実機 Cisco 3725 から IOS を抽出して GNS3 に導入するまでの手順まとめ
物理ルータから IOS を取得し、GNS3 上で再現可能な仮想ルータとして利用できるようにするまでの手順を整理しました。ネット上の情報は断片的なものが多く、再現性を確保するために一連の作業を通して記録しています。
1. 必要なもの
- Cisco 3725(実機)
- コンソールケーブル(USB–RS232 変換)
- Tera Term(コンソール接続)
- Tftpd64(TFTP サーバ)
- Windows PC
- LAN ケーブル(PC ⇔ Router 直結)
2. Ciscoルータと PC の物理接続
- コンソールケーブル
- ルータのコンソールポートに接続
- LAN ケーブル
- PC の LAN ポート
- ルータの FastEthernet0/0
3. Cisco 側の基本設定(IP 割り当て)
Tera Term でルータに接続し、以下を設定します。
# 特権EXECモードへ移行
Router> enable
# グローバルコンフィグモードに入る
Router# configure terminal
# 設定対象のインターフェースを選択
Router(config)# interface FastEthernet0/0
# IP アドレスとサブネットマスクを設定
Router(config-if)# ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
# インターフェースを有効化(初期状態はshutdown)
Router(config-if)# no shutdown
Router(config-if)# exit
Router(config)# exit
補足:
no shutdownの意味
Cisco の物理インターフェースは初期状態で shutdown(管理的に無効) になっています。
no shutdownを実行することで、インターフェースが物理的に有効(up)になります。
FastEthernet0/0 が up していることを確認します。
※注意
以下の IP アドレス設定Router(config-if)# ip address 192.168.1.1 255.255.255.0は あくまで一例です。
使用している PC 側の IP アドレスやネットワーク構成に応じて
適切な同一セグメントのアドレスに変更してください。例)PC が
192.168.10.100/24の場合Router(config-if)# ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
4. Windows 側の LAN 設定(固定 IP)
PC 側の LAN アダプタに以下を設定します。
(例)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| IP アドレス | 192.168.1.10 |
| サブネットマスク | 255.255.255.0 |
| デフォルトゲートウェイ | 空欄 |
疎通確認:
ping 192.168.1.1
5. Tftpd64 のセットアップ
IOS を受信するためのフォルダを作成します。
C:\TFTP-Root
次に Tftpd64 を起動し、以下の設定を行います。
6. ルータから TFTP へ IOS をコピー
まず Flash の内容を確認します(ここで IOS のファイル名を把握します)。
Router# dir flash:
表示された一覧の中から .bin の IOS ファイル名を確認したら、TFTP へのコピーを実行します。
Router# copy flash: tftp:
Source filename []? <IOSファイル名>
Address or name of remote host []? 192.168.1.10
Destination filename [<IOSファイル名>]?
各プロンプトの入力内容:
-
Source filename
ルータの flash にある IOS のファイル名(dir flash:で確認した名前) -
Address or name of remote host
Tftpd64 を動かしている Windows PC の IP アドレス(例:192.168.1.10) -
Destination filename
保存するファイル名
特に変更しない場合はそのまま Enter
! が並んで表示され、最後に以下のようなメッセージが出れば成功です。
補足:
copy flash: tftp:が実行できない場合
これは特権モードでないと実行できません。
以下を実行し、Router#の状態になっていることを確認してください。enable
27911456 bytes copied in 128.052 secs (217970 bytes/sec)
7. PC 側で IOS ファイルを確認
C:\TFTP-Root に IOS ファイル(.bin)が保存されていることを確認します。
これで物理ルータ側の作業は終了です。
8. GNS3 に IOS をインポート
GNS3 を起動し以下の操作を行います。
File → Import appliance
Cisco 3725(Dynamips) を選択し、吸い出した IOS ファイルを指定します。
RAM 設定や idle-PC 計算を実行し、ルータを起動します。
起動後に以下が動作すれば問題ありません。
show version
9. まとめ
- 実機 Cisco 3725 から IOS を抽出し、TFTP を用いて PC へ転送した
- 抽出した IOS を GNS3 に取り込み、仮想ルータとして利用可能な状態にした
- 実機環境を仮想環境へ再現するための基盤が整い、以降の検証作業を GNS3 上で進められるようになった
10. 知見
本手順を通して、以下のようなネットワーク基盤・仮想化技術に関する理解が深まりました。
- Cisco IOS の基本的な設定操作とインターフェース管理
- TFTP を用いた IOS イメージ転送の流れ
- 実機環境の構成を GNS3 上で再現するための手順理解
- 物理・仮想ネットワークそれぞれでの疎通確認やトラブル対応の経験
実機作業と仮想環境の両方を扱ったことで、ネットワーク構成の再現性を意識した検証手順について理解が深まりました。
※ 本記事の作業は、筆者が所有している実機ルータを用いて実施しています。IOS イメージそのものの配布や再頒布は行っていません。
