0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

AIがあっても壊れたプロセスは新しいツールでは直らない(SOC stories)

0
Posted at

はじめに
SOC(Security Operations Center)では、
AIを搭載した新しいセキュリティツールが次々と導入されています。
しかし現場では、次のような声をよく耳にします。

ツールを入れたのに運用が楽にならない
アラートが減らない、むしろ増えた
結局人が疲弊している

本記事では、なぜ新しいツール(AI含む)だけではSOCの課題は解決しないのか、
そして 本当に改善すべきポイントはどこか を現場目線で整理します。

1. ツールは「責任の曖昧さ」を解決できない
多くのSOCの問題は、技術ではなく 責任分界の不明確さ にあります。
よくある例:

このアラートは誰が対応するのか
誤検知かどうか誰が判断するのか
システムオーナーへの連絡は誰が行うのか

これらが定義されていない状態では、
どんなに高性能なツールを導入しても、
ノイズをより速く生み出すだけ です。
AIはアラートを分類することはできますが、
「誰が責任を持つか」を決めることはできません。

2. 壊れたプロセスは、良いツールでさらに悪化する
プロセスが壊れている状態とは、例えば以下です。

トリアージフローが曖昧
エスカレーションルートが未定義
SLAや優先度の基準がない

この状態で新しいツールを追加すると、
混乱をそのままスケールさせる結果 になります。
AIベースのSOCツールは特に、

「可能性のあるインシデント」を多く検知し
アラート量を増加させ
高度なチューニングと文脈理解を要求します

プロセスが整っていなければ、
AIは 混乱を加速させる増幅装置 になってしまいます。

3. AIは最終判断を代替できない
AIが得意なこと:

ログの相関分析
異常検知
重要度の推定

一方で、AIができないこと:

ビジネス影響の理解
組織としてのリスク許容度判断
インシデント時の最終意思決定

SOC業務は ツール作業ではなく判断作業 です。
プロセスが信頼されていない環境では、
AIの判断結果も信頼されません。

4. 本当にSOCを改善するのは「地味な作業」
実際にSOCを改善するのは、次のような取り組みです。

明確なランブックの整備
アラート種別ごとの責任者定義
シンプルで再現可能な運用フロー
定期的なプロセスレビュー

どれも地味ですが、最も効果があります。
プロセスが安定して初めて、

ツールが価値を発揮し
AIが負荷を減らし
自動化が安全に使えるようになります。

まとめ
AIはSOC運用を変えていきます。
しかし、人が定義しないものをAIが直すことはできません。
SOCがうまく回っていないとき、

「次に導入すべきツールは何か」ではなく
「今日、何の判断が曖昧か」を問い直すべきです。

まずプロセスを直す。
その上で、ツールとAIを活かしましょう。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?