Linuxを物理環境で使用するために,Windows11が入ったPCにデュアルブートでDebian12をインストールした時の手順を備忘録として記事に残します.
はじめに
実行環境,必要な前提条件等です.
必ずご確認ください.
検証日
2023/10/26 (木)
実行環境
項目 | バージョン等 |
---|---|
OS | Windows 11 Home 22H2 |
Linux | Debian 12.2.0 |
CPU | Intel Core i7-10700K |
Rufus | 4.3.2090 |
前提条件
- Windows11の入ったPC
- USBメモリ
本記事では,ディスクのパーティションを行わず,1つのSSD全体をLinux用に使用しています.
ディスクのパーティションを行う場合は,事前にパーティション分割の設定を済ませてください.
インストールメディアの作成
まずはDebian12をインストールするためのインストールメディアをUSBメモリで作成します.
ISOイメージのダウンロード
まずは,Debianの公式HPにアクセスします.
TOPページ右側の「Download」ボタンからISOイメージをダウンロードします.
エクスプローラーを確認すると,debian-12.2.0-amd64-netinst.iso
ファイルがダウンロードされました.
Rufusのダウンロード
Rufusは,ISOイメージからインストールメディアを作成するためのソフトウェアです.
Rufusの公式HPから,exeファイルをダウンロードします.
それぞれの環境に適したファイルをダウンロードしてください.
今回は,rufus-4.3.exe
を選択しました.
ダウンロードしたexeファイルを開き,Rufusを起動します.
「このアプリがデバイスに変更することを許可しますか?」と聞かれた場合は,「はい」を選択します.
ISOファイルからインストールメディアの作成
USBメモリに既に入っているデータは削除されるので注意
インストールメディアを作成するための設定を行います.
以下の2点を変更します.
2点以外はデフォルト設定で問題ありません.
- デバイス
- インストールメディアを作成するUSBメモリを選択します.
- ブートの種類
- 右側の「選択」ボタンから,ダウンロードしたISOイメージを選択します.
「スタート」をクリックし,ISOイメージを作成します.
書き込む際のモードは,デフォルトのままで問題ありません.
データの削除に関する忠告が現れます.
USBメモリに,必要なデータが残っていないことを確認し,「OK」をクリックしてください.
インストールメディアの作成が始まります.
状態が「準備完了」になれば作成完了です.
Debian12のインストール
インストールメディアの起動
PCを再起動します
BIOSが起動した画面で,Delキー(Escキー・F2キー)を複数回押し,BIOSの設定画面を起動します.
PCによって,BIOSを起動するためのキーは異なります.各自で確認してください.
起動するメディアで,USBメモリを選択します.
(選択の方法は,各PCで異なります)
これで,Debian12のインストーラーが起動されます.
Debian12のインストール
インストーラーメニューの項目では,Graphical install
を選択し,GUIのインストーラを起動します.
言語の選択
OSの言語を選択します.
私は英語で統一したかったため,English
を選択しました.
地域の選択
タイムゾーンを指定するために,地域を選択します.
Japan
を選択します.
Japan
がない場合,other
→Asia
→Japan
の順番で選択することで,日本に設定することができます.
文字コードの選択
言語は英語,地域は日本を選んだことで,言語と地域の組み合わせが定義されていないことにより,この確認画面が表示されました.
United States
を選択しました.
キーマップの選択
キーボードのレイアウトを選択します.
JISキーボードの場合は,Japanese
,
USキーボードの場合は,American English
を選択します.
ネットワークの確認
自動で以下の2点が自動で確認されます.
- インストールメディアの確認
- ネットワークの確認
ホスト名の入力は,自分が識別しやすい名前が良いと思います.
ドメイン名も,同様にしてください.
ルートユーザのパスワード設定
ルートユーザのパスワード設定です.
各自でパスワードの設定を行なってください.
ユーザ名の設定
ユーザ名の設定です.
この名前がホームディレクトリのディレクトリ名等になります.
ユーザのパスワード設定
ユーザのパスワード設定です.
ログイン等で入力が必要になります.
ディスクのパーティション
Debian12をインストールするディスクを選択します.
同じディスク上にWindowsとLinuxを共存させる場合,ディスクの領域を分割する作業が必要になります.
Linux用に割り当てた領域のデータは上書きさせるため,Windows用のデータが上書きされないように注意が必要です.万が一失敗すると,Windowsが起動できなくなります.
私は,Linux用にSSDを増設したため,そのSSD全体をDebian12用の領域に設定します.
そのためGuided - use entire disk
を選択します.
私のPCの物理構成は以下のようになっています.
記憶装置 | 容量 | 役割 |
---|---|---|
SSD | 1.0TB | WindowsのCドライブ |
SSD | 500.0GB | Linux用 |
HDD | 6.0TB | データ保存用 |
そのため,今回の場合は500GBの/dev/nvme1n1
を選択しました.
全てのファイルを一つのパーティションにまとめるため,All files in one partition
を選択しました.
確認画面が表示されます.
問題がないことを確認し,Continue
を選択します.
さらに,ディスクの上書きに関する確認画面が表示されました.
今回インストールするディスクには,以前のLinuxが残っていたため,上書きします.
Yes
を選択し,Continue
をクリックします.
ディスクのパーティションとシステムのインストールが自動で行われます.
パッケージマネージャのミラーサイト
パッケージマネージャを用いる時の参照先を選択します.
近い位置の方が良いため,Japan
を選択します.
日本にあるミラーサイトを選択したいため,.jp
のものを選択してください.
プロキシに関する設定
必要であれば入力してください.
今回は何も入力せずContinue
をクリックしました.
情報提供に関する設定
レポートなどが自動的にデベロッパーに送信されるかどうかの設定です.
今回はNo
を選択しました.
ソフトウェアの選択
インストールするソフトウェア・デスクトップ環境を選択します.
デスクトップ環境はGNOME派なので,デフォルトのまま次に進みました.
選択後,ソフトウェアのインストールとGRUBブートローダのインストールが始まります.
インストール完了
インストールが完了しました.
Continue
をクリックし,PCを再起動します.
Debian12の起動
GRUBのブートローダーが起動します.
本来はGUIが起動するはずなのですが,なぜかCUIが起動しました.
exit
と入力することでGUIに移ることができました.
矢印キーでDebian12を選択し,Enterで起動します.
起動すると,ログイン画面になります.
先ほど設定したパスワードを入力してログインします.
Debian12の初期設定
Debian12に初めてログインすると,初期設定画面が表示されます.
それぞれ任意に設定してください.
言語
English
を選択しました.
キーボードレイアウト
USキーボードを使用しているため,English (US)
を選択しました.
位置情報
位置情報を使う予定がないため,Offにしました.
アカウント連携
アカウントの連携です.
今回は必要ないためスキップしました.
初期設定完了
初期設定が終了しました.
最後に
これでDebian12のインストールが完了しました.
その他の設定に関してもも別記事で記載しているので,ぜひご覧ください.