#はじめに
こんにちは。はらいです。
前回:#001_Filemaker_散漫するSaaS脱却を考える。
においてざっくばらんにFileMakerとはなんぞやという記事を書きましたが、
今回は、業務改善の手段としてFileMakerや他のSaaSを入れる意思決定をする前にやるべきことを記載します。
本記事は、中小企業の業務改善を行う部門所属の方、経営者の方、システム起案者、また、現在の業務を改善したい皆様に向けて記載します。
##本記事について
業務改善に関わる方々に向けて、
- 考え方
- システム導入前に行うべきタスク
- システムの選定基準
システムを入れるときの実際のアクションについては、また次の機会にFileMakerで代替したらどうなんの?っていう視点で書きたいと思うので、
今回はシステムを入れる意思決定に至るまでに業務改善プロジェクトの責任者がやるべきことを記載します。
改善対象は、コーポレート部門(バックオフィス)を想定します。
##目次
- 全体的な流れと考え方
- 業務理解とボトルネックの洗い出し
- それ、システム導入本当にする意味ある?
- システムの選定基準について
- まとめ
##1. 全体的な流れと考え方
働き方改革、業務改善、BPR(Business Process Re-engineering)等々の名称で呼ばれているこのタスクですが、
やるべきことはただ一つです。
既存の業務にメス入れ、生産性の向上を図る
ということです。
言い換えると、
業務における時間および精神的コストを下げ、高い出力結果が出るように業務を正規化をする事だと思います。
では、まずは何からしましょうか?
やるべきことの大まかな手順は以下の通りです。
① 業務の棚卸し(現状コストの把握)・業務フローの可視化
② 改善範囲、達成目標の設定
③ 業務整理・具体案の立案
④ システム代替
⑤ 効果測定
⑥ 終了
ざっとこんな感じでしょうか。
ここに布教活動がプロジェクト開始前から終了後定着まで永遠と続きます。
##2. 業務理解とボトルネックの洗い出し
業務改善を行う担当者が自部門の改善を行う場合には比較的業務の理解はスムーズに行うことができると思いますが、
私のような他部門の人間が改善を行う場合においては、該当業務理解を深めるところから始まるので難易度がぐっと上がります。
自他部門に関わらず、細々した業務まで徹底的に拾い上げることが棚卸しを行う際に最も大事になる部分なので多少時間をかけてでもしっかりやりましょう。
この細々した業務を拾い上げられない事が、今後システム代替を行う際のボトルネックになって、**「微妙にシステム使いづらい→使わない」**という結果繋がります。
###2-1. 業務の棚卸し
まず業務として**「何が」「どれくらい」**存在するのかを掌握するために、業務棚卸表を作成します。
私が普段使うテンプレート置いておくのでよろしければ参考にしてください。
記入例は実際に私が2年目のときにやっていた業務です。
数字を扱う業務とデザインを扱う業務が当時苦手意識を持っていたので
負荷指数が高いと記入してます。
→テンプレート
業務棚卸表を作る際には、
・人間が物理的に存在しなければいけない業務は何か
・反復業務は何か
・精神的につらい(精神コストが高い)業務は何か
・時間コストが高い業務は何か
・人材の成長が見込めない業務は何か
・データの重複入力は発生してないか
この辺の事項を意識して作成すると後々メス入れがしやすくなります。
###2-2. ボトルネックの洗い出し
業務棚卸表に記入をしてもらい集計をすると、
年間における必要時間コストが均一化されて見えると思います。
物理的に人間が介在しなければいけない業務を除く、
時間コスト× 精神コストが最も高い業務と、その周辺業務を改善することが業務改善したほうがいい可能性が高い業務です。
###2-3. 業務フローの可視化を行う
業務の棚卸しが終了したら、次はその点の業務を線でつないで可視化していく必要があります。
既存の業務フローがややこしくなってくる理由としては、
- 入金、支払フローが納品に対して前後している
- 契約というフローがある
- 工事などで納品までの期間が空く
- 関係者の人数が多い
こういった点が挙げられます。
これは、ビジネスモデル上仕方ない部分がほとんどなので認めましょう。仕方ないです。
必ず業務フロー図は時間軸を上から下に、担当部門が複数にわたる場合には横に伸ばして作成します。
業務改善において、**「業務の棚卸し」「業務フローの可視化」**の片一方しか行わないと、システム導入の際に導線や実際の細々した業務が分からなくなり事故につながります。
手間はかかるかもしれませんが両方やりましょう。ここが一番の正念場です。
##3. それ、システム導入本当にする意味ある?
棚卸、業務フローの作成を行った段階で**「うわ、業務のフローぐっちゃぐちゃじゃん」**となったら、結構ラッキーです。
理想的な業務フローに修正しましょう。
業務部門は基本的にはコストセンターと呼ばれるだけに、
法律や物理的にNGな場合を除き、どんな規模であれ一人で回せるというのが理想です。
まず、全部の業務を一人でやった場合の業務フローを作成します。
一人でやる前提で作成したフローを横に展開し、複数人で担当するようにする。というように作成して下さい。
かなりシンプルになるはずです。
シンプルになったらデータの出入力のタイミングを確認し、同じデータを複数人で打ち込んでいるようであれば、だれがどのデータを入力していくか決めましょう。
企業の規模にもよりますが、エクセルor紙で業務を行っており、業務フローが正規化されていない場合においては、
ここまで行った後に、スプレッドシートを使うようにするだけでだいぶ生産性が上がったりします。
それでも無理な場合に初めて「システムどうしよっか」と考えるので遅くないと思います。
##4. システムの選定基準について
業務フローがこれ以上改善できないよ!ってなった段階で初めてシステムの導入を考えます。
既存で複数のシステムを入れているのであれば、そことのコストを踏まえて改善を行いましょう。
データの格納されているマスタが多岐にわたる or システムが分かれるとユーザー側で相当ストレスになります。
- SaaSを複数入れており連携が取れていない → PaaS or RPA
- エクセルでマスタが分かれている → データベース、スプレッドシート
- 繰り返し業務が発生している → VBA、GAS、RPA
- 業務全体でシステムを入れていない、棚卸した業務が既存のSaaSとマッチしている → SaaS
- 既存のSaaSだと微妙に痒い所に手が届かないけど、開発に1000万以上投資できない → FileMaker
- ちょっとどこから手を付けていいか分からない→はらいにDM(笑)
こんな感じです。
できるだけ一人で業務が回せて、一つのシステムで事足りるというのが理想です。
私がFileMakerを推す理由が、理想に一番近いシステムだと思っているんですよね。
##まとめ
いかがでしょうか。
少しイメージ湧きましたか?
ここもうちょい分かりにくい等あればおっしゃってください。修正します。
バックオフィス業務では
法律や物理的にNGな場合を除き、どんな規模であれ一人で回せるというのが理想です。
システムも複数存在すると中間コストやマスタ分裂問題が発生するので、できるだけ一つのシステムにまとめたいですね。
次は実際にシステム(FileMaker)を入れるところを紹介していきますのでお楽しみに!