Ubuntu が容量不足で起動できなくなったときの対処メモ
TL;DR
- Live USB を作成して PC に挿し、F12 で USB から起動します。
- Try Ubuntu(インストールせず起動)を選んでターミナルを開きます。
-
fdisk -l
/lsblk
で容量を圧迫しているパーティションを特定します。 -
sudo mount
でパーティションをマウントし、不要ファイルをrm -rf
で削除します。 - 再起動して黒画面になる場合は Live USB から GRUB を再インストールします。
発生経緯
学習したモデルの重みを約 150 GB 保存していたところ、システム領域が圧迫され SSH も通常ブートも不可能 になりました。(n回目)
Ubuntu をインストールする USB を作成
Ubuntu Live セッションやインストールに使う USB メモリの準備手順です。
手順 | 概要 |
---|---|
1 | 空の USB メモリ(8 GB 以上推奨)を用意します。 |
2 | PC に Ubuntu の ISO ファイルをダウンロードします。 例:Ubuntu Desktop 22.04.3 LTS → https://jp.ubuntu.com/download |
3 |
Universal-USB-Installer をダウンロードします。 https://pendrivelinux.com/universal-usb-installer-easy-as-1-2-3/ |
4 | USB メモリを PC に接続し、ファイルシステムを確認します。NTFS だと起動に失敗することがあるため、FAT32 などにフォーマットしておきます。 Windows の場合は「エクスプローラー → USB ドライブを右クリック → フォーマット」から確認・変更できます。 参考:https://av.jpn.support.panasonic.com/support/home_p/download/format_10.html |
5 | Universal-USB-Installer を起動し、 ① Distribution に「Ubuntu」を選択 → ② ダウンロードした ISO を指定 → ③ 作成先の USB ドライブを選択 → ④ 「Create」をクリックします。 |
6 | 完了後、安全に取り外して Live USB の完成です。 起動テストを兼ねて、該当 PC で F12 などから USB ブートできるか確認しておくと安心です。 |
参考:RTC ふくしま「Ubuntu のインストールメディア作成方法」
https://rtc-fukushima.jp/technical/6671/
まず試すこと(GRUB が出る場合)
- PC の電源を一度 OFF にします
- 電源を ON にします
- BIOS ロゴ直後に Esc か Shift を連打して GRUB メニュー を出します
-
Advanced options for Ubuntu
→ (recovery mode) を選択します - Root シェルで容量を食っているファイルを削除します
GRUB が出ない場合(USB Live 環境を使う
🔎 状況整理
- 起動時に
/dev/nvme… clean
表示のまま止まる - GRUB メニュー(起動オプション)が出てこない
- Recovery モードにも入れない
- BIOS 設定 (F2) と Boot メニュー (F12) には入れる
🎯 想定される原因
可能性 | 説明 |
---|---|
GRUB ブートローダーの破損 | 起動ローダー自体が壊れ、OS へ制御が渡らない |
OS ファイルシステムの破損 | ルートパーティションが壊れてブート不可 |
USB Live 環境での復旧手順
- PC の電源を OFF にして Ubuntu Live USB を挿します
- 電源 ON → F12 連打でブートメニューを開き USB を選択します
-
Universal USB Installer (UUI) のメニューが出たら
Boot in grub2 mode
→Boot without persistence
を選びます
👇GRUBメニューがでればOK
4. 「Try or Install Ubuntu」画面で Try Ubuntu を選択し Live セッションを起動します
- デスクトップのターミナルを開き、不要ファイルを削除します
容量を圧迫しているパーティションを探す → マウントして削除
1. ディスク構成を確認
sudo fdisk -l # もしくは lsblk
今回の例では/dev/nvme1n1p2
(953 GiB, Linux filesystem)が Ubuntu でした。
2. マウントして削除
# マウントポイントを作成
sudo mkdir /mnt/nvme1n1p2
# パーティションをマウント
sudo mount /dev/nvme1n1p2 /mnt/nvme1n1p2
# 不要ディレクトリを削除(例:Downloads)
sudo rm -rf /mnt/nvme1n1p2/home/<ユーザー名>/Downloads
rm -rf
は 取り消し不能です。必ずバックアップを取るか、不要と確認してから実行してください。
削除前後で空き容量を確認する場合は:
df -h /mnt/nvme1n1p2
# アンマウントして再起動
sudo umount /mnt/nvme1n1p2
sudo reboot # 再起動が始まったら USB を抜きます
再起動しても黒画面になる場合
-
ブートメニューに
Ubuntu
/nvme
が表示されない -
GRUB が破損している/EFI エントリが消えている可能性が高い
Live USB から GRUB を修復
ターミナルを開くまでの**手順はGRUB が出ない場合(USB Live 環境を使う)**と同じです。
# 1. パーティション確認
sudo parted -l
# 例:EFI = /dev/nvme1n1p1, Ubuntu = /dev/nvme1n1p2
sudo mount /dev/nvme1n1p2 /mnt
sudo mkdir -p /mnt/boot/efi
sudo mount /dev/nvme1n1p1 /mnt/boot/efi
# 2. システムディレクトリを bind マウント
sudo mount --rbind /dev /mnt/dev
sudo mount --rbind /proc /mnt/proc
sudo mount --rbind /sys /mnt/sys
sudo mount --rbind /run /mnt/run
# 3. chroot して GRUB を再インストール
sudo chroot /mnt
grub-install --target=x86_64-efi --efi-directory=/boot/efi --bootloader-id=ubuntu
update-grub
exit
# 4. アンマウントして再起動
sudo umount -R /mnt
sudo reboot # USB を抜く
sudo
で unable to allocate pty
が出たら
/dev/pts
がマウントされていないため 擬似端末 (pty
) を確保できないのが原因です。
--rbind
で /dev
を再帰的にバインドしているか確認してください。
まとめ
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容量不足で Ubuntu が起動しないときは Live USB でデータを削除 → GRUB を修復 の順で対応します
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rm -rf
を使う前に **バックアップ と パーティション名の再確認 **を忘れないようにしましょう