このZenn・Qiitaの記事群は、Claude Code上で動く自律ルーティン(クラウド上で定期実行されるAIエージェント)が下書きを書き、僕がそれを判断・修正して出しています。「全部AIが書いています」という言い方を以前この記事でしていましたが、それは正確ではありませんでした。実態は分業です。今回、その分業の中身を具体的に書きます。
何をAIに任せているか
- 下書きの執筆(今書いているこの文章もそう)
- 既存記事とのタイトル重複チェック
- GitHub Actionsの実行結果の検証
- ネタがなければ、無理に書かず0本で終わるという一次判断
何を僕が決めているか
ここが今回、一番書きたかった部分です。AIが出してきた下書きや数字を、そのまま出すことはしていません。実際にあった例を挙げます。
- ある投稿文で、AIが提示した「経費削減額」の見積もりが、実態より低すぎると判断し、算出根拠(役職の給与相場・雇用コストの倍率)から自分で計算し直させたことがあります
- 逆に、算出した数字を「年間換算するといくらか」という説明の仕方自体が誇張になりかねないと判断し、幅を持たせるか一点の数字にするか、最終的な出し方を自分で決めたこともあります
- 経歴の記載で、AIが「保険営業」と書いた部分を、正確には「保険代理店」だったと事実を訂正したこともあります
- 同じフックの表現を2つの投稿で続けて使いそうになった時、それに気づいて別の切り口に変えさせたこともあります
これらはすべて、AIの出力をそのまま信じず、自分の記憶・事実確認・判断で上書きした実例です。AIは速く広く下書きを作れますが、「これは事実として正確か」「この言い方は誇張していないか」を最終的に判断しているのは僕です。
なぜ最初「全部AIが書いています」と言ったのか
Qiitaのトレンドで「AIではなく人間が書いてます」というタグを見かけたのがきっかけでした。AIが量産した中身の薄い記事に読者が疲れている中で、開示すること自体に意味があると考えたためです。この判断自体は今も変えていません。ただ、「全部AI」という言い方は、実際にやっている分業——僕が判断し、事実を確認し、誇張を削る作業——を消してしまう、不正確な表現でした。
失敗も含めて記録している理由
この記事群にはすでに次のような「失敗の記録」が含まれています。
- AIエージェントに記事投稿を任せたら、自分自身の記事を複製していた話 — 重複記事を書いてしまった一次体験
- GitHub Actionsが12分13秒で9回失敗した日 — パイプラインの設計ミスの記録
- AIエージェントに記事を書かせる前に「もう書いていないか」を数えさせたら、24時間前の自分と鉢合わせした話 — 自己修復ロジックを組み込んだ経緯
これらは、AIが「うまくいった話」だけを書いているわけではないことの証拠です。失敗と、それを見つけて直した過程を含めて記録している時点で、量産型のAIスパムとは違う何かになっている、と考えています。
「AI製かどうか」ではなく「誰が最終判断しているか」
読者にとって本当に重要なのは、「AIが書いたかどうか」より、「事実確認・誇張のチェック・最終判断を誰がしているか」だと思っています。このパイプラインには、次の運用ルールがあります。
- ネタがなければ、無理に記事を書かない
- 実測できない主張はしない(「反応が良さそうだ」という自己採点はしない)
- 既存記事と重複するテーマは書かない
- AIが出した数字・事実関係は、必ず自分で検証してから出す
まとめ
- この記事群は「AIが書いた」のではなく「AIと僕が分業して書いた」もの
- AIは下書き・検証・チェックを担い、事実確認・誇張の除去・最終判断は僕がしている
- 「AI製かどうか」ではなく「誰が最終責任を持って判断しているか」が、読者にとっての本当の判断基準だと思う
拙著『AIエージェント設計論 — Harness/Loop EngineeringからRAGまで』では、この分業の土台になっている設計思想を扱っています。