はじめに:「リップルが規格に収まらない」は、ほぼ毎回どこかでつまずく
試作基板の電源出力をオシロで覗いたら、思っていたよりリップルが大きい。
スイッチング周波数のギザギザに、さらに高周波のヒゲ(スパイク)が乗っていて、データシートの「Output Ripple」のグラフとは似ても似つかない波形になっている。
「これ、後段のADCやセンサーに効いてこないか」「EMC試験で引っかからないか」と不安になる。
ハード設計者なら、これも一度はぶつかったことがあるトラブルだと思います。
私もこの症状に出会った時、最初は「出力コンデンサが足りないのか」「ICの選定ミスか」と部品単体を疑うのですが、実際に原因を追っていくと、そもそも測り方が間違っていた、あるいは 部品単体ではなく基板のレイアウト側にあった というケースがかなり多いです。
この記事では、同じハード設計者として、電源出力のリップル・ノイズを切り分けるための 5つの確認ポイント を、見落とされやすい順に整理しました。
発生頻度の高いものから順に見ていけば、おおむね30〜40分で原因の当たりがつけられる構成にしています。
なお、専門用語は初出時に1行ずつ補足を入れています。
- リップル(Ripple):出力電圧に残るスイッチング周波数成分の周期的な変動分
- スイッチングノイズ:スイッチング遷移(ON/OFFの切り替わり)の瞬間に発生する高周波のヒゲ・スパイク
- ESR(等価直列抵抗):コンデンサが理想素子ではなく、内部に持っている抵抗成分
- ノーマルモード/コモンモード:往復2線間に現れるノイズ(ノーマル)と、2線が揃って対GND・対大地に振れるノイズ(コモン)
この記事の想定読者
- スイッチング電源(降圧DCDCコンバータ)/ LDO / 二次側DCDCのいずれかを扱った試作経験がある
- 電源出力に「リップルが大きい」「高周波のヒゲが乗る」「後段が誤動作する」のいずれかに直面している
- データシートの「Output Voltage Ripple」の値は読んだが、自分の波形がそれと一桁違っていて困っている
- 量産設計レビュー前、あるいはEMC事前評価の前に、当たりをつけたい
ポイント1:そもそも測り方が正しいか(測定系起因の見かけ上のノイズ)
症状の特徴
- 波形に高周波のヒゲ(数十MHz〜)が大量に乗っているが、後段は特に誤動作していない
- プローブの当て方・GNDの取り方を変えると、ノイズの量が大きく変わる
- 別のオシロ/別のプローブで測ると、リップルの値が変わる
確認方法
これは最初に潰しておきたいポイントです。対策に入る前に、まず「測定系が作っている偽ノイズ」を除外する のが、ノイズ問題の正しい第一歩です。ここを飛ばすと、ありもしないノイズを延々と追いかけることになります。
確認すべきは次の4点。
- プローブのGNDリード(ワニ口)の長さ:標準の10〜15cmのGNDリードは、それ自体がループアンテナになり、空間に飛んでいるスイッチングノイズを拾います。ループ面積が大きいほど、実際には存在しない(=出力線には乗っていない)ヒゲが見えます
- GNDの取り方:ワニ口を使わず、スプリングチップ(バネ状のGNDアダプタ) を使い、測定点のGNDパッドに最短で接続する。これだけでヒゲが大幅に減ることが多いです
- プローブとオシロの帯域:広帯域(数百MHz〜)のプローブ・オシロで測ると、本来は問題にならない高周波成分まで拾ってしまいます。リップルの「電圧値」を評価したいなら、20MHz BW Limit(帯域制限) を入れて測るのが、データシートのリップル規定と条件を揃える定石です
- AC結合で測っているか:DC数Vに乗った数十mVのリップルを見るには、オシロをAC結合にして、リップル成分だけを拡大して観測する
実務的には、「ワニ口で測った波形」と「スプリングチップ+20MHz BW Limitで測った波形」を見比べる のが一番手早い切り分けです。両者で見え方が大きく変われば、ノイズの相当部分は測定系起因だった、と判断できます。
対処法
- GNDリードをスプリングチップに替える:プローブ先端のGNDを、測定点の至近に最短で落とす
