観察期間は最大・最小で調整可能、30日がデフォルトです。
- ストレージ料金は停止しても継続課金されるため、不要なボリューム削除をご検討ください。
- コスト削減方法は「停止」か「サイズ変更」を優先設定できます。
- 最安VMはサイズ変更できないため、停止の提案になります。
- 適切に設定することで、クラウド運用コストを効率的に抑えられます。