12
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

ネットワークの基礎:OSI参照モデルとTCP/IPモデルの違いと各層の役割

Posted at

はじめに

この記事では、「OSI参照モデル」、「TCP/IPモデル」の定義、各層の役割についての学びを共有します。

1. OSI参照モデルとは?

OSI参照モデル(Open Systems Interconnection reference model)とは、国際標準化機構(ISO)などが策定した、コンピュータが通信する機能を7つの階層に分けて定義したモデルです。

重要な前提:現在、通信プロトコルとしては「使われていない」

もっとも重要な点は、現在インターネットや社内LANで実際に動いている通信ルールは、OSI参照モデル準拠のプロトコルではないということです。

  • かつての目的: 1980年代、メーカーごとにバラバラだった通信規格を統一するために作られました。
  • 現在の役割:実際の通信には、後述する「TCP/IP」が世界標準として使われています。現在のOSI参照モデルは、「ネットワークの仕組みを理解・説明するための概念(共通言語)」としてのみ利用されています。

2. 各層の役割(第7層〜第1層)

OSI参照モデルでは、通信機能を7つの階層(レイヤー)に分割しています。上層は人間に近く、下層に行くほどハードウェアに近くなります。

階層 名称 役割と主な機能 代表的なプロトコル・機器
第7層 アプリケーション層 ユーザーが利用するソフト(Webブラウザやメーラー)に通信機能を提供します。 HTTP, SMTP, FTP
第6層 プレゼンテーション層 データの「翻訳」を行います。文字コードの変換や、データの暗号化・圧縮を行い、文字化けなどを防ぎます。 ASCII, JPEG, 暗号化形式
第5層 セッション層 通信の開始から終了(セッション)までの手順を管理します。データが混ざらないよう制御します。 TLS, NetBIOS
第4層 トランスポート層 通信の品質を管理します。データの抜け漏れを確認して再送する(TCP)か、速度重視で送りっぱなしにする(UDP)かを制御します。 TCP, UDP
第3層 ネットワーク層 異なるネットワーク間の通信を実現します。IPアドレスを使って宛先を特定し、最適な経路(ルーティング)を選びます。 IP, ルータ, L3スイッチ
第2層 データリンク層 直接つながっている隣接機器間での通信を確実に行います。MACアドレスで機器を識別し、ケーブル上のエラー検出を行います。 Ethernet, MACアドレス, L2スイッチ
第1層 物理層 データを電気信号や光信号に変換し、物理的なケーブルやコネクタの形状を規定します。 LANケーブル, 光ファイバー

3. TCP/IPモデルとOSI参照モデルの違い

現在、インターネットを含む世界中のネットワークで実質的な標準として稼働しているのがTCP/IPモデルです。

違いの比較表

項目 OSI参照モデル TCP/IPモデル
実用性 概念モデル
(理解や説明のために使う)
実用プロトコル
(実際に通信を行うルール)
階層数 7階層 4階層(OSIの層をまとめて表現する)
特徴 機能が厳密に定義されており、学習やトラブルの切り分け(場所の特定)に適している。 実用重視で作られており、世界中の異なるOSや機器をつなぐ標準技術。

階層の対応関係:7層と4層のマッピング

OSI参照モデルは7階層ですが、TCP/IPモデルはこれらを4階層にまとめて効率化しています。具体的には、OSIの第5〜7層が1つに統合され、下位層もまとめられています。

TCP/IPモデル(4階層) 対応するOSI参照モデル(7階層) 役割の共通点
第4層 アプリケーション層 第7層 アプリケーション層
第6層 プレゼンテーション層
第5層 セッション層
アプリケーションの機能、データ表現、通信の開始・終了手順をまとめて扱います。
第3層 トランスポート層 第4層 トランスポート層 通信の品質(信頼性や速度)を制御します(TCPやUDPなど)。
第2層 インターネット層 第3層 ネットワーク層 異なるネットワーク間の通信(ルーティング)を行います(IPなど)。
第1層 ネットワークインターフェース層 第2層 データリンク層
第1層 物理層
物理的なケーブル接続や、直接つながった機器間での信号の受け渡しを扱います。

ポイント解説

  • 上位層(OSIの5, 6, 7層 → TCP/IPのアプリケーション層):
    OSIでは「データの表現形式(L6)」や「通信手順の管理(L5)」を細かく分けていますが、TCP/IPではこれらをすべて「アプリケーション」の役割として一括して扱います。

  • 中核層(OSIの3層 → TCP/IPのインターネット層):
    ネットワークの行き先を決める重要な役割です。資料において「TCP/IPのインターネット層(第2層※)で設定不備がある場合、OSIのネットワーク層(第3層)のトラブル(ルータ設定など)に該当する」と解説されるように、この2つは直接対応しています。

  • 下位層(OSIの1, 2層 → TCP/IPのネットワークインターフェース層):
    物理的なケーブル(L1)やMACアドレスによる隣接機器への転送(L2)は、TCP/IPではハードウェアに近い機能として1つの層で扱われます。

結論

  • TCP/IP: 実際にインターネットにつなぐための「技術・プログラム」。
  • OSI参照モデル: ネットワークの構造を理解し、エンジニア同士で会話するための「地図・共通言語」。

この2つを対比させながら学ぶことで、ネットワークの仕組みをより深く理解できます。

12
4
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
12
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?