- 20MHz BW Limit を有効にして電圧値を評価する:データシートのリップル規定(多くが20MHz帯域)と条件を合わせる
- 本当の高周波スパイクを評価したい時だけ広帯域に戻す:ただしその時もGNDループは最小にする
- それでも残るヒゲは、次のポイント以降の「実際のノイズ」として扱う
よくある具体例
「リップルが規格の3倍あってパニックになったが、プローブのワニ口をスプリングチップに替えただけで規格内に収まった」。よく聞くパターンです。長いGNDリードがスイッチングノードの放射を拾っていただけで、出力線そのものは問題なかった、という典型です。まず測定系を疑う、これだけで解決する案件が一定数あります。
補足:20MHzという帯域は多くのスイッチング電源データシートが採用する測定条件であり、慣例として広く使われています。後段にとって本当に20MHz以上が問題になる用途(高速ADC・RF系)では、広帯域でも別途評価が必要です。
ポイント2:出力コンデンサのESR・容量・種類が適切か
症状の特徴
- スイッチング周波数のリップル(ギザギザの基本波)が、計算上の想定より大きい
- データシート通りの容量を載せているのに、リップルが規格に入らない
- 温度を上げる/下げると、リップルの大きさが変わる(特に低温で悪化)
確認方法
測定系がシロだと分かったら、次は出力コンデンサです。スイッチング電源の出力リップルは、出力コンデンサのESRと容量で決まる成分が支配的 です。ざっくり次のように分解できます。
V_ripple ≒ ΔI_L × ESR + ΔI_L /(8 × fsw × Cout)
└─ ESR成分 ─┘ └─ 容量性成分(リアクタンス成分)─┘
-
ΔI_L:インダクタのリップル電流(peak-to-peak) -
ESR:出力コンデンサの等価直列抵抗 -
fsw:スイッチング周波数 -
Cout:出力コンデンサの実効容量
第1項が ESR成分(リップル電流がESRに流れて生じる電圧)、第2項が 容量性成分(コンデンサが充放電で持つリアクタンスによる電圧)です。どちらが効くかは使っているコンデンサの種別によります。電解・ポリマー系コンデンサが主体ならESR成分が支配的になりやすく、低ESRのセラミックコンデンサ(MLCC)主体なら容量性成分の寄与も無視できません。
ここでは式の感触をつかむため、仮に ΔI_L = 0.5A のリップル電流を持つ電源を例にします(ΔI_L の求め方はポイント3で扱います)。リップル電流 ΔI_L = 0.5A、ESR = 30 mΩ、fsw = 500 kHz、Cout = 22 µF の場合、
ESR成分 = 0.5 × 0.03 = 15.0 mV
容量性成分 = 0.5 /(8 × 500e3 × 22e-6) ≒ 5.7 mV
合計 ≒ 15.0 + 5.7 ≒ 20.7 mV
※ 厳密にはESR成分と容量性成分は位相が異なるため単純な和にはなりませんが、目安としては十分実用的です。
このとき、ESRを 30 mΩ → 5 mΩ(低ESR品)に替えると、ESR成分は 0.5 × 0.005 = 2.5 mV まで下がり、合計も 8.2 mV 程度まで改善します。ESR成分が支配的な構成ならESRを下げるのが効く、というのがこの式から読み取れる勘所です。
そしてもう一つの落とし穴が、MLCC(積層セラミックコンデンサ)のDCバイアス特性 です。
- MLCC(特に高誘電率系:X5R/X7Rなど)は、直流電圧をかけると実効容量が大きく減ります。データシートの公称容量(例:22µF)は無バイアス時の値で、定格電圧の半分くらいをかけると、実効容量が 公称の半分以下、品種によっては1/3〜1/4 まで落ちることがあります。ケースサイズが小さい大容量品では1/10近くまで落ちるものもあります
- 例えば「定格10Vの22µF品に5Vを印加すると、実機では実効7µFしかない」という事態が起こり、上式の容量性成分が想定より大きくなります
確認は、オシロでリップル波形の「形」を見るのが手早いです。
