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ICONIXプロセス概要

Last updated at Posted at 2023-12-25

ICONIXプロセスとは

ICONIXプロセスは、ソフトウェア開発を進めるための軽量な手法 です。
この手法では、以下の4つのUML図を中心に使用します。

  • ユースケース図
  • ドメインモデル図
  • ロバストネス図
  • シーケンス図

これらの図を活用して、 要件定義 から 設計実装テスト までを行います。

ICONIXプロセスは、ウォーターフォール開発の反省点を踏まえ、 前フェーズへの手戻り を許容します。
さらに、 ユースケース を起点とする「 動的モデル 」と、 ドメインモデル を起点とする「 静的モデル 」を関連付けながら進める手法です。
このようにして曖昧さや不整合を減らし、 開発効率品質 を向上させます。
また、ICONIXプロセスは「 アジャイル開発 」や「 サーバーレスアーキテクチャ 」などにも適用できる 柔軟性 を持ちます。

ICONIXプロセスの大きな特徴として、「 ロバストネス分析 」を使用します。
ロバストネス分析は、ユースケース記述の 曖昧さ を削減し、 設計テスト見積り を容易にします。

ICONIXプロセスは、UML図のコアサブセットを使って、ユースケースからソースコードまでを 可能な限り少ないステップ で行うことができる「 軽量で信頼性の高い方法 」です。

成り立ち

ICONIXプロセスは、「 Doug Rosenberg(ダグ・ローゼンバーグ) 」によって開発された、ソフトウェア開発のための UMLモデリング手法 です。

この手法は、ウォーターフォール開発の反省点を元に、 前フェーズへの手戻り を許容し、ユースケースを起点とする「 動的モデル 」とドメインモデルを起点とする「 静的モデル 」を関連付けながら、コードに落とし込んでいく手法です。

必要性

ICONIXプロセスは、 ユースケース駆動 のソフトウェア開発手法の一つであり、UMLの図を用いてシステムの 要件定義・分析 から 設計実装テスト までを効率的に行うことができます。

前フェーズへの手戻り

前フェーズへの手戻り を許容しているため、ウォーターフォール開発ほど 硬直的 ではなく、アジャイル開発のように 要件分析フェーズ を省略しません。

ロバストネス分析

ロバストネス分析 」という手法で、 ユースケース記述 の曖昧さを減らし、 ドメインモデル との整合性を保ちます。

品質や保守性の向上

アジャイル開発のように 要件分析フェーズ を 省略 しないため、システムの 品質保守性 を向上させます。

柔軟な適用性

中核的な分析設計モデリングプロセス を記述しているため、異なるプロジェクト管理やアジャイル方法論に従うプロジェクトであっても柔軟に適用できます。

効率的な開発

ユースケース から ソースコード までを 可能な限り少ないステップ で行うため、分析麻痺に陥らず効率的に開発できます。

全体像の把握

ユースケースを実装に変換する フレームワーク として、ソフトウェア開発の全体像を把握しやすくなります。

アジャイルとの関係性

アジャイル開発は、プロジェクトを 小さなサイクル に分けて フィードバック を受けながら進める方法です。
これにより、利用者の 要求 や 環境の 変化 に柔軟に対応できます。

ICONIXプロセスは ユースケース駆動 のオブジェクト指向開発手法で、 要件分析予備設計詳細設計実装 の4つのフェーズで進めます。
以下の点で、アジャイル開発と関連しています。

  • ウォーターフォール開発ほど硬直的ではなく、前フェーズへの手戻りを許容している
    • アジャイル開発的 に進めることができる
  • 要件分析 フェーズをしっかり行う
    • アジャイル開発では要件分析が省略されたり不十分になりがちなところを、ICONIXプロセスでは回避できる
  • ロバストネス分析 」という 予備設計 フェーズがあり、ユースケースとオブジェクトの間のギャップを埋めることができる
    • アジャイル開発では、このような 中間的なモデリング が欠けている場合がある
  • 異なるプロジェクト管理やアジャイル方法論に従う様々なプロジェクトで、大幅なテーラリングなしに使用できる
    • 書籍「 Agile Development with ICONIX Process 」では、アジャイルプロジェクトでのICONIXプロセスの使い方が説明されている

あとがき

ICONIXプロセスの特長や利点、そしてアジャイル開発との関係性についてご理解いただけたでしょうか。
ソフトウェア開発において、適切な手法を選ぶことはプロジェクトの成功に直結します。

ICONIXプロセスは、ウォーターフォールとアジャイルの良いところを取り入れたハイブリッドなアプローチで、多くの利点を提供します。
特に「 ロバストネス分析 」による「 予備設計フェーズ 」は、要件と実装を簡単な図で紐付けることで、プロジェクトの透明性と柔軟性を高める重要な役割を果たします。

これにより、要件と実装の乖離を防ぎ、開発の進行をスムーズに保つことができます。

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