Xfce4 を導入済みの Arch Linux 上に日本語環境を構築します.
具体的には,
- 日本語キーボードを認識させる
- 日本語フォントのインストール
- システムの表示言語を日本語にする
- 日本語入力環境を整える(Fcitx + Mozc)
という順番で行います. おおよそ以下のリンクに沿います.
また, 前回, 前々回の記事からの続きでもあります.
Arch Linuxにデスクトップ環境を導入する(LightDM+Xfce4) - Qiita
Arch Linux インストールガイド(UEFIデスクトップ編) - Qiita
前提となる環境
Xfce4 がインストールされていることを前提とします.
また, Xfce4 は LightDM を通じて起動しているものとします.
(これはインプットメソッドフレームワークを起動する際の設定をどこに書くかに影響します)
キーボードは日本語配列のものとします.
日本語キーボードを認識させる
キーボードのレイアウトを日本語配列として認識させます.
Xfce4 をインストールした直後には, 日本語キーボードがきちんと認識されておらず, USキーボードとして認識されています.
ターミナルエミュレータを用いてインストール作業や設定作業をする際に, キーボード配列がきちんと設定されていないのは致命的ですので, まずは日本語配列をきちんと設定します.
ここでは, Xfce4 の設定マネージャ(GUI)から設定する方法を紹介します.
設定は, デフォルトではデスクトップの左上にある Application(アプリケーション) から変更することができます.
Settings(設定) -> Keyboard(キーボード) -> Layout(レイアウト) の順に開いていきます.
「システムデフォルトを使用する(Use system dafaults)」 のチェックを外し, Keyboard Layout に「japasene(日本語)」を追加し, 元々あった「Engligh」を削除します.
特に再起動は必要ありません.
日本語フォントのインストール
日本語フォントをインストールし, 日本語をきちんと表示させます.
日本語のフォントをインストールする前にロケールを変更すると, 本来日本語で表示されるところが正常に表示されなくなりますので, 先に日本語フォントをインストールします.
なお, Firefox などのブラウザで日本語のサイトを表示する, 日本語のファイルを開くなどすれば, システムの表示言語を日本語に設定する前に, 日本語フォントがきちんとインストールされたかどうかを視覚的に確認することができます.
私は, 先にFirefox をインストールして, 日本語のサイトを見ることで確認するようにしています.
日本語の表示は, 日本語のフォントをインストールするだけで基本的にはきちんと表示されるようになります.
otf-ipafont
や otf-ipaexfont
は, Arch の公式リポジトリからでインストールできるようになっています.
少し前まで otf-ipaexfont
は, AUR(Arch User Repository) を使わないとインストールできなかったように思いますが, いつのまにか公式でインストールできるようになったようです.
AUR まで含めると, ttf-ricty
がきれいでみやすくオススメです.
今回は otf-ipaexfont
をインストールすることにします.
$ sudo pacman -S otf-ipaexfont
インストールされているフォントのリストは, 以下のコマンドで確認することができます.
$ fc-list : file
otf-ipaexfont
がインストールされたことは, 例えば以下のコマンドで確認できます.
$ fc-list : file | grep -i "ipa"
以下のように出力されるはずです.
/usr/share/fonts/OTF/ipaexg.ttf:
/usr/share/fonts/OTF/ipaexm.ttf:
フォント全般に関する情報は以下を参照のこと.
システムの表示言語を日本語にする
ロケールを変更し, システムの表示言語を日本語にします.
/etc/locale.conf
に LANG=ja_JP.UTF-8
などと書き込み, LANG=en_US.UTF-8
などはコメントアウトして, ロケールを設定します.
root 権限が必要です. また, 事前にロケールを生成しておく必要があります.
前々回, 前回の続きであれば, ロケールは既に生成してあるので, LANG=en_US.UTF-8
をコメントアウトし, LANG=ja_JP.UTF-8
のコメントを外せば設定が完了します.
システムフォントの設定は, 外観(Appearance)やウィンドウマネージャ(Window Manager), あるいは個々のアプリケーションの設定で変更することができます.
日本語入力環境を整える(Fcitx + Mozc)
インプットメソッドフレームワークインプットメソッドエンジン(Input method engine; IME)をインストールし, 日本語の入力環境を整えます.
日本語入力の方法にはいくつかありますが, 今回は インプットメソッドフレームワークとして Fcitx を, IMEとしてMozc を採用します.
この方法では, 日本語入力環境を Arch 公式のリポジトリのみを使って構築することができます.
fcitx-mozc
をインストール. 依存パッケージとして, fcitx
も同時にインストールされます.
$ sudo pacman -S fcitx-mozc
.pam_environment
か, .xprofile
に以下を記述.
GTK_IM_MODULE DEFAULT=fcitx
QT_IM_MODULE DEFAULT=fcitx
XMODIFIERS DEFAULT=@im=fcitx
ディスプレイマネージャとして SLiM を使う場合や startx ユーザは .xinitrc
を使う必要があるとのこと.
LightDM で Xfce4 を起動する場合, .xinitrc
に記述しても設定が反映されませんので注意してください.
再起動後, Xfce4 のパネルにキーボードのアイコンが表示されます. デフォルトだと右上の方に表示されるかと思います.
日本語キーボードの場合, 半角/全角キーで日本語と英語入力の切り替えができます.
まとめ
Xfce4 をインストール済みの Arch Linux に日本語環境を構築しました.
日本語キーボードの認識の設定, 日本語フォントのインストールとシステム言語の設定, そして日本語入力環境の構築を行いました.
大半のユーザはこれで事足りると思います.