- リップルが 三角波に近い(ESR支配) → ESRを下げる方向
- リップルが 鋭いノコギリ波・容量不足っぽい垂れ → 実効容量不足を疑う(MLCCのDCバイアス減を含む)
対処法
- 低ESR品に替える:導電性高分子(ポリマー)コンデンサ、低ESRのMLCCなど
- 実効容量を確保するには、定格電圧を上げるよりケースサイズを大きくする方が効く:同じ容量・定格でも、ケースサイズが大きいほどDCバイアス特性は緩やか。定格を25V→50Vに上げてもあまり変わらない一方、ケースサイズを上げる効果は大きい
- MLCCは定格電圧にも余裕を持つ(補助的に):使用電圧に対して十分な定格を選ぶこと自体は無駄ではないが、DCバイアス対策の主役はあくまでケースサイズ
- 電解(ポリマー)とMLCCを併用する:低周波リップルは容量の大きい電解/ポリマー、高周波は低ESRのMLCC、と役割分担する
- データシートの 「実効容量 vs DCバイアス電圧」のグラフ を必ず確認してから容量を決める
よくある具体例
「データシート通り 22µF を1個載せたのにリップルが倍ある」というケースで、実は5V印加でMLCCの実効容量が10µF以下に落ちていた、というのは非常に多いです。MLCCの公称容量を額面通り信じると、リップルでもDC安定性でも足元をすくわれます。MLCCは"かけた電圧での実効容量"で設計する、と決めておくと事故が減ります。
ポイント3:スイッチング周波数成分とインダクタ・レイアウトの寄与
症状の特徴
- 基本のリップルに加えて、スイッチング周波数の整数倍(高調波)が目立つ
- インダクタを変えるとリップルの大きさが変わる
- 軽負荷時に「ジー」という可聴音が出て、波形も乱れる(PFM/スキップ動作)
確認方法
リップルの基本波の大きさは、インダクタのリップル電流 ΔI_L が出発点です。降圧コンバータでは次式で見積もれます。
ΔI_L ≒ (Vout × (1 − Vout/Vin)) /(L × fsw)
-
L:インダクタンス値 -
fsw:スイッチング周波数
この ΔI_L がポイント2の式にそのまま効くので、インダクタンスが小さい/周波数が低い ほどリップル電流が増え、出力リップルも増えます。
たとえば Vin = 12V、Vout = 5V、L = 4.7µH、fsw = 500kHz の場合、
ΔI_L ≒ (5 × (1 − 5/12)) /(4.7e-6 × 500e3)
= (5 × 0.583) / 2.35
≒ 1.24 A
ただし、ポイント2の基本リップルとは別に、スイッチングの瞬間に出る高周波スパイク は、インダクタンス値ではなく レイアウトのループ面積 で決まります。スイッチングノード(SWノード)まわりの高速 dV/dt・dI/dt が、配線インダクタンスと寄生容量で共振し、数十MHz〜のリンギングを出します。これが出力に重畳すると、後段のEMCや誤動作の原因になります。
特に効くのが、「ホットループ」(入力コンデンサ → ハイサイドSW → ローサイドSW → 入力コンデンサGND の最短電流経路)の面積です。ホットループ=スイッチング時に大電流が高速で流れる最短ループのことです。ここが大きいと、スイッチング毎に大きなノイズを放射し、それを出力やセンス線が拾います。
※非同期整流(ローサイド側がダイオード)の構成では、ハイサイドSWとダイオード・入力コンデンサで作る経路がホットループに相当します。
オシロでSWノードの波形を見ると、立ち上がり・立ち下がりのエッジに高周波リンギングが乗っているのが見えます。このリンギングの周波数成分が、出力スパイクの周波数と一致していれば、原因はSWノード由来と切り分けられます。
対処法
- インダクタンスを上げる/周波数を見直す:ΔI_L を下げてリップル電流を減らす(ただしインダクタの飽和電流・サイズとトレードオフ)
- 入力コンデンサ(特に高周波バイパスの小容量MLCC)をICの至近に置く:ホットループ面積を最小化する。これがスイッチングノイズ対策の最重要レイアウト
- SWノードの銅箔を必要最小限にする:SWノードは「放射源」なので、引き回しを最短・最小面積にする(放熱とのトレードオフに注意)
- ブートストラップ/ゲート経路も短く:ゲート駆動のリンギングもノイズ源になる
- どうしてもスパイクが残る場合、SWノードにスナバ(RCスナバ) を入れてリンギングを減衰させる(損失増とのトレードオフ)
よくある具体例
「インダクタも出力コンデンサもデータシート通りなのに、高周波のヒゲだけが取れない」というケースで、入力の高周波バイパスコンデンサがICから5mm以上離れていてホットループが大きかった、という典型。バイパスをIC直近に移しただけでスパイクが半分以下になった、というのはレイアウトトラブルの定番です。
ポイント4:GND・基板レイアウトとループ面積(最も見落とされやすい)
症状の特徴
- 部品定数は計算上問題ないのに、実機だけリップル・ノイズが大きい
- 同じ回路でも、基板を変えるとノイズ挙動が変わる
- フィードバック(FB)電圧をいじっていないのに、出力電圧が微妙に揺れる・不安定
確認方法
ここがこの記事で最も強調したいポイントです。経験豊富な設計者でも、忙しい時にはGNDとレイアウトを見落とします。データシートのアプリケーション回路通りに部品を載せたのにノイズが収まらない場合、原因の半分以上はここにあると言っても過言ではありません。
確認項目は次の通りです。
- GNDの共通インピーダンス:大電流が流れるパワーGND(入力C・ローサイドSW・出力C)と、小信号GND(FB分圧・基準・センス)が、同じ銅箔を共有していないか。共有していると、パワー側のリップル電流が小信号GNDを揺らし、それがそのままリップルに化けます
- ベタGNDの分断:内層GNDプレーンが信号配線で分断され、リターン電流が遠回りしてループ面積が増えていないか
- フィードバック配線の引き回し:FB配線が、SWノードやインダクタの直上・直近を通っていないか。FBは高インピーダンスなので、ノイズを容易に拾います
- 出力電圧センス点(リモートセンス):FB分圧の上側抵抗を、負荷電流が流れる経路の電圧降下を含まない「きれいな点」から取れているか(※リモートセンス=負荷の直近から出力電圧を検出し、配線抵抗による電圧降下の影響を避けてフィードバックする方式)
- 入力ループ/出力ループ/帰還配線の分離:それぞれの電流ループが互いに重ならないように配置されているか
実機では、FB配線の取り回しを変える/GNDの落とし方を1点アースに変える だけでリップルが変わることがあり、これが「部品は正しいのにノイズが取れない」案件の典型的な解です。
対処法
- 小信号GNDをパワーGNDから分け、1点で接続する:FB・基準・センスのGNDは、出力コンデンサのGND端子1点に集約してから、パワーGNDへ落とす
- FB配線をSWノード・インダクタから離す:最短かつノイズ源を避けた経路で引く。必要なら配線の隣にGNDガードを添わせる
- ベタGNDを分断しない:信号配線でGNDプレーンを切らない。やむを得ず切る場合はリターン電流の経路を意識する
- 出力センス点を負荷側の安定な点に取る:配線抵抗の電圧降下を拾わない位置から分圧する
- 重要案件では、FB配線を変えた前後でリップルを実測 し、レイアウト寄与を定量的に確認する
💡 部品は正しいはずなのにノイズが取れないと煮詰まった時、自分の波形と状況をAIに投げて客観的に整理してもらう手もあります(記事末尾にリンク)。
よくある具体例
FB分圧の下側抵抗のGNDを、たまたま近かったローサイドSWのGND(大電流が流れる点)に落としていた結果、スイッチングリップルがFBに混入して出力が常時揺れていたケース。FBのGNDを出力コンデンサのGND1点に移しただけでリップルが半減した、というのはGNDトラブルの典型です。データシート通りの定数を載せているのにリップルだけが理屈に合わない時は、ほぼここ(GND・レイアウト)を疑って正解です。
ポイント5:コモンモードノイズ・後段への伝搬(フィルタ設計)
症状の特徴
- 出力リップル単体は規格内なのに、ケーブルを長く引くと後段が誤動作する
