はじめに
先日、某データセンター(DC)にて、データベースもゴリゴリに扱われているサーバーエンジニアさんから「いつもどんな工具を使っているんですか?」と質問をいただきました。普段は論理レイヤーを主戦場にされている方から、我々が日々手にしている道具に興味を持っていただけたのは嬉しい限りです。
そこで今回は、DC内でのラッキングや配線といった軽作業において、私が現場に持ち込んでいる「7つ道具(とその一味)」をご紹介します。
もちろん、職人やエンジニアによってそれぞれの流儀(こだわり)がありますので、これが唯一の正解というわけではありません。現場の環境やラックの仕様に合わせて、装備を「動的に合わせていくこと」こそが重要だと考えています。
私たちの仕事は 「安全施工を行うこと」が第一 です。しかし、その大前提の上で、 「いかに効率的に、気持ちよく、そして美しい施工を行えるか」 を追求する楽しさがあります。私自身、今もなお理想の道具立てを追い求める途中段階ではありますが、現時点での一つの方法として参考になれば幸いです。

1. 身につける工具(100msecで出そう)
工具袋を持ち歩くのもありですが、工具を探す時間はロスタイムとなります。
施工前に何をどう乗せるか、どう結線するかというシュミレーションはワクワクしながら頭の中で行いますが(KYのネタにもなるのでオススメ)、アレが欲しい!というタイミングですぐに活躍してくれる子は手の届くところに置いておきたいものです。
とある千葉の現場で見た職人さんが、 小型の腰袋にカラビナをつける なんておしゃれなことをしていました。つけるのも外すのも素早くできる。朝礼や朝の一服、昼休み、終礼・・付け外しは何回も行いますが、これは楽でしたね。
良いものは真似ましょう。即日ワークマンでこんなものを買ってみました。

ここらの道具がコンパクトに格納できるのは素晴らしい。

何より、内袋にシールやLANケーブル作成時のゴミを溜めておけるところが良いですね。
その分、現場がキレイになります。

2. 物理マウントを支える「回す」道具
サーバーラックへの機器固定において、最も手数が多く、かつ施工品質が問われる領域です。
2.1 ペン型電動ドライバ(マキタ等)
- 用途: ラックマウント、レール取り付け時の大量のネジ締め
- 解説: DC軽作業における機動力の要。ピストル型にもストレート形状にも変形するため、狭い1Uスペースやラック裏の限られた隙間でも柔軟に取り回せます。一瞬で確実な仮締め・本締めが行えます。作業グローブや各種ビットとセットで運用します。
2.2 ボールグリップ手動ドライバー(VESSEL等)
- 用途: 機器のラック耳付け等、トルクがさほど必要ないところのネジ締め・仮締め
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解説: 手回しでもよいですが、ネジを100も200もつける現場ではタイムロスにつながります。腱鞘炎にならないように、効率的に行きましょう!
2.3 精密ドライバ
3. ケージナット操作・金属製ツール
19インチラックの標準でありながら、多くのエンジニアの爪と指先を脅かす「ケージナット」。ここをいかにスマートに処理するかが重要です。
3.1 ケージナット脱着ツール(ケージナット取り付け治具)
- 用途: ケージナットのラックへの装着
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解説: これがあるだけで、ケージナット装着にかける時間が1/3になります。指先に負荷をかけることなく安全・確実に脱着可能です。マイナスドライバーや素手で代用するケースも見られますが、ラックの塗装を傷つけたり、滑って手を怪我したりするリスクがあるため、専用治具による施工を推奨します。河村電器産業、摂津金属工業いずれでも好みでどうぞ。爪切り型のもありますが、これはどうなのでしょうね?いつか使ってみたいと思います。
また、ラックのメーカーによってネジ径(M5、M6、ミリネジ、インチネジ)は様々です。そして、そもそも先方が用意してくれていなかった!なんてことも。。。現地で困らないよう予備含めて9つセット程度は持ち込みます。
4. 切断・保持用ハンドツール
配線の仕上がりや、トラブル時のリカバリー力を左右する手元の道具たちです。
4.1 開梱道具
- 用途: 段ボール開梱
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解説: 機器を運ぶ段ボール。カッターやハサミ、ニッパーの先等で開けることもありますが、製品へのダメージが怖いところ。日に10も20も開梱/箱つぶしを行う現場ではこのような専用開梱治具を買いましょう。ケガ防止にも役立ちます。オススメ。
4.2 ハサミ & ニッパー & ラジオペンチ
- 用途: LANケーブル作成、タイラップ(結束バンド)のカット、他
- 解説: ニッパーは「刃先がフラット(つらいち)」に切れるものを選びます。タイラップの切れ残りが鋭利に突き出ていると、後からラック裏で配線作業をする人が腕を引っ掛けて血を流す原因になります。「次の作業者が安全に動ける状態を作る」ことまでが施工です。私はVICTOR(花園工具)斜ニッパ 100mmが好きですが、こちらはお好みで。
5. 消耗品&視覚的マネジメント
現場でのマーキング類です。
5.1 マスキングテープ
- 用途: 配線や機器のマーキング
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解説: 文房具屋さんで見て、これは!と即買い。決まった長さに片手でマスキングテープが出せるgearです。ミドリ クイックテープカッター。マッキー超極細で書き込むと即席の仮ラベルにもなります。
5.2 ケーブルラベル&カラー識別シール(丸シール)
- 用途: ケーブルの両端(対向)識別、施工位置の一時的なマーキング
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解説: 文字によるラベリングの前に、パッと見の「色」で系統やVLAN、行き先を識別できるようにします。これにより、暗いラック裏でも視認性が劇的に向上し、誤抜線のリスクを減らすことができます。
LAN示名条片は事前に作りこむプラタグもありますが、数本の場合にはこのようなLANラベルシールを事前に作って持ち込むこともあります。現場テプラ(横幅23mm)で作成することもあります。LAN太径用、LAN細径用 シールが異なりますので両方持ち込みます。
前編では、主に「ラックに機器を固定するまで」の工具をご紹介しました。
▶ 後編では、ケーブリング、火入れ時の安全を担保する電気確認ツール、論理設定へと繋ぐ通信・ギミック系ガジェット、そしてこれら多くの道具を現場でスマートに運用するための「収納・パッキング」等について解説できればと思います。