- EMCの事前評価で、特定の周波数で放射・伝導ノイズが規格を超える
- LCフィルタやフェライトを入れても「効かない」
確認方法
ここまでで「出力端のリップル(ノーマルモード)」は追えますが、ケーブルや筐体を経由して伝わるコモンモードノイズ は別物として切り分ける必要があります。
- ノーマルモード(NM)ノイズ:+ライン と −ライン(GND)の間に現れる、いわゆる普通のリップル。LCフィルタ(直列L+並列C)で減衰できる
- コモンモード(CM)ノイズ:+ライン と −ライン が 揃って 対GND・対大地に振れるノイズ。原因はSWノードの dV/dt が寄生容量を通じてGND・大地へ漏れる電流。普通のLCフィルタでは取れず、コモンモードチョークが必要
切り分けの考え方:
- まず出力端の NMリップル をポイント1〜4の方法で詰める
- それでも後段・EMCで問題が残るなら、CMノイズ を疑う。CMは「+と−を一緒に1ターンで通したフェライト/コモンモードチョーク」で減衰するかどうかで見分けられる(NMにはほぼ効かず、CMにだけ効く)
- フィルタの 自己共振周波数 を確認する。フェライトやコンデンサには効く周波数帯があり、対象ノイズの周波数とずれていると「効かない」
対処法
- ノーマルモードには LCフィルタ:出力に小さな直列L(フェライトビーズ等)+並列Cを追加。ただしフィルタのLと負荷側Cで共振してリンギングを増やさないよう、ダンピングを意識する
- コモンモードにはコモンモードチョーク:+と−を同じコアに巻き、CM成分にだけインピーダンスを持たせる
- フェライトビーズは"対象周波数でインピーダンスが立つ品種"を選ぶ:データシートのインピーダンス-周波数グラフで、抑えたい周波数帯(例:数十〜数百MHz)にピークが来る品種を選定
- 後段の電源ピン直近に 小容量MLCCのデカップリング を置き、伝わってきた残りノイズを後段の足元で落とす
よくある具体例
「出力にLCフィルタを入れたのに、EMCの放射ノイズが全く減らなかった」というケース。原因がコモンモードだったのに、ノーマルモード用のLCフィルタを入れていただけで、CMには無力だった、という典型です。ノイズ対策は 「ノーマルかコモンか」を先に切り分けてから部品を選ぶ のが鉄則で、ここを飛ばすと「効かない部品」をいくつも積むことになります。
補足:コモンモードノイズ・放射エミッションの本格的な評価は、電波暗室・スペアナといった専用設備が前提になります。本記事は「出力端で測れる範囲のリップル・ノイズ」の切り分けが主眼で、EMC認証レベルの放射対策はより専門的な領域です。
まとめ:診断フローとしての5ステップ
電源出力のリップル・ノイズに直面したら、次の順序で確認するのが最も効率的です。
- 測定系の検証(スプリングGND・20MHz BW Limit で偽ノイズを除外)(10分)
- 出力コンデンサのESR・実効容量(MLCCのDCバイアス減を含む)の確認(10分)
- インダクタのリップル電流とSWノードのループ面積・スパイクの確認(10分)
- GND・レイアウト(共通インピーダンス・FB配線・ループ面積)の見直し(15分)← 最も見落とされやすい
- コモンモード/ノーマルモードの切り分けとフィルタ設計(15分)
合計でおよそ 60分(約1時間)。これでも原因が絞り込めない場合は、複数要因が重なっている可能性が高く、一人で抱え込まずに 第三者の視点でレビューを受ける ことを強くおすすめします。
私自身、自分の設計を自分でレビューすると、思い込みで同じ場所ばかり見てしまって、結局1週間ロスする…という経験を何度もしました。最近は、頭の整理がてら、AIのセカンドオピニオンを使うのが定着しています。完璧ではないにせよ、自分とは違う角度から「ここは見たか?」と問い返してくれるだけで、十分価値があると感じています。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。同じ症状で詰まっているハード設計者の参考になれば幸いです